現在の Linux では、Windows から移行しても遜色のない環境が構築できるようになっています。しかし、ちょっとしたことをどうして良いかわからないため、戸惑ってしまい、やっぱり Windows へ戻る、という選択肢となってしまうように感じます。そんな人に助けになればと思い、このページを作成しました。
インターネットへの接続形態によって、答えが変わってくるところがあります。大別すると、次のタイプにわけられます。
構成が異なると、必要となる対応が変わるので、どの構成となっているか、注意が必要です。接続形態の確認方法ですが、下記のとおりです。
接続形態が判明すれば、それぞれの方法で設定をすれば Linux からも利用できることになります。なお、この設定の前に、Linux 上から NIC (LAN カードまたは本体内蔵 LAN インターフェイス)が利用可能となっていることが必要です。利用できる NIC があるかどうかは、ifconfig コマンドを -a オプションをつけて実行することで、確認できます。Windows 上で使用できる NIC が、すべて Linux 上から利用できる、とは限らないので、注意してください。
$ /sbin/ifconfig -a eth0 リンク方法:イーサネット ハードウェアアドレス 00:xx:F0:4B:10:48 BROADCAST MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RXパケット:930 エラー:0 損失:10 オーバラン:0 フレーム:0 TXパケット:464 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:1 衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000 RX bytes:0 (0.0 b) TX bytes:0 (0.0 b) 割り込み:11 ベースアドレス:0xa000 メモリ:c0214000-c0214fff eth1 リンク方法:イーサネット ハードウェアアドレス 00:xx:60:B2:96:05 BROADCAST MULTICAST MTU:1500 Metric:1 RXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0 TXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0 衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000 RX bytes:0 (0.0 b) TX bytes:0 (0.0 b) ベースアドレス:0x8000 メモリ:c0220000-c0240000 lo リンク方法:ローカルループバック inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0 inet6アドレス: ::1/128 範囲:ホスト UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 Metric:1 RXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0 TXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0 衝突(Collisions):0 TXキュー長:0 RX bytes:0 (0.0 b) TX bytes:0 (0.0 b) ※ ハードウェアアドレスの一部は、伏せ字としています。
上記の用に、lo 以外に eth や ath などが表示されれれば、NIC が Linux から認識されているといえます。lo しかない場合には、NIC が Linux に認識されていないので、Linux に NIC を認識させるか、Linux から認識される NIC を装着することが必要となります。
Windows の広帯域接続に当たるものは、Vine Linux では、TkPPPoE になります。なお、設定を行うには、root 権限が必要となりますので、【アプリケーション】→【アクセサリ】→【GNOME 端末】と選択して、GNOME 端末を開きましょう。そうすると、プロンプトが $ マークとなっていることがわかります。Linux では、一般ユーザーでログインしている場合は $ が、root の場合は # が、プロンプトとなっています(厳密には、シェルによって異なります)ので、su コマンドで、root ユーザーに変更します。プロンプトの変更を確認して、tkpppoe コマンドを入力します。なお、ウインドウのタイトルが RP-PPPoE となっているので、(コマンド間違えたのか)と思ってしまいがちですが、そうではありません。
$ su パスワード(P): # tkpppoe
一つも接続設定が作成されていない場合は、接続設定の作成画面が表示されます。【基本設定】、【NIC と DNS】【オプション】の三カ所です。設定内容については、Windows とほぼ同様です。『接続名』は、接続設定に対する名前です。使っているプロバイダ(ISP)の名前を設定しておくと良いでしょう。『ユーザ名』は、プロバイダから送付された設定資料を確認して、ログインに使用するユーザー名を設定します。『パスワード』も同様に、プロバイダから送付された資料から、指定されたパスワードを設定します。なお、ここで設定するパスワードは接続用パスワードであり、『メールパスワード』ではありませんので、注意してください。
次に【NIC と DNS】です。いきなり 『イーサネット・インターフェイス』という言葉がでてきます。一般的には、eth0 を指定することになります。DNS 設定は『From Server』となっているので、特別な理由がないかぎり、変更する必要はありません。
最後に【オプション】です。ここでは、『root以外のユーザの使用を許可』するをチェックします。これをチェックしていないと、TkPPPoE を起動するために、root に変更しなければならないため、忘れずにチェックします。
これで設定すべき内容は完了です。『OK』ボタンを押して、設定した内容を保存します。そして、正しく接続できるか、確認しましょう。接続できない場合には、『パスワード設定』、『ユーザ名』、『イーサネット・インターフェイス』の順に確認してみましょう。
Yahoo BB の ADSL サービスは、DHCP による IP アドレスの割り当てとなっているため、通常は NIC が認識されている状態で、ADSL モデムを PC に接続することで、設定情報が Yahoo BB 側から自動的に通知されてきますので、特別設定するところはありません。
ただし、ADSL モデム側で、接続してきた PC に搭載されている固有情報(MAC アドレス)を記録しているため、PC を切り替えて使う場合などに、MAC アドレスの変更が反映されるまで、待ち時間が発生することがあります。この場合、ADSL モデムの電源を一度切り、再度投入することで、新たに MAC アドレスの学習が行われ、接続できるようになります。新たなルータに切り替えるときなどは、この点に注意してください。
基本的には、Yahoo BB と同様です。別のマシンを接続していた場合に、ケーブルモデムの電源を一度切断し、再投入すると、認識されるはずです。
ルータの設定が正しく完了していれば、Yahoo BB での接続に準じた形となります。ルータの設定は、機種によってかなりのs亜がありますが、基本的には、接続先が Yahoo BB なのか、CATV なのか、フレッツ系なのか、の違いだけで、単体で接続する場合に使用する設定を、ルータに行うということになります。
なお、Linux はこのルータとして動作することもできる機能があります。ただし、セキュリティの点など運用の注意点や、複数の機能を組み合わせて実現されるもののため、ある程度の Linux の知識が必要になります。最初農地は、多少お金がかかりますが、市販のルータを使用することをお勧めします。
Last Update is 2007/04/30. CopyRights Tazoe Kazuya 2007.