HDD 換装(ThinkPad 570)

DJSA220 の導入


 PC の使用時間が増えるにつれ、不満が出てくるものの一つに、HDD の容量があります。かつて ThinkPad 360 に MK1926FCV(500MB) を搭載して満足していたことも、ThinkPad 560E に 4GB を搭載して満足していたことも、結局は標準搭載の容量に不満を感じたからに他なりません。

 かつて、NotePC が Desktop PC に劣る部分として、HDD が交換できないことと CPU 交換ができないこと、があげられていました。特に HDD に関しては、アプリケーションの肥大化に伴い、拡張せざるをえない事情があり、容量の制限が厳しい(2.5インチ IDE はあまりラインアップがそろっていない)ことは、ユーザーを悩ませていました。しかし、最近の NotePC では、ユーザーの希望をあらかじめ知っていたのか、簡単に換装できるように、HDD が取り出しやすくなっています。ThinkPad 570 も同様で、右側面のふたを引き出すだけで、HDD を交換できるようになっています。

 さて、HDD を交換するとなれば、次にしなければならないのは、どのサイズを選択するか、ということになります。IBM ではすでに、流体軸受を採用した新型 2.5インチ IDE をリリースしており、容量的にも、30GB over となり十分満足できるものです。しかし、初物は値段が結構効きますので、そうそう購入するわけにはいきません。ここで私が採用した選択は、IBM DJSA220 でした。すでに最終リリースの感さえある、DJSA220 を選択した理由はなにでしょうか?

 以前私は ThinkPad 600 改に東芝 MK2016GAP を搭載しました。当時、DJSA220 はもちろんありましたが、金銭的な事情で、東芝を購入していたわけです。しかし、IBM 党として、東芝を選択することは、非常に心残りがあるものでした。製品としての差はほとんど感じないのですが、心理的差としては、無視できるものではありませんでした。

 HDD 換装するときの最大の問題とはなにでしょうか?それは、どうやって既存の環境を新 HDD に移行するか、ということです。既存の HDD は6GB ですから、640MB の MO を使用しても、10枚以上になります。しかし、今回はさほど問題はありませんでした。なぜなら、ThinkPad 600 があったからです。ThinkPad 600 にはセカンド HDD アダプタというオプションがあります。これを使用することで、二代目の HDD を搭載することができます。今回も、これを使用して、新旧 HDD のデータ移行を行うことで、解決できるのです。なお、ThinkPad 570 のオプションにもセカンド HDD アダプタはあると思いますが、使用頻度がそう高くないので、改めて購入することは避けました。また、ThinkPad 600 用の セカンド HDD アダプタは、ThinkPad 570 では使用できないので、ThinkPad 570 だけの場合には、セカンドHDD アダプタを用意しておいた方がよいでしょう。

 移行に使うソフトウェアは、NetJapan が販売している Drive Image 3.0 です。最新版の Drive Image 4.0 でないのは、あまり機能的に変わった感触がなかったので、アップグレードしていないためです。このソフトウェアは、購入してから、非常に重宝しています。まだ購入していない方は、速やかに購入することをお薦めします。

 具体的な手順は、次のようにしました。まず、ThinkPad 600 の内蔵 HDD を取り出します。これは、この内蔵 HDD が複写元となるためで、この金具に ThinkPad 570 の DARA206000 を装着します。つぎに、セカンド HDD アダプタに新しく導入する DJSA220 を装着します。このセカンド HDD アダプタを ThinkPad 600 に装着すれば、準備完了となります。

 さっそく、コピー作業となるわけですが、ここで、一つの問題があります。それは、この時点で内蔵の HDD には ThinkPad 570 の設定となった Windows が入っていることです。うっかりそのまま起動させてしまうと、ハードウェアウィザードが起動してしまい、ThinkPad 600 用に再設定されてしまうので、間違っても Windows を起動させてはいけません。このため、安全策として Drive Image を FD 起動で使うことが推奨されるのですが、3枚の FD を入れ換えるのが面倒なので、ちょっとしたテクニックを使いました。なにかというと、Windows 95 のコマンドプロンプトモードを使用する、というものです、Windows は機種毎に設定がことなりますが、Windows 95 のコマンドプロンプトモードは、MS-DOS7 なので、機種依存がほとんどありません。MS-DOS7 として起動させてしまえば、あとはコマンドラインで Drive Image を起動して、複写するだけです。

 さて、ここで一つの問題が生じます。それは、区画のサイズを複写すると同時に拡張するか、ということです。一応 Drive Image では可能なはずなのですが、私はこれまで使ってきた経験では、あまり成功率が高くありません。すでに私は Partition Magic も所有していましたので、複写さえきちんとできればよかったので、元のサイズのまま複写しました。時間にして、1時間ちょっと程度かかりました。

 今のところ、容量の変更等は行っていないため、大容量化した恩恵は受けていません。ただ、今後 Linux の導入やら、VMware の導入やらと、また容量を使う作業がまっています。そう遠くない時期に、また容量を使い切ってしまい、さらなる大容量 HDD が欲しくなるのでしょうね。


 Last Update is 2001/06/10