ディストリビューションの変更(on T41)

〜Turbo Linux から Vine Linux へ〜


TurboLinux 10F に対する不満

 メインマシンである T41 は Windows XP と TurboLinux 10F の Dual Boot 構成で使用していました。もっとも、Windows を起動するのは、どうしても Windows でしか動作しないアプリケーションを使う場合くらいで、通常の作業はほとんどが TurboLinux 上でまかなえていました。メインの環境を切り替えるときには、いろいろと困難もありましたが、その経験の蓄積のたまものか、今ではほとんど問題を生じることもなく、ある程度は快適に使えるようになりました。

 歯切れの悪い書き方をしたことには、きちんと理由があります。TurboLinux 10F を使っていて、いくつかの改善しがたい不満がありました。

  1. ネットワークデバイスが起動している状態で、ネットワークに接続されていない状態となると、コマンド操作のレスポンスが異常に低下する。
  2. GTK2.0 をサポートしていない
  3. 標準では、ハイバネーションをサポートしていない。
  4. KDE 3.1.5 どまりで、アップデートされる要素がない。
  5. Gnome は事実上のサポート外

 1. は本当につらいものがありました。自宅で無線 LAN を利用しているのですが、出先で使おうとすうると、ハングアップしたかのように、非常にレスポンスが悪くなります。最初は、なぜそうなるのかわかりませんでしたが、しばらく使用していると、ネットワークを無効にしている場合には、そのような状態が発生しないことに気づきました。

 ふと思い、有線 LAN を有効にして、LAN ケーブルを接続していない状態にしてみたところ、同じ状況を再現することに成功してしまいました。これは、かなりのダメージとなりました。なにせ、出先で立ち上げるたびに、terminal から、ifdown コマンドを打って、ネットワークデバイスを無効化しなければならないわけですが、その Terminal が開くまでにも、かなりの時間がかかってしまう状態なので、本来の作業を行う前に、シャットダウンが必要になってしまうことも、少なくありませんでした。

 やむを得ず、デフォルトをネットワーク無効にしておき、起動後に手動でネットワークを有効にする、という方法をとっていました。しかし、うっかりネットワークを有効にする前に、ブラウザを開いたり、メーラーを立ち上げたり、という操作を行って、「なんでつながらない〜〜〜(*_*)」と困惑することもしばしばありました(苦笑)。

 すべてのディストリビューションで同じ症状が発生しているのであれば、やむを得ないとも考えられるのですが、他のマシンに入れていた Vine Linux では発生しないことから、TurboLinux 10F 固有の問題と考えました。なぜなのか、原因は今でもつかめていません。

 2.についてですが、GTK2.0 の未サポートは、ある意味やむを得ないと思います。TurboLinux は、KDE を主体としているため、GTK1.0 のサポートがあるだけでも、十分と考えているのかもしれません。しかし、世の中に GTK2.0 を求めるアプリケーションが多くなってくると、GTK1.0 ではいろいろと障害が生じてきます。これにちては、TL10S が GTK2.0 をサポートしていることから、FTP サーバーより SRC.RPM を入手し、rebuild したパッケージを導入して、GTK2.0 Ready な環境を構築して対応していました。このことにより、TurboUpdate を実行する際に、GTK の更新をはずさなければならない、という運用上の留意点が発生しました。

 ディストリビュータとすれば、GTK のような主要コンポーネントを入れ替えることは、ディストリビューションのメジャーバージョンアップで行うということなのでしょうが、ユーザーとしては、それを待っているわけにはいきませんでした。

 3. のハイバネーションのサポートは、Note PC で使っていると、致命的です。ただ、OS としてはサポートしていたようで、後ほど、自作のスクリプトにて、ハイバネーションは可能になりました。ただ、Vine Linux などがディストリビューションとしてハイバネーションをサポートしていたのに比較すると、見劣りすることも事実でした。ハイバネーションをサポートしていない理由の一つに、KDE 3.1.5 であることも影響しているのではないか、と感じたほどです。

 4. の KDE 3.1.5 どまりは、実際のところ、前述したハイバネーションのサポートがない理由の一つ、と考えてしまっていたのが大きな部分でした。機能として、KDE 3.1.5 で足りないものがあったというよりも、セキュリティフィックスがなされないままになっている、ということに、大きな不安を感じていました。GTK 同様に、TL11 用のパッケージを FTP サイトから見つけてはいたのですが、依存関係が複雑になっており、そうそう簡単に入れ替えすることもできない状態でした。どちらかというと、KDE をすっかり0から構築することに匹敵するような状態であるため、インストールの順番や make の順番なども、重要になってくるものと思われるので、少々手に余る内容だなあ、と感じていました。

 5. Gnome のサポート外、というのは、KDE を主体としている TurboLinux にとっては、必然ともいえるものでした。ただ、常用アプリである Firefox と Sylpheed という2大 GTK アプリケーションを使う上では、なかなか障害になりました。どのような障害かというと、Gnome-control-center で設定したフォント設定が、OS 起動後に反映されず、手動で Gnome-contorol-center を起動する必要がある、というものでした。konqerer と KMail にすれば、このような問題もなくなるのでしょうが、先に使ってしまったため、今から別のものにするという選択肢は、現実解にはなりませんでした。

 とはいえ、TurboLinux FUJI が登場したことから、TurboLinux 10F の更新は難しくなっているので、FUJI にいくか、他のディストリビューションに移るか、頭の痛い問題となりました。しかし、TurboLinux 10F を選択した最大のメリットである PowerDVD のサポートは FUJI では遅れていることから、FUJI を選択する意味は非常に薄い、という判断となり、ディストリビューションの変更を選択する結果となりました。

新たなディストリビューションの選択

 世にはいろいろなディストリビューションがありますが、この選択は、実のところ非常に簡単でした。TurboLinux 以外で使用頻度の高いディストリビューションは、Vine Linux でしたので、kernel 2.6 を搭載した Vine Linux 4.1 を選択することになったのは、非常に自然な流れでした。ただ、本来望んでいた Vine Linux 4.1CR の入手ができずに、Vine Linux 4.1 FTP 版を使うこととなりました。

 Vine Linux 4.1 を選択する時に、不安がなかったわけではありません。Turbo Linux 10F を選択したメリットは下記のものがありました。

  1. ATOK X for Linux 標準搭載
  2. Ricoh フォント標準添付
  3. PowerDVD 搭載

 1. については、ATOK for Linux を別に入手していたので、OS 側で持っていない場合でも、あまり問題にはなりませんでした。SCIM + Anthy という組み合わせも、結構実用的に使えるのですが、やはりメインでは ATOK を使いたい、という思いがありました。

 2. については、4.1CR を求めた最大の理由ではありました。ただ、4.0 から IPA フォントも搭載されるようになり、以前のようにフォント関係が気に入らない、ということはなくなっていました。それでも、実際のセッティングには、数日を要したほどなので、やはり、ここは好みの部分が非常に大きい用に感じています。

 3. については、かなり大きな問題でした。Turbo Linux 以外で、商用の DVD デコーダソフトは市場には登場せず、他のディストリビューションを選択することは、PowerDVD との決別に他なりませんでした。ただ、xine や MPlayer といったオンラインツールなどで、DVD 閲覧が可能になってきている話を多く耳にしたことから、このあたりは何とかなるだろう、という結構あっさりした考えでいました。正直 Linux 上で DVD 閲覧を行う機会は激減していたので、最悪の場合には、Dual Boot の Windows からみればいいだろう、という気持ちもありました。

 ということで、機は熟していた、のですね(笑)。

Vine Linux 4.1 の導入

 Vine Linux 4.1 のインストールといっても、特別なことは、何もありません。ThinkPad は、比較的素直にインストールできるマシンのため、CD Boot さえできれば、後はすいすいとインストールが進みます。とはいっても、何も考えないでインストールするのは、ちょっと問題ですね。

パーティション構成の検討

 最大の問題にして、最初の問題ともいえるものが、これです。Windows と異なり、Linux では、Root(ルート:根)から始まる単一のツリーにすべてのデバイスがぶら下がります。Windows では、ドライブ単位にツリーが構成されるのですが、Linux ではこのツリーが単一のものである、というところが異なります。それでは、パーティションはどのように使われるのでしょうか?

 Linux においては、パーティションをツリーのどこに接続するか、ということをユーザーが設定することができます。ツリーに接続することを mount(マウント)と呼びますが、この mount をすることで、各パーティションを mount したディレクトリ(これをマウントポイントと呼びます。)名でアクセスすることができます。

 パーティションを分割するメリットはなにでしょうか?これは使い方によって異なるのですが、ディレクトリ毎に使用容量を制限したい、ということにつきるといえます。これは、実際には使ってみないと感覚をつかみにくいところですが、ある程度使用していると、一度は経験したことがあると思います。

 過去にやってしまったミスとしては、ログファイルの容量増加によって、パーティションの空き容量が枯渇してしまい、OS を起動不能としてしまった、ということがあります。これは、Linux に限った話ではなく、Windows でもありえる話です。C ドライブの空き容量が 100MB を切って、OS が不安定になった経験がある人も少なくないと思います。(もっとも、Windows が不安定になるのは、メモリなどの要因もありますが.....)

 バックアップを考える場合にも、パーティションを分けておくメリットはあります。フルバックアップを行う場合には、パーティション単位にバックアップを行うことになりますが、単一のパーティションとしていると、バックアップに必要な容量が大きくなり、作業に時間を要することになります。反面、どのパーティションのバックアップなのか、をきちんと把握していないと、リストア(復元)する場合に、とんでもないことになってしますので、このあたりは注意が必要です。

 以前は、ブートローダである LILO が、大容量 HDD を使用している場合に、kernel を読み込めなくなる、という制限がありました。このため、起動用のファイルがたくさん収納されている /boot も分割しておくことが望ましい状況がありました。しかし、LILO のバージョンアップにより、この制限も解消され、好みの問題ということになっています(笑)。

 いろいろと悩んだ結果、選択した結果は、次のとおりとなりました。

 /vm という見慣れないマウントポイントがあるのは、VMware Server の仮想マシン用の専用区画を設けているためです。最近の OS は肥大化しているため、ディスクの使用容量がかなり大きく、システムの安定稼働に影響を与えるおそれがあるため、専用区画としています。/var には、多めの割り当てとしています。これは。/var には、ログはもちろんですが、apt のキャッシュフォルダ(apt-get install などでダウンロードしたファイル群)もあるため、容量を多めにしています。

 このほかに、Windows XP 用に1区画を確保していますので、全体としては、5区画となっています。120GB の容量も、動画さえ扱わなければ、結構十分な容量といえます。ちょっと大判振る舞いになっているような気も、市内ではありませんが(笑)

グラフィカルかテキストか?

 インストールプロセスはもちろんですが、起動時のランレベルをどうするか、ということも、重要な問題です。先に述べたとおり、TurboLinux 10F... においては、物理的なネットワーク接続ができていない状態で、ネットワークデバイスが有効になっている場合に、ウインドウのレスポンスが大幅に悪化する、という問題がありました。このため、一時的には、ランレベル3の CUI 起動を使用していました(その後、ネットワークを手動で有効にして、ランレベル5の起動に戻しました)。本質的には、X なしでは使用環境とならない、軟弱者ですので、ランレベル5が望ましいこととなります。他のマシンで、ランレベル5で特に問題なく使用できていたので、あっさりとグラフィカルログインを選択しました。

インストールクラスの選択

 悩み始めると、結構はまりやすいところではあります。まあ、悩むかどうかは、本人次第ではありますが(笑)。基本的には、サーバーしてのインストールかクライアントとしてのインストールか、によって決定できます。サーバーとして使用する場合は、基本コンポーネントのみとして、必要なパッケージを個別にインストールすべきですが、クライアントの場合は、すべてをインストールしてもそう問題にはなりません。ただ、あまりたくさんのパッケージを導入してしまうと、全体的な動作が緩慢になることもありますので、そのあたりは微妙です。

 今回は、フルパッケージを選択しています。最大の理由は、導入するマシンが Note PC であり、常にネットワークが利用できるわけではない、ということにつきます。必要になってからインストールするといっても、常に CD-R を持ち歩くわけにはいきませんので、用意されているパッケージは一括して導入しています。

開発環境のインストール

 Vine Linux は 3.x のあたりから、必要最低限の開発環境以外のパッケージを CD-ROM 収録からはずしています。これは、CD-ROM 容量に収まらなくなってきているためです。今回の場合、PacketiX の make など、開発環境は必須なので、関連パッケージを次のコマンドで導入しています。

 # apt-get script install-devel.lua

追加したアプリケーション

 基本的には、Vine Linux 謹製のパッケージを使用していますが、一部のパッケージは配布元のオリジナルパッケージを使っているものもあります。

ATOK for Linux

 早速、ATOK for Linux を導入しました。基本的に、専用ユーティリティが用意されていますので、インストールに問題はないかと思いきや、そのままではセットアップが完了しません。 gtk.immodules というファイルがありますが、ATOK のセットアップは、このファイルが /etc/tk-2.0 にあるものとして動作しようとするのですが、Vine Linux 4.1 では /etc/gtk-2.0/i386 に移動しているため、『ファイルが見つからない』エラーが発生してしまいます。そこで、ATOK のセットアップが想定している場所に、ソフトウェアリンクを作成します。

 # ln -s /etc/gtk-2.0/i386/gtk.immodules /etc/gtk-2.0 

 この後に、ATOK for Linux の CD-ROM をドライブに挿入し、セットアップを実行することになります。インストールした場合に、特に指定をしていなければ、GNOME で起動してきていますので、automount により、CD-ROM ドライブをセットすると、自動的に mount されます。ここで、ちょっとだけとまどったことがあります。かつては、一般的なマウントポイントは、/mnt だったのですが、kernel 2.6 の途中から、/media に変わっていました。このことで、セットアップコマンドをたたいた時に、Fiel not found のメッセージを表示させてしまいました。

 インストールに関する手順そのものは、添付のインストールガイドのとおりで、問題なく行えます。ATOK 本体以外にも、いくつかのパッケージを導入する必要があるようで、直接 ATOK 本体を rpm -ivh にてインストールしただけでは使用できませんでした。

 インストール後、使用する一般ユーザーでログインし、setime コマンドで、atok を指定することで、標準として使用する IM に ATOK が利用できるようになります。

$ setime atokx2 

 atokx と atok では、atok の方が新しいパッケージなので、注意してください。

 これで ATOK for Linux が利用可能になりますが、ちょっとだけ不具合があります。それは、環境設定のユーティリティが動作しないということです。何が悪いのか、しばらくわからなかったのですが、JUSTSYSTEM からアップデートがでていることを、先ほど(苦笑)知りました。JUSTSYSTEM のドキュメントの通り行ったところ、環境設定が正しく起動するようになりました。

IPA フォントのインストール

 VL ゴシックの標準搭載により、かなりフォント環境が改善された Vine Linux 4.1 ですが、明朝体を好む私には、ちょっと嫌な感じです。そこで、明朝体フォントを含むフォントセットとして IPA フォントを導入します。Vine Linux には IPA フォントが用意されているので、apt でインストールができます。

# apt-get install TrueType-ipafont

 インストールした IPA 明朝フォントをデスクトップのフォントとして使うためには、GNOME Control Center でフォントの設定を行うことが必要となります。GNOME Control Center を起動し、『デスクトップの設定』→『フォントの設定』で、それぞれ使うフォントを設定します。下記が我が家の設定です。

 アプリケーション    IPAPMincho      9
 ドキュメント      IPAMincho       9
 デスクトップ      IPAPMincho      9
 ウインドウのタイトル  IPAPMincho Bold 9
 固定幅のフォント    IPAMincho       9

 IPA フォントが導入されたことで、FTP 版でも Windows に匹敵するデスクトップ環境となりました。

Sylpheed

 Vine Linux を GNOME で使用すると、デフォルトのメーラーは Sylpheed が入ってきます。ただ、2.4 系が登場していたので、配布元 のパッケージを rebuild したものを導入しています。Sylpheed は tarball による配布ですが、spec ファイルが同梱されているので、rpm -tb で rpm ファイルを作成することが可能となっています。

$ rpm -tb sylpheed-2.4.0beta7.ta.gz

 一般ユーザーで rpm ファイルが構築されていますので、root になり、rpm -Uvh にて、パッケージを更新しました。

 # rpm -Uvh /home/hoge/rpm/RPMS/i386/sylpheed-2.4.0beta7-1.i386.rpm  (hoge にはログイン時のユーザー名が入ります)

Flash 9 for Linux

 Linux 用の Flash プラグインは長らく 7 止まりでしたが、Adobe より version 9 が登場しました。Web 上で version 8 を要求するページが数多く、Linux からの閲覧が制限されていたものが、改善の兆しの第一歩になりました。

 Adobe のサイトから、rpm ファイルを入手し、rpm -ivh でインストールすることで、Flash 9 for Linux が導入され、Bon Echo からも認識されます。インストール後に、Flash 8 以上を要求するサイトで、正しく表示されることを確認します。

 # rpm -ivh flash-plugin-9.0.31.0-release.i386.rpm

xine

 xine は、Linux 用のマルチメディアプレイヤーの一つです。Vine Liunx 4.1 では totem-xine というパッケージが用意されていますが、これを導入しただけでは、市販の DVD Video を再生することはできません。これは、市販の DVD Video に CSS という暗号化処理がかけられているためで、これを復号化しないと、映像情報にはなりません。これには、libdvdcss というパッケージを導入する必要があります。

 libdvdcss は、http://download.videolan.org/pub/libdvdcss/ から入手します。最新は 1.2.9 (2005/07/11)です。libdvdcss-1.2.9-1.src.rpm を入手し、Rebuild します。libdvdcss-1.2.9-1.i386.rpm パッケージを使わない理由は、パッケージ作成環境の差により、依存関係が障害となるおそれがあるためです。Vine Linux 4.1 では、libdvdcss-1.2.9-1.src.rpm はそのままで Rebuild できます。

 $ rpm --rebuild libdvdcss-1.2.9-1.src.rpm 

 これで市販 DVD が再生されるはずだったのですが、Totem-xine を起動したときには、DVD Video がなぜか mount できませんでした。これでは本末転倒なので、本家の xine を導入することにしました。

 Vine Linux には、xine パッケージがなかったので、何とかして、パッケージを入手する必要がありました。xine の一時配布元には、tarball ばかりでしたが、幸い、シノバーさんの Web サイトにおいて、xine の導入方法が述べられていたので、その内容を参考に、xine を導入することにしました。xine-ui パッケージも、公式サイトでは tarball しかないのですが、シノバーさんの web サイトで、xine-ui-0.99.4.nosrc.rpm が配布されているため、公式の tarball から、xine-ui の rpm を作成することができます。 配布されている xine-ui-0.99.4.tar.gz を ~/rpm/RPMS/SOURCES/ にコピーして、rpm -rebuild コマンドを実行すると、xine-ui-0.99.4.tar.gz と xine-ui-0.99.4.nosrc.rpm から、xine-ui-0.99.4.i386.rpm が生成されます。

 $ cp xine-ui-0.99.4.nosrc.rpm rpm/SOURCES/
 $ rpm --rebuild xine-ui-0.99.4.nosrc.rpm 
 $ ls rpm/RPMS/i386/xine-ui-0.99.4-0.6.i386.rpm
  rpm/RPMS/i386/xine-ui-0.99.4-0.6.i386.rpm

 生成された xine-ui を rpm -ivh で導入します。なお、rpm -ivh を使用するには、root 権限が必要となります。

 # rpm -ivh /home/hoge/rpm/RPMS/i386/xine-ui-0.99.4-0.6.i386.rpm

 gnome 端末上で、xine と入力すると、xine を起動させることができます。xine を導入したところ、無事、市販 DVD Video の再生ができるようになりました。なお、xine 導入後、なぜか Totem-xine においても、DVD Video の閲覧が可能となり、xine を導入すべきだったのかどうか、疑問が残ります。まあ、動けばよし!ということにしています。 

 シノバーさんの Web サイトにて、Windows で使われている codec の Linux 対応版があることを知り、さっそく、導入しました。このおかげで、多くの資産のある DivX ファイルおよび WMV ファイルが、Linux 上で再生できるようになりました。これは非常に快適で、マルチメディア系は Linux ではつらい、と考えていた私には、目から鱗状態でした。サブマシンの T21 (P3/850MHz) でも、さくさくと表示ができ、GHz 未満マシンの新たな活用法が見つかりました。GHz 未満のマシンは、安価に入手ができるので、S-Out 付きの ThinkPad を入手して、実家の Link Player もどきとして使うのも、良い手だな、と感じています。この目的のために、ワイヤレスキーボード&マウスを入手していたりするので、後は、肝心のマシンを入手するだけ、となっています。(笑)

VMware Server

 お遊び半分、というところですが、実は真面目な用途もあったりします(笑)。VMware はちょっと変わったインストールとなります。配布されている rpm は完全な make 済みバイナリではなく、中間ファイルとなっており、インストール後に、vmware-config.pl という PERL スクリプトにより、設定がなされ、実行形式の make がなされます。これは、VMware が kernel と密接に連携して行動する必要があるため、コンパイル済みバイナリでは、無数にあるディストリビューションへの対応が難しいため、と思われます。この make 中には、kernel source も参照するのですが、kernel のバージョンと kernel source のバージョン表記が異なる TurboLinux への対応には手こずったようで、VMware の中のとあるファイルには、Turbo Linux への恨み言が書いてあったりします。反面、これが原因で、TurboLinux 10 において、最新 kernel を導入していると、vmware-config.pl スクリプトが誤認してしまい、ツール類の make に失敗するということが発生します。

 開発環境をすべて導入しているため、単に vmeare-config.pl を実行するだけで、make はすいすいすすみました。Pentium-M の高速性を、久方ぶりに体感しました。

KDE

 Vine Linux 4.1 はデフォルトが GNOME 環境となっています。しかし TurboLinux で KDE になれてしまっている身としては、Vine Linux でも KDE が使いたい、と考えていました。KDE のパッケージそのものは、Vine Linux のツリーに用意されているため、apt にて、簡単にインストールすることができます。

# apt-get install task-kde

 後は、ネットワークのスループットに依存するだけの話(苦笑)で、しばらく待つと、KDE が無事起動してきました。実のところ、せっかく入れた KDE ですが、ほとんど使用していません(汗っ!!)というのも、主となるアプリケーションが Firefox と Sypheed という、GTK アプリケーションであるため、KDE 上から使う場合に、gnome-contorol-center を一度起動させないと、GTK のフォント設定がなされない、という状態に陥っているためです。以前、X21 上で、Vine Linux を使用していた時には、そういうことはなかったように思っていたのですが、T41 上の Vine Linux 4.1 では発生してしまうため、現在は GNOME をメインで使用しています。

k3b

 唯一使っている Qt アプリケーション、と言い切って良い状態です(爆)。GTK にも、X-CD-Roast という CD Writing Soft は存在しているのですが、CD イメージの読み込み先を事前に設定した一カ所のみという状態のため、非常に使いにくく感じます。また、X-CD-Roast では、root では問題なく CD-R Writing が可能ですが、一般ユーザーではどうにも失敗する、ということがあり、原因究明にも疲れてしまったことから、k3b に切り替えることにしました。

 幸い、KDE 環境を導入していたため、k3b の導入は比較的容易でした。それでも 10 個を超えるパッケージをネットワークから引き込むため、回線には優しくないと思います。

# apt-get k3b

 k3b が導入できたので、さっそく CD image を焼き付けることにしました。起動した k3b は英語環境で起動してきたため、TurboLinux で使用していた時の経験を生かして、手探りで行ってみたのですが、やはりエラーが発生してしまいます。いよいよ八方ふさがりとなってしまったので、Vine Users ML に質問を投げてみたところ、xine でお世話になったシノバーさんからのコメントをいただくことができました。

 いただいたコメントのうち、いくつか気になることがあったのですが、根本的な原因は、cdrecord コマンドのパーミションにありました。我が家の環境では、cdrecord コマンドのパーミッションは 711 -rwx--x--x root root となっており、root 以外では、Read 属性が落ちていたのです。これでは、いくら eXecute 属性がたっていても、肝心の実行ファイルを読み込みできないわけですから、実行のしようがありません。早速、パーミッションを 755 -rwx-r-xr-x としたところ、これまでの失敗がうそのように、すいすいと書き込みができるようになりました。しかし、CD image を特定のディレクトリからしかできない X-CD-Roast は、私の感覚にはなじまないため、今も愛用は k3b となっています。

 なお、k3b を日本語化する方法は、意外なところにありました。それは、日本語化対応ファイルが別にあった、ということでした。apt-cache search コマンドで、k3b を検索してみたところ、k3b-i18n というパッケージが見つかりました。そこで、このパッケージを導入したところ、無事、日本語環境で k3b が起動してきました。


Last Update is 2007/04/14. CopyRights Tazoe Kazuya 2007.