OS のバージョンアップというものは、いろいろと問題を含んでいることが少なくありません。ベータリリースである場合はもちろんですが、正式リリースであっても、予断を許すことはできません。使用している環境により、いろいろと問題が発生することは、アップグレードという作業を考えると、やむを得ないところではあります。かつては、Windows 95PP から始まり、DAYTONA(Windows NT3.51)、と Microsoft への人柱を経験しているため、単にインストールすれば終わり、というものではないことは、理解してるつもりでした。
Vine Linux が 4.99(5.0α)をリリースした際、まずは VMware でのインストールテストを行いました。さすがにαを実機に導入する勇気は私にはありませんでした。VMware 上でのテストはスムーズに行われ、特に問題らしきものも見当たりませんでした。ただ、まだまだいろいろな環境でのテストがなされていないことから、バグ報告も増えてくるものと予想されました。
Vine Linxu 5.0βのリリースがなされたとき、実機への導入を決断しました。というか、勢いでやってしまった、というのが実のところではありますが(笑)。VMware でのインストールテストが順調に終わり、実機へのインストールテストとして ThinkPad X20 に導入したところ、非常に好調でしたので、Flash Player 10 が導入できないことに業を煮やしていたところでもあったことから、無謀にもアップグレードインストールを行いました。もちろん、この段階では Project Vine でも、アップグレードインストールは保証しません、と明言されているくらいですから、自己責任で対応しなければならないわけですが、大丈夫だろうと高をくくっていました。
インストールご、まず X が起動しない、という問題が生じました。これは、xrog.conf を編集することで対応できましたが、起動してきた環境が、英語環境となっている、という問題が生じました。メニューが英語表示なのは、ある意味格好よいかも、と感じましたが、IM が使えない状態のため、表示はさておいても、一切の入力作業が行えない、という状態に陥りました。locale 設定に問題があるのかも、と思い、/etc/sysconfig/i18n を確認してみると、EUC-JP のままとなっていましたので、UTF-8 の設定に変更し、念のため再起動を行ったのですが、以前として LANG=C のままの起動となっていました。/etc/sysconfig/i18n の設定を保存しなかったのか、と思い再確認してみましたが、こちらはしっかりと UTF-8 に変更されており、/etc/bashrc や /etc/profile などを確認しても、特に上書き設定をしていると思われるものが見つかりませんでした。
X が起動するようになったとはいえ、日本語入力ができないのでは、どうにもなりません。そこで、腹をくくって、OS はクリーンインストールすることにしました。幸い /home については、独立したパーティションとしておいたおかげで、フォーマットさえしなければ、そのまま引き継ぐことが可能でした。前回は別区画と思っていたら同一区画で泣きを見ましたが、今回は mount も確認して、待ち甲斐なく別パーティションであることを確認しました。
インストールは非常に順調に終わりました。今度は無事に日本語環境で X が起動してきました。IM が ATOK for Linux の設定となっていたので、setime scim にて、scim-anthy に切り替えることで、日本語入力も問題なく行えました。今考えると、Local が EUC-JP から UTF-8 へ変更となっていることが、大きく影響していたのかもしれません。その意味で、クリーンインストールすることが必要だったのかもしれません
過日、Vine Linux 5.0 の正式リリースがなされました。5.0α1、5.0β、5.0RC、と三段階を経て、いよいよ正式版のリリースです。手元の環境も、Vine Linux 5.0RC から apt-get upgrade で、パッケージを更新したところです。特段の問題もなく、更新はなされました。ただ、ゴミも残っている可能性がありますので、一度、クリーンインストールしなおそうと考えています。
Last Update is 2009/08/29. CopyRights Tazoe Kazuya 2009.