Linux で Internet !

〜実は Windows とそう違いはないのです〜


細かい部分の差こそ、大きな差

 現在の Linux では、Windows から移行しても遜色のない環境が構築できるようになっています。しかし、ちょっとしたことをどうして良いかわからないため、戸惑ってしまい、やっぱり Windows へ戻る、という選択肢となってしまうように感じます。そんな人に助けになればと思い、このページを作成しました。

Linux からインターネットに接続できない

 インターネットへの接続形態によって、答えが変わってくるところがあります。大別すると、次のタイプにわけられます。

  1. NTT のフレッツ接続を使ってインターネットへ接続している
  2. Yahoo BB を使ってインターネットへ接続している
  3. CATV を使ってインターネットへ接続している
  4. ルータを使用して接続している

 構成が異なると、必要となる対応が変わるので、どの構成となっているか、注意が必要です。接続形態の確認方法ですが、下記のとおりです。

フレッツ接続を使用している場合

     
  1. Windows 上で【マイネットワーク】を右クリックしてショートカットメニューを表示します。
  2.  
  3. ショートカットメニューから【プロパティ】を選択します。
  4.  
  5. 【広帯域接続】のところにアイコンが存在していると、1. の形式になります。【広帯域接続】に何もないということであれば、4. になります。

Yahoo BB を使用している場合

     
  1. ADSL モデムから直接 PC に有線で接続している場合は 2. となります。  
  2. ADSL モデムに無線 LAN で接続している場合は 4. になります。
  3.  
  4. ADSL モデムにルータを接続して、有線または無線 LAN で接続している場合は 4. になります。

CATV を使用している場合

  1. ケーブルモデムを PC に有線で直接接続している場合は 3. になります。
  2. ケーブルモデムをルータに接続している場合は 4. になります。

接続形態別設定方法

 接続形態が判明すれば、それぞれの方法で設定をすれば Linux からも利用できることになります。なお、この設定の前に、Linux 上から NIC (LAN カードまたは本体内蔵 LAN インターフェイス)が利用可能となっていることが必要です。利用できる NIC があるかどうかは、ifconfig コマンドを -a オプションをつけて実行することで、確認できます。Windows 上で使用できる NIC が、すべて Linux 上から利用できる、とは限らないので、注意してください。

$ /sbin/ifconfig -a 
eth0      リンク方法:イーサネット  ハードウェアアドレス 00:xx:F0:4B:10:48
          BROADCAST MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RXパケット:930 エラー:0 損失:10 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:464 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:1
          衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
          RX bytes:0 (0.0 b)  TX bytes:0 (0.0 b)
          割り込み:11 ベースアドレス:0xa000 メモリ:c0214000-c0214fff

eth1      リンク方法:イーサネット  ハードウェアアドレス 00:xx:60:B2:96:05
          BROADCAST MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
          衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
          RX bytes:0 (0.0 b)  TX bytes:0 (0.0 b)
          ベースアドレス:0x8000 メモリ:c0220000-c0240000

lo        リンク方法:ローカルループバック
          inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0
          inet6アドレス: ::1/128 範囲:ホスト
          UP LOOPBACK RUNNING  MTU:16436  Metric:1
          RXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
          TXパケット:0 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
          衝突(Collisions):0 TXキュー長:0
          RX bytes:0 (0.0 b)  TX bytes:0 (0.0 b)

※ ハードウェアアドレスの一部は、伏せ字としています。

 上記の用に、lo 以外に eth や ath などが表示されれれば、NIC が Linux から認識されているといえます。lo しかない場合には、NIC が Linux に認識されていないので、Linux に NIC を認識させるか、Linux から認識される NIC を装着することが必要となります。

1. NTT のフレッツ接続を使って、インターネットへ直接接続している場合

 Windows の広帯域接続に当たるものは、Vine Linux では、TkPPPoE になります。なお、設定を行うには、root 権限が必要となりますので、【アプリケーション】→【アクセサリ】→【GNOME 端末】と選択して、GNOME 端末を開きましょう。そうすると、プロンプトが $ マークとなっていることがわかります。Linux では、一般ユーザーでログインしている場合は $ が、root の場合は # が、プロンプトとなっています(厳密には、シェルによって異なります)ので、su コマンドで、root ユーザーに変更します。プロンプトの変更を確認して、tkpppoe コマンドを入力します。なお、ウインドウのタイトルが RP-PPPoE となっているので、(コマンド間違えたのか)と思ってしまいがちですが、そうではありません。

$ su
パスワード(P):
# tkpppoe

 一つも接続設定が作成されていない場合は、接続設定の作成画面が表示されます。【基本設定】、【NIC と DNS】【オプション】の三カ所です。設定内容については、Windows とほぼ同様です。『接続名』は、接続設定に対する名前です。使っているプロバイダ(ISP)の名前を設定しておくと良いでしょう。『ユーザ名』は、プロバイダから送付された設定資料を確認して、ログインに使用するユーザー名を設定します。『パスワード』も同様に、プロバイダから送付された資料から、指定されたパスワードを設定します。なお、ここで設定するパスワードは接続用パスワードであり、『メールパスワード』ではありませんので、注意してください。

 次に【NIC と DNS】です。いきなり 『イーサネット・インターフェイス』という言葉がでてきます。一般的には、eth0 を指定することになります。DNS 設定は『From Server』となっているので、特別な理由がないかぎり、変更する必要はありません。

 最後に【オプション】です。ここでは、『root以外のユーザの使用を許可』するをチェックします。これをチェックしていないと、TkPPPoE を起動するために、root に変更しなければならないため、忘れずにチェックします。

 これで設定すべき内容は完了です。『OK』ボタンを押して、設定した内容を保存します。そして、正しく接続できるか、確認しましょう。接続できない場合には、『パスワード設定』、『ユーザ名』、『イーサネット・インターフェイス』の順に確認してみましょう。

2.Yahoo BB を使ってインターネットへ接続している場合

 Yahoo BB の ADSL サービスは、DHCP による IP アドレスの割り当てとなっているため、通常は NIC が認識されている状態で、ADSL モデムを PC に接続することで、設定情報が Yahoo BB 側から自動的に通知されてきますので、特別設定するところはありません。

 ただし、ADSL モデム側で、接続してきた PC に搭載されている固有情報(MAC アドレス)を記録しているため、PC を切り替えて使う場合などに、MAC アドレスの変更が反映されるまで、待ち時間が発生することがあります。この場合、ADSL モデムの電源を一度切り、再度投入することで、新たに MAC アドレスの学習が行われ、接続できるようになります。新たなルータに切り替えるときなどは、この点に注意してください。

3.CATV を使ってインターネットへ接続している場合

 基本的には、Yahoo BB と同様です。別のマシンを接続していた場合に、ケーブルモデムの電源を一度切断し、再投入すると、認識されるはずです。

4.ルータを使用してインターネットへ接続している場合

 ルータの設定が正しく完了していれば、Yahoo BB での接続に準じた形となります。ルータの設定は、機種によってかなりのs亜がありますが、基本的には、接続先が Yahoo BB なのか、CATV なのか、フレッツ系なのか、の違いだけで、単体で接続する場合に使用する設定を、ルータに行うということになります。

 なお、Linux はこのルータとして動作することもできる機能があります。ただし、セキュリティの点など運用の注意点や、複数の機能を組み合わせて実現されるもののため、ある程度の Linux の知識が必要になります。最初農地は、多少お金がかかりますが、市販のルータを使用することをお勧めします。


Last Update is 2007/04/30. CopyRights Tazoe Kazuya 2007.