Linux を Windows 上で動作させてみよう

いきなり入れ替えると、怪我しますよ


Windows 上で、別の OS を動かす?

 Linux に興味をもたれても、いきなり OS を入れ替えてしまうのは、あまりにも乱暴です。茨の道を歩む覚悟があれば、それでもよいですが、ある程度の事前準備をしてから移行しないと、すぐに躓いていてしまうのは必須です。メインとなるマシン以外に、Linux を導入できるマシンがあれば良いのですが、実際にはなかなか難しいところがあります。個人的には、中古の ThinkPad を購入して、Linux を入れてしまう、というのがお勧めなのですが、購入したマシンの挙動がわからないままでは、それが正しい動作なのかどうか、判断がつかないことになります。

 昨今の PC は、OS 自体のハードウェアリソース要求が非常に厳しくなっているのですが、これは Windows 系に限った話ではなくなっています。Linux においても、GUI を使おうとすれば、メモリは黙っても 128MB は搭載していないと、OS のインストールでさえ、問題となってしまいます。とはいえ、Windows XP をしれなりに使おうとすれば、最低でも 256MB は必須になりますので、Windows XP が動作しているレベルであれば、Linux でも十分に活用できるといえ、一般的な作業(文書作成、表計算、Web 閲覧、メール送受信)といった作業には、差し支えなく使えるレベルにできます。Windows Vista の登場で、標準搭載されるメモリが 1GB 当たり前になってきているわけですが、2GB を搭載していれば、アプリケーション用に 1GB は残せることになりますので、Linux を載せるには十分といえます。

 さて、Windows 上に Linux を導入するというのは、どういうことなのでしょう?簡単にいえば、Windows 上に仮想 PC 環境を用意する、ということになります。実機の代わりに仮想環境を使うことで、メイン環境に影響を与えることなく、Linux がどういうものか、ということが体感できます。Windows 上で仮想環境を使う場合には、二つの選択肢があります。一つは Virtual PC で、もう一つは VMware というものです。前者は現在、Microsoft 社が配布しており、後者は VMware 社が配布しているもので、いずれも無償で利用できます。なお、Virtual PC は Windows 上でのみ動作しますが、VMware は Linux 上でも動作するので、個人的には、VMware をお勧めします。

Virtual PC 編

Virtual PC の導入

 Virtual PC は Microsoft のサイトから入手することになりますが、導入する Windows のバージョンによって、Virtual PC のバージョンが異なるので注意してください。また、Home エディションでは、Virtual PC は動作させられないので、ご注意ください。Windows 2000 Pro では Virtual PC 2004SP1 を、Windows XP Pro 以降は Virtual PC 2007SP1 を導入します(注:Virtual PC 2004 は Windows XP Pro でも動作しますが、最新版である Virtual PC 2007 をお勧めします)。ここでは、Windows XP Pro に Virtual PC 2007SP1 を導入してみます。

Virtual PC 2007SP1 を Microsoft のサイトからダウンロードします。この際に、ダウンロードするパッケージは、ちょっと注意が必要です。Virtual PC 2007 と Virtual PC 2007SP1 の二種類のパッケージがサイト内にありますが、ダウンロードすべきは、Virtual PC 2007SP1になります。Windows の Service Pack とは異なり、いきなり Virtual PC 2007 SP1 をインストールしてしまうことができるため、Virtual PC 2007 のパッケージはダウンロードする必要がありません。

 Virtual PC 2007 SP1 をダウンロードしたフォルダにある setup をダブルクリックすると、上記の画面となります。なお、アプリケーションのインストールですので、管理者権限を持つユーザーで実行する必要があります。場合によって、セキュリティの警告が表示される場合があります。そのような場合には、一度、setup のアイコンを右クリックして、プロパティを開き、「ブロックの解除」を行ってください。一度設定すると、二度目からは表示されなくなります。

 「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」が表示されますので、中身を確認した上で、「使用許諾契約書に同意します(A)」のチェックをつけて、「次へ」を押します。

 「ユーザー情報」が表示されます。Windows へ登録したユーザー情報が表示されます。「このコンピュータを使用する人すべて(すべてのユーザー)(A)」にチェックをつけて、「次へ」を押します。「自分のみ(Administrator)」を選択すると、Administrator でログオンしたときしか利用できなくなりますので、特別の理由がない限り、デフォルトのままにしておきましょう。

 「プログラムのインストールの準備完了」が表示されます。「Microsoft Virtual PC 2007 SP1 のインストール先」に表示されているパスに、Virtual PC 2007 SP1 がインストールされますので、空き容量が十分にあることを確認してください。インストール後の容量で約 40MB 消費していますので、インストール中には100MB 程度が必要となります。なお、C ドライブの空き容量が 1GB 未満である場合は、Virtual PC 2007 SP1 のインストール前に、空き容量を 1GB 確保するようにしてください。Windows そのものの動作が不安定になります。昨今の HDD 容量であれば、1GB の空き容量は、決して大きくはありません。

 確認できたら、「次へ」を押します。

 インストールが進んでいきます。処理が終わるまで、しばらくお待ちください。

 インストールが完了すると、上記の画面となります。「次へ」を押します。

 インストール完了後、上記の画面が表示された場合、ネットワークデバイスが正しく起動されていない可能性があります。ネットワークから切り離している状態で Virtual PC 2007 SP1 を起動した場合にも表示されます。いわゆるホスト OS とバーチャルマシンで通信しているような設定をしている場合には、最低でも、Hub を持参して、LAN ケーブルを接続しておかないと、上記のエラーがでてしまい、ネットワークが利用不可になります。デモなどで使う場合は、特に注意が必要です。

Virtual PC での Vine Linux の導入

 Virtual PC のインストールができたら、さっそく、Vine Linux を導入してみましょう。雑誌などに添付されている Vine Linux の CD-ROM(CD-R を含む)を使う場合は、ドライブに CD をセットして進めるだけになります。全く持っていない場合は、ISO イメージ(CD-R に焼き付ける直前の状態)を入手することから始まります。Vine Linux の ISO イメージは、Ring Server などから入手します。Vine Linux の公式サイトにいけば、ダウンロードできます。Vine42-i386.ISO というファイルが入手できれば、準備完了です。

 Virutal PC 2007 SP1 をインストールできていると、「スタート」→「すべてのプログラム」→「Microsoft Virtual PC」として。Virtual PC を起動します。

 「Virtual PC コンソール」が表示され、続いて上記の画面が表示されます。Virtual PC 内に作成するマシンを、バーチャルマシンと呼びます。このバーチャルマシンを作成するウイザードが起動しているわけです。なお、バーチャルマシンを1台作ると、次からは自動ではウィザードは起動しないので、Virtual PC コンソールから、「新規」ボタンと押して、ウイザードを呼び出します。「次へ」を押します。

 「バーチャルマシンの作成(C)」にチェックがついていることを確認して、「次へ」を押します。

 バーチャルマシンの名前をつけます。基本的には、導入する OS の名前とします。複数のバーチャルマシンを作成した場合に、区別ができるようにしておくため、このようにすることが、一般的です。ここでは「Vine Linux」と入力し「次へ」を押します。

 バーチャルマシンに導入するオペーレーティングシステムを選択することになります。が、ここには Linux の名前はありません。「その他」を選択して、「次へ」を押します。

 バーチャルマシンに割り当てるメモリを設定します。「その他」を選択した場合には、推奨メモリは 128MB となりますが、Vine Linux の GUI インストーラをスムーズに動作させることから、「RAM の調整」をチェックし、「256MB」を設定します。なお、この時設定可能なメモリ容量は、その時点の空きメモリが上限となります。従って、Windows XP を使われていて、512MB 未満の環境となっている場合には、256MB は設定できません。その様な場合は、160MB を設定してください。Vine Linux で GUI を使おうとする場合は、バーチャルマシンに 256MB のメモリを割り当てできるように、512MB 以上になっていることが望ましいです。Vista の場合は、ホスト OS そのもので、1GB を必要としますので、1.5GB 以上の搭載が必須です。

 バーチャルマシンで使用する仮想ディスク(バーチャルハードディスクと呼びます)を作成します。初めての設定なので「新しいバーチャルハードディスク」をチェックして、「次へ」を押します。「既存のバーチャルハードディスク」は、設定し直す場合に使用します。

 新たなバーチャルハードディスクを、どこに作成するか、容量はいくつにするか、といった設定を行います。「名前と場所」については、特に変更することはありませんが、後々のことを考えると、ここで表示されているパスは、メモしておきましょう。容量については、HDD の空き容量に依存しますが、おおよそ 8192MB(=8GB) あれば、試験的使用には、問題ありません。ちなみに、Windows XP をバーチャルマシンに導入する場合は、15GB は必要になります。なお、作成されるバーチャルハードディスクは、最初からここで指定した容量で確保されるわけではなく、使用されている状況に応じて、増加していきます。従って、空き容量以上の容量を指定して、バーチャルハードディスクを作成することもできてしまいますが、その場合には、バーチャルマシンだけでなく、ホスト OS も転けてしまう(Windows は HDD に一定の空き容量を必要とします)ので、運用には注意が必要です。

 これで、バーチャルマシンが作成されました。とはいえ、この状態は、すっぴんのパソコンと同じ状況なので、これからさらに OS のインストールが待っているわけです。「完了」ボタンを押し、ウイザードを終了します。

 さっそく作成したバーチャルマシンを起動します。Virtual PC コンソールに追加された Vine Linux のアイコンをダブルクリックして、バーチャルマシンを起動します。Vine Linux の CD(CD-R を含む)を使う場合はドライブに CD をセットしてから、起動させます。ダブルクリック後、「Vine Linux - Microsoft Virtual PC 2007」のウインドウにあるツールバーの 「CD(C)」をクリックして、「ISO イメージのキャプチャ」を選択します。そうすると、「キャプチャする CD イメージを選択」が開きますので、先にダウンロードしていた Vine4.2-i386.iso を指定します。

 ダウンロードした正しい ISO イメージであれば、バーチャルマシンは ISO イメージから読み込んで、Vine Linux のインストーラを起動します。

 Vine Linux のインストーラがバーチャルマシンに読み込まれ、起動していくことが確認できます。

 バーチャルマシンへの Vine Linux インストールは、普通の PC へインストールすることとまったく同じです。ただ、「ディスクパーティション」の設定で、「デバイス hda のパーティションテーブルが壊れています。新規パーティションを作成するには初期化が必要ですが、本ドライブのデータを全て消失します。」というメッセージが表示されますが、ここで言っている本ドライブは、バーチャルハードディスクを意味しているので、誤解をしないようにしてください。

 GUI の設定で、モニターの設定は、出てきたままの設定で、問題ありません。バーチャルマシンのデバイスは、すべて仮想デバイスなのですから。

 インストールが完了して、「終了」ボタンを押すと、上記の画面が表示されます。ですが、この画面は気にしなくて良いです。Windows を導入した場合に必要な作業であり、Windows 以外には関係のない部分です。OK ボタンを押すと、インストール作業は完了です。

 バーチャルマシンは、一つの PC として使えます。メモリや HDD が潤沢にあれば、複数のバーチャルマシンを作成して、複数の PC を使うことと同じ作業環境を構築することができます。PC が一台しかない、OS を変えたくない、という要望は、当然的に発生するものですから、Virtual PC を導入することで、一台のマシンが、複数台のマシンを持っているかのように活用できるわけです。これを機会に、Vine Linux だけでなく、CentOS や Ubuntsu などを試してみるのも、一つの手です。ただし、メモリや HDD の容量は、それなりに必要となる点はお忘れなく。

VMware 編

VMWare の導入

 VMware は、いくつかの種類があります。無償利用が可能なものには、VMware Player と VMware Server の二種類があります。VMware Server は仮想環境を提供するツールであり、後者は前者等で作成した仮想マシンを、そのまま使うためのツールとなっています。仮想マシンの設定が固まっていて、OS など必要な環境がすでに構築できている場合には、VMware Player でも良いのですが、いろいろと環境設定を行いながら使おうとする場合には、VMware Server の方が容易です。ここでは、VMware Server を使って、説明していきます。

 VMware Server は、最新版は 2.0 になっています。2.0 からは、管理コンソールがこれまでの GUI から、Web インターフェイスに変更されています。言い換えると、2.0 以前は、専用のコンソールアプリケーションを起動して管理していたのですが、2.0 ではブラウザで開いて設定するようになっている、ということです。このメリットは、従来であれば、VMware Server Console というアプリケーションを事前にインストールしておかないと管理画面を開くことが出来なかったわけですが、2.0 では Web ブラウザがあればすぐに管理画面を開くことができる、という点にあります。つまり、事前の準備が不要になった、ということでもあります。Local で使う分には、どちらであっても、そう大差はないのですが、ネットワーク経由で利用する場合には、大きな違いとなります。

 VMware Server のインストールには、管理者権限が必要となります。すでに一般ユーザーでログオンしている場合には、一度ログオフして頂き、管理者権限を持つユーザーでログオンし直してください。ユーザーの切り替えで行うことも可能ですが、インストール後に再起動を求められることから、ユーザーの切り替えではなく、ログオンし直しをお勧めします。特別に管理者権限を持つユーザーを作成している場合は別ですが、多くの場合はユーザー Administrator でのログオンとなります。

 インストールするためには、インストールするアプリケーションのファイルが必要になります。VMware Server のファイルは、VMware のサイトから、ダウンロードすることになります。

 VMware Server 2.0 の配布ファイルは、VMware-server-2.0.0-122956.exe (2009/01/01現在)となっています。実行形式になっていますので、ダブルクリックして実行することでインストールが始まります。ダブルクリックすると、「VMware 製品のインストレーション」のウインドウが表示されますので、「はい」を選択します。

 続いて、「License Agreenment」(使用許諾書)が表示されます。VMware Server を利用する場合には、「Yes, I accept the terms in the license agreement」を選択します。

 「Destination Folder」(導入先フォルダ)の選択になります。特別な理由がなければ、デフォルトのまま進めます。

 「Server Configuration Information」(サーバー設定情報の設定)となります。設定すべき情報は、3種類ほどあります。「Please select the virtual machines storage path」は、VMware Server が作成する仮想マシンを保存するフォルダです。このフォルダは容量が十分にあることが必要です。仮想マシンのディスク使用量は、作成する仮想ディスクにもよりますが、おおざっぱにいって、10GB 単位で消費するもの、と考えた方が良いですので、少なくとも、40GB 程度の空き容量がないと、複数の仮想マシンを使用することはできません。なお、デフォルトでは C:\Virtual Machines に仮想マシンが保存されることとなっていますが、C ドライブの空き容量が 10GB を切っているような場合には、別のドライブを指定する必要があります。Windows では、C ドライブの空き容量が少ない場合に、動作が不安定になってしまうので、仮想マシンを保存するフォルダは別にする必要があります。

 「Please enter the server access information」(サーバー接続情報の入力)となります。FQDN とは、ネットワークで識別されるホスト名で、Windows をインストールする際に指定された名前がデフォルトで表示されます。基本的に、変更する必要はありません。「Server HTTP Port」 および 「Server HTTPS Port」は、VMware Server にアクセスする際に使用するポートの指定となります。特別なサービスを Windows 上で稼働させていなければ、デフォルトでかまいません。

 「Allow virtual machines to start and stop automatically with the system」(Windows の起動・終了時に、仮想マシンも併せて起動・停止させてよいか)となりますので、チェックをつけておきます。チェックをつけていない場合には、Windows の起動・終了の際に、別に VMware Server を起動・停止しなければなりません。

 「Configuration Shortcuts」は、VMware Server を起動させるためのショートカットをどこに作成するか、の設定になります。基本的には、デフォルトのまま進めます。

 「Installing VMware Server」が表示されると、実際のインストールが始まります。少々時間がかかりますので、終わるまで、しばらくお待ちください。

VMware Server への Vine Linux のインストール

 インストール完了後、デスクトップに作成された「VMware Server Home Page」をクリックすると、ブラウザが起動してきます。VMware Server 2.0 では、Web インターフェイスを使用する形式となり、ブラウザ上から VMware Server にアクセスすることになります。このため、VMware Server では、ゲスト OS の実体が動作しているマシンと、入出力環境(キーボード、マウスおよび画面)を別にすることができます。

 VMware Server の難点は、日本語はまだされていない、というところにあります。Virtual PC の日本語表示に比べると、多少敷居があがっていることは否めません。ただ、Virtual PC でも、日本語化することで意味が変わってしまっている部分(キャプチャする ISO イメージの部分等)もあり、日本語化することが、本当に良いのかという点には、一抹の疑問が残ってしまうところでもあります。

 作成するゲスト OS に名前を付けます。導入する OS の名前を付けておくのが一般的です。

 導入するゲスト OS の種類を選択します。Vine Linux は選択肢には含まれていませんが、Redhat の系列に分類されることから、Rad Hat Linux を選択します。

 ゲスト OS に割り当てるメモリを指定します。VMware Server では、標準で 256MB の指定になっていますので、Next を押します。

 ゲスト OS が使う仮想ディスクの設定になります。「Create a New Virtual Disk」を選択して、Next を押します。

 仮想ディスクの容量を設定します。設定環境の都合上(笑)、4.0GB で作成しています。

 ゲスト OS のネットワークを設定します。

 ホスト OS が有線接続の場合は Bridge を、無線接続の場合は NAT を選択します。

 ゲスト OS が使う CD/DVD ドライブの設定です。ISO イメージを使うので「Use an ISO Image」を選択します。

 使用する ISO イメージのパスを設定します。Browse ボタンを押します。

 ISO イメージのパスを指定します。この時、選択可能なパスは standard と VMware Server で表示されている場所以下、となります。VMware Server 1.x では、任意のパスが選択できたのですが、VMware Server 2.0 では、仮想化されたパスの指定となっています。standard が実際に示しているパスは、C:\Virtual Machines フォルダとなっていました。従って、このフォルダ以下に ISO イメージを保管しておくことが必要となっています。なぜ、このような仕様となったのか、理解に苦しみます。1.x までの仕様に戻ってほしいです...

 このような設定となるようです。

 ゲスト OS に対するフロッピーディスクの設定となります。フロッピーディスクそのものが接続されていないため、Don't Add a Floppy Drive を選択します。

 ゲスト OS に対する USB の設定となります。Add a USB Controller を選択します。

 最終的な設定の確認となります。Finish を押して完了します。

 Virtual Machines のウインドウに、作成した Vine Linux が増えていることを確認します。

 作成した仮想マシンを起動します。Inventory ウインドウの中の Vine Linux を選択し、ツールバーにある Start ボタンをおして、仮想マシンを起動します。

 Console タブを開くと、ゲスト OS の画面が表示されるように思われますが、上記のとおり、となっています。ゲスト OS の画面を表示するには、さらに、console ウインドウ内をクリックするように指示がありますが、その前に、クライアントにツールを導入する必要があります。

 VMware Remote Console のインストールとなります。パッケージをネットワーク送信して、インストールする形になっているので、「開く」を選択します。

 Remote Console のインストールが行われます。インストールの最終で、開いているブラウザを再起動するように促されます。Remote Console のインストールは一度行うだけで済みますが、同一マシン内の場合にも行う必要があるのは、少々面倒になっている感触は否めません。なお、VMware Remote Console は、Firefox でも動作することを確認しています。

 ブラウザを開き直すと、上記のように、警告がでます。これは、VMware Remote Console がオレオレ証明書を使っているためです。続行せざるを得ないので、「はい」を選択し、再度 Virtual Machine ウインドウをクリックします。

 VMware Remote Console が起動します。

 VMware Remote Console 上で、ゲスト OS が動作していることが確認できます。

VMware Server 2.0 に対する雑感

 VMware Server 1.x に比べると、仮想化が進んでいることはわかるのですが、Local で動かしている時にも、Remote Console の導入が必要という環境は、正直悪化していると言わざるを得ません。なぜ、従来の VMware Server Console 方式ではダメだったのか、理由がわかりません。ブラウザで開けるので、インストールが不要、という利点を出したいのかもしれませんが、現状では必ずしもそうとはいえません。Windows 上で使うだけと限定されますが、Virtual PC の方が敷居は低いように感じます。

 だからといって、VMware Server 2.0 にメリットがないか、となればメリットはあります。VMware はゲスト OS を動かすマシンと、入出力を担当するマシンは、同一である必要はありません、従って、ゲスト OS を専用マシンで動かしておき、入出力は手元のマシンで行う、という使い方は可能です。Virtual PC でも、出来ないわけではないですが、ゲスト OS を稼働させるマシンには、不要な GUI を稼働させるためのリソースを使うため、分業する場合には、VMware Server 方式にメリットがあります。向かう方向性が異なる商品、と考えれば、違いがあるのも必然ではありますが、なかなか痛いところがありますね。


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