ThinkPad 600 再登板

やっぱりこいつが一番


 バッテリが死んでからというもの、モバイルの座を ThinkPad 560E に譲っていたわけですが、Windows 2000 を快適に使うという意味では、やはり辛い部分がありました。しかし、Windows 98 ではリソース不足になり、一日に何度も再起動することになり、非常に苦痛となっていたため、今さら戻すわけにも行きませんでした。

 ThinkPad 600 をモバイル用途空外した理由はもう一つあります。それは、休止状態が使えない、ということです。原因は全く不明なのですが、突然休止状態が使用不可能になってしまったのです。んモバイル用途では、必ずしもすべての作業が終わるという保証はなく、休止状態にすることで、作業を終了させずに PC を停止することができ、非常に重宝していました。これが使えなくなると、しまう前に必ず終了作業(シャットダウン)が必要になり、更新途中の Web ページなどを誤ってアップロードしてしまう、といった事故も誘発するようになっていました。

 最初から休止機能が使えないのであれば、あきらめもつきますが、当初はきちんと作動していました。しかし、USB の ネットワークケーブルをセットアップしたあたりから、休止機能が使用できなくなりました。販売元への照会もしてみたのですが、ThinkPad 600 は Windows 2000 対応と IBM が明記していないので、障害が発生している原因がこちらにあるかどうかわからない、と逃げ腰で話にもなりませんでした。通常は、新しいハードウェアをセットアップする前に、このようなことのないようにバックアップを作成しておくのですが、このときはうっかりして、そのままセットアップを始めてしまっており、ソフトウェアを削除しても、現状は元には戻りませんでした。

 当初は、会社での業務処理に使用していたため、再セットアップができなく、やむなくいちいち電源を落とすという、非常に苦痛な使用形態を取らざるを得ませんでした。なぜ、再セットアップができないかというと、業務データベースへアクセスする ODBC ドライバの再セットアップに、システム部門が良い返事を出してくれなかったため、というのが理由です。個人機を使っている経過もいろいろあったため、システム部門にごり押しもできず、とりあえずは、AC 電源での使用となっていました。

 幸か不幸か、この度会社の貸与 PC が当たられることになったため、個人機での業務がとりあえずは終わることになりました。PC の不調が発生しても、自分に責任が少ないとはいえ、安定性では問題のある Windows 98 SE への復帰は、正直なところ、あまりうれしくはありませんでした。しかし、私の会社のシステム部門は、Windows 2000 へのアップグレードを認めないため、やむを得ず従うしかありませんでした。しかし、OS を Windows 98 SE にした途端、再起動の回数が、一日2回〜3回もあり、業務に支障が出まくっています。リソースが 50% を切ると、 Access の VBA がコンパイル出来ず、システムが止まってしまう、等上げればきりがありません。一度統計的なデータを集めて、システム部門に再交渉してみる必要があるようです。

 さて、業務処理から開放されることになれば、ODBC ドライバの再セットアップは不要になります。この結果、ようやく ThinkPad 600 に Windows 2000 を再インストールすることができるようになりました。今度は、USB ネットワークケーブル之セットアップを行うという過ちは、繰り返さないようにするつもりです。そうそう、このネットワークケーブル、ただの一度もまともに使えたことがないという、大外れの商品でした。

 現在のシステムは、Windows 98 SE からのアップグレードを行ってきたこともあり、いろいろとゴミもたまりつつありました。そこで、これまでの環境はすっぱり捨てて、初期化してしまうことにしました。すでにドメイン構成は解消しており、ワークグループ運用になっており、再インストールして困ることは、各種設定のやり直しくらいまで少なくなっていました。とはいえ、Editor のカスタマイズや Filer のカスタマイズなど、やり直すには、結構労力いる作業が残っているのも、また事実ではあります。

 ThinkPad 600 への Windows 2000 セットアップは非常に簡単です。CD-ROM ドライブ(私の場合は DVD-ROM ドライブでしたが)へ Windows 2000 CD-ROM をセットして、電源を入れるだけで、インストールが始まります。Windows 2000 だけのインストールは、概ね一時間で完了しました。さすがに ATAPI CD-ROM を内蔵しているメリットは大きいです。

 Windows 2000 すっぴんで各種作業ができればうれしいのですが、世の中そうも行きません。最低でも、常用ツール群のセットアップをしておかないと、使える環境にはなりません。私の場合常用ツール群としては、下記のものがあります。

   エディタ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 秀丸エディタ
   IME ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・WXG ver 4
   メーラー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・電信八号 with 電極Z号
   Filer ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ File Visor 4
   キーボードツール・・・・・・・・・・・秀 Caps
   MP3 Player ・・・・・・・・・・・・・・・WinAMP
   画像表示 ・・・・・・・・・・・・・・・・ Susie
   ログブラウザ ・・・・・・・・・・・・・・ NIFP32
   カレンダー・・・・・・・・・・・・・・・・MCale 95
   Ripper ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ CD2Wav32
   MP3 Encode ・・・・・・・・・・・・・ 午後のこ〜だ DLL 版
   PC/AT エミュレータ ・・・・・・・・ VMware
   圧縮エンジン ・・・・・・・・・・・・・ UNLHA32.DLL UNZIP32.DLL tar.dll

 ここで、ふとあることに気づきます。Office がないのです。このマシンに Office を入れるかどうかは、まだ決めていません。おそらくいずれは入れることになるとは思いますが、当面はなくても良いかな、とも思っています。秀丸があれば、ある程度は対応できるので、Office までは要求しない可能性も高いのです。ThinkPad 560E にはOffice は導入しませんでした。

 上記のツールのすべてを個別に導入するとなると、相当に面倒な話になります。しかし、今回再導入を行ったのは、この内で、WXG 4 、File Visor 4、WInAMP 、 VMware の四種類だけです。残りはどうしたのかというと、前の環境から引き継ぎました。

 再セットアップを行ったツールは、そのすべてが Setup によってしか、インストールできないものです。それ以外は、初回起動時にレジストリを検索し、なければレジストリへ登録するようになっています。オンラインソフトの多くは、特別の Setup を持たず、納めるためのディレクトリを作成して展開し、初回登録時にレジストリへの登録をすませるようになっています。こういった構造のため、一度インストールしておけば、ディレクトリ毎持っていけば、ある程度は環境を引き継ぐことができます。Office や上記に上げた再セットアップが必要なソフトウェアは、Setup 時にのみレジストリへの登録を行うため、インストール後のディレクトリを複写しておいても、結局再セットアップが必要になってしまいます。  

 とはいっても、ディレクトリの引継はレジストリの情報までは引き継げないため、これらのツールでもカスタマイズ情報をレジストリに持つツール類は、やはり環境設定を再度やり直すことになります。この中で言えば、秀丸エディタがそれにあたります。画面まわりのカスタマイズとマクロの登録、そしてキー割り当ての再設定には、おおよそ一時間ほどかかりました。それでも、もれている部分があると思われるため、使いながら、もれた部分を回収しなければなりません。

 IME においては、このほかに重要な情報があります。それは、学習した辞書ファイルです。最近の IME は学習の記録を本辞書とは別にユーザー辞書に行うようになっているため、ユーザー辞書を引き継がないと、これまでの学習記録がなくなり、初期状態の IME に戻ってしまいます。ある程度使い込んで自分の変換の癖を覚え込んだ IME のユーザー辞書は、かなりデータとしては重要になります。

 圧縮エンジンに、見慣れないものがあると思います。私は Linux という Unix ライクな OS も使うため、UNIX では標準的なアーカイブツールの tar を扱うことが必要になる場合があります。このため、ライブラリは入れておくようにしておきます。

 ついでに触れておくと、アーカイバというのは、もともとはファイルを圧縮するためのツールでなく、複数のファイルを一つのファイルにまとめるためのツールを指します。UNIX の世界では、ファイルの圧縮と取りまとめは別のツールが担当するようになっており、前者を圧縮ツールと呼び、後者をアーカイバと呼びました。DOS 系でよく用いられる LHA は、このアーカイバの機能を圧縮ツールに取り込んでおり、厳密な意味ではアーカイバではない、という意見もあります。とはいえ、その後アーカイバの代表であった tar が gzip の圧縮形式を自前で処理するようになっており、現在では LHA のようなツールもアーカイバと呼ばれています。

 現在、とりあえず Web の作成はできるまでに、環境の再現はできています。しかし、細かいところでは、いくつか環境していない作業もあります。とはいえ、久しぶりにすっきりとした環境は、新鮮ささえ覚えます。もう少し細かいところの設定ができたところで、DriveImage でバックアップを作成することにしましょう。

 そうそう、もちろん休止状態は有効になっています。OS レベルでサポートされるのは、安心感が違いますね。


Last Update is 2001/04/15