Optical Device CANNOT Boot on 770Z ?

CD-ROM から起動できない?


DVD-ROM ドライブの入手

 PC カード接続の CD-ROM ドライブがあるとはいえ、内蔵できる Optical Device が装着できる 770Z ですから、なんとか DVD-ROM ドライブを入手したくなるのは、ある意味当然ともいえます(人はこれを物欲街道まっしぐら、とよびますね)。そこで、またもやオークションを漁って見ることにしました。さすがに 770 は玉数自体が少ないうえ、標準で DVD-ROM ドライブが装着されているため、国内では出物が全くありませんでした。600 などでは、標準が CD-ROM ドライブであることもあり、結構な数が出ているのですが、770 ではそうはいかないようです。

 ということで、再び登場したのが eBay です。標準が DVD-ROM であることから、あまり期待はしていないのですが、それでも全くないこともないだろう、とあさはかに考えていました。しかし、やはり eBay はすごいですね。二桁に達する数の DVD-ROM ドライブの出品がありました。もっとも、その多くが本体毎であったため、単体での出品は数点にとどまってはいました。それでも、$50 程度の値段であるため、デスクトップとそう変わらない値段で入手できるというのは大きな意味があります。今 TP600 に搭載している Toshiba SD-C2202 は20,000円での入手ですし、TP570 に搭載している純正 DVD-ROM ドライブでも9,800円でしたから、これらよりも安価に入手できたわけです。

 後で気づいたのですが、DVD-ROM ドライブの場合、リージョンコードの設定があるため、中古で入手しても、使用できない場合があったのです。特に、アメリカはリージョン1で日本はリージョン2となっているため、書換回数を使い切ってしまっていると、国内用のリージョン2を設定できないため、事実上の使用不可(注:DVD Video の再生についてのみ)となってしまう危険性をはらんでいたのです。幸い、入手したドライブは、書換回数が残っていたため、無事リージョン2に設定することができましたが、これから探しにいこうとする場合は、注意が必要ですね。

Windows 2000 Freeze with DVD-ROM ?

 届いた DVD-ROM ドライブをみて、私は絶句しました。なんと、ドライブの背面に『WORK But DO NOT EJECT』とマジックの手書き文字があるではありませんか!(えっ、本当に動いているの?)と疑問を持ちながら、TP770Z に装着したところ

Windows 2000 が起動できなくなりました。(>_<)

 Windows 2000 のロゴ画面が表示されたところで、起動状態を示すインジケータの進行がぴたりと止まってしまうのです。最初はデバイスの再認識に時間がかかっているのだろう、と思っていました。ところが、一日待っても、起動プロセスが進むことがありませんでした。ところが、DVD-ROM ドライブを取り外してみると、うそのようにすいすいと起動してくるではありませんか!二日ほどかけて調べてみましたが、DVD-ROM ドライブを装着していると、Windows 2000 が起動不能になることは間違いない、と結論づけました。

 騙された..........

 新品購入であれば、メーカー保証もあるでしょうが、中古品で、しかも AS IS (現状渡し)ということで入手した以上、どこにも怒りをぶつけることはできませんでした。リスクを承知した上で購入した以上、動作しないことも予想の範疇、となります。

DVD-ROM Drive Next Get!

 落ち込んでいなかったというとうそになりますが、あまり落胆はしていませんでした。このドライブが使えないということはわかったわけですから、さっさと見切りを付けて、別のドライブを調達する必要があります。ここで、『なぜ DVD-ROM ドライブのみを交換しないのか?』と思われるかたもいらっしゃるでしょう。実は私もそう思いました。しかし、ここに大きな落とし穴がありました。なんと

 770 の DVD-ROM ドライブは 17mm 厚の製品だったのです。

 これには愕然としました。なにせ、HDD の厚みとして 17mm 厚があることは知っていましたが、まさか CD-ROM まで 17mm 厚があるとは予想さえしていませんでした。しかし、よく考えると、一つの布石は事前にありました。というのも、以前購入した 760 用 CD-ROM ドライブは、ドライブそのものの厚みこそ 12.5mm でしたが、下にゲタがはかせてあり、厚みの不足を補っていることが明らかになっていたのです。さらに、交換用に使えるかも、と購入した 75x 用 CD-ROM ドライブは、この厚さだったようにも思います。

 厚みが異なるくらい、そう思われたかたもいるでしょうが、事はそれだけでは終わりません。厚みが異なるということは、CD-ROM ドライブのマウントが異なれば、I/F のコネクタの位置まで違っているため、そのままではマウンタに載せられないのです。つまり、交換するためには、17mm 厚の DVD-ROM ドライブをどこかから入手しなくてはならない、ということになったのです。

 店頭で販売されているバルクのドライブは、12.5mm がほとんどであり、17mm の製品など、見かけたこともありません。まして、外付け DVD-ROM ドライブに至っては、5インチベイサイズが 12.5mm 厚のいずれかしかない、ということになっています。従って

 交換用のドライブなぞ、入手できる見込みは皆無であったのです。

 ということで、私は eBay に再度 DVD-ROM ドライブを求めて、さまよいに向かいました。

Unexpected Event has come.

 2台めの DVD-ROM ドライブは私に幸せをもたらすもの、そう考えていたのでsが、自体はそんなに簡単に幕がひける状態ではありませんでした。なぜなら、この2台めのドライブでも、同一の症状が発生したためです。つまり、DVD-ROM ドライブ装着時に WIndows が起動できないということそのものが、ドライブ固有の症状ではなく、システム全体のバグである可能性が生じてきました。

 770Z の BIOS Upgrade の中に、該当する症状がないかどうか、確認してみたところ、どんぴしゃりのものがありました。

TP770Z Symptoms corrected by the latest BIOS Update

Version 1.04 で Microsoft Windows 95 OSR2, After installing USB and other devices the system hang when rebooting とあり、また Version 1.05 のところに (Fix) OS instlation faiure with CD-ROM boot となっていることから、どうも Optical Device を装着している状態では何らかの不具合を抱えていることはあきらかでした。さらに、私の ThinkPad 770Z の BIOS は Web 上に記載されていない IOET16WW となっていることから、1.0 でさえない、謎の BIOS となっていたのです。

 事ここに至れば、もはや BIOS Update が必要であることは、疑う余地がありませんでした。しかし、私の ThinkPad 770Z は、内蔵バッテリが完全に死んでおり、BIOS Update には完全充電可能な BIOS が必須となってしまったのでした。

 バッテリの入手はともかくとして、私は一つ気になることがありました。それは、Microsoft 以外の OS であれば、今ある DVD-ROM でも、起動できるのではないか、ということでした。そこで、私は HOLON Linux 3.0 のメディアを DVD-ROM にセットして、起動させてみました。現在市販されている Linux ディストリビューションは、そのほとんどが Bootable CD となっており、CD Boot に対応している ThinkPad 770Z であれば、起動してくるはずでした。

 結果は予想通りのものとなりました。HOLON Linux のインストーラである anaconda が正常に起動することが確認できました。つまり、Bootable CD の中で、Microsoft OS だけが起動不能に陥るという、Microsoft にとっては皮肉な結果となりました。Linux の ATAPI CD-ROM ドライバが特殊なことをしている可能性はほとんどありません。なぜなら、特殊な機能を使うためには、特定のベンダーに依存したコードを書かなければなりませんが、このようなコードはそのメーカー自身がコードを公開しないため、Linux のドライバに実装することは、まず不可能です。つまり、Microsoft では、一般に公開されている機能以外を使っているため、BIOS を更新しない限り、Bootable CD からの OS 起動が不可能となっているわけです。

BIOS Update

 BIOS Update を行うためには、BIOSが 100% 充電完了と認識されるバッテリが必要です。とある方法で、100% 充電可能なバッテリを入手することができたので、さっそく BIOS Update を行いました。更新対象としたのは、IOET23WW つまり最新版です。というか、最終版といったほうが正しいかもしれません。

 BIOS Update で注意することは、それほど多くありません。それでも、(1) エラーフリー FD を使うこと、(2) Update 後には、一度 BIOS を Initialize すること、の2点は必ず守る必要があります。BIOS はもっともハードウェアよりで動作しているプログラムであるため、ここの更新に失敗すると、PC 使用不能に陥ることになるため、BIOS Update に使用する FD にエラーがあることは許されません。従って、使用予定の FD については、/u オプションを付けて、必ず強制フォーマットを行うことを必要とします。この強制フォーマットによって、エラーが発見された FD は、使用することなく、速やかに破棄することをお勧めします。エラーは回避されているとはいえ、修復できたわけではありません。新たなエラーを生じる危険性をはらんでいる以上、使うべきではないと考えます。(2) については、BIOS の特殊性があります。BIOS では、そのリリース毎に、データの保存形式に変更が生じる場合があります。このため、面倒でも一度 Initialize(初期化)を行い、更新した BIOS によって、設定データを書き込ませておく必要があります。よく、BIOS Update 後に PC の動作がおかしい、という話を聞きますが、この多くのケースでは、BIOS の再設定を行っていないことが数多く見受けられます。

 BIOS Update はほんの2〜3分程度で終了しました。BIOS の再設定を行い、ThinkPad 770Zを起動させたところ、無事起動させることができました。また、ThinkPad 機能設定を使って調べてみたところ、システム BIOSは正しい Update を完了した模様で、BIOS ナンバーは IOET23WW となっていました。

 いよいよ DVD-ROM ドライブを装着して、テストを行うこととなりました。ここで起動すれば、BIOS による影響であったと判断されますし、そうでなければ、ハードウェア的に問題がある可能性が高くなるわけです。DVD-ROM ドライブを装着して、スイッチを入れる瞬間は、手に汗をにじませる気持ちでした。

 電源を投入された ThinkPad 770Z は、これまでの苦労がうそのように、何事もなかったかのように、WIndows 2000 を起動させていきました。これまでは、プロテクトモードへ移った直後に、ぴったりと停止していたインジケータが、するすると伸びていき、WIndows 2000 が起動したときには、感動さえ覚えました。

Uexpected Event 2

 バッテリ交換に当たっては、送付先として会社の住所としました、一人暮らしであり、かつ両隣の住人が不在であることから、自宅での受領は困難と判断した結果のことでした。このため、動作確認をする意味で、会社に ThinkPad 770Z を持っていくことになりました。もちろん、DVD-ROM ドライブも、その中に含まれていました。

 運送方法に問題が無かったか、と言われると、今でも全否定をすることはできませんでした。ナップザックに無造作に詰め込んだそれらは、扱いという観点からは、決して誉められたものではないからです。しかし、これまでも数回に渡って、ThinkPad 600 や ThinkPad 570 を運んだ経験から、特別なものは必要ではない、と判断を下しました。

 宅急便での配達を希望していたこともあり、私は朝一番の便で到着するものと構えていました。しかし、朝一番の便の中には、私の求めているものは含まれていませんでした。配送人は、無情にも、私宛の荷物がないことを伝えるばかりでした。そこで、私は送付先に対し、荷物番号の要求を行いました。ヤマト便に関しては、荷物番号から現在の哀歌を調べることができるため、どこまで到着しているかを確認することもできるためです。ほどなくして、送付もとより、(1) 荷物は昨日の集荷に間に合うように手配した、(2) 到着時刻は 14:00 ごろを指定している、という回答が返ってきました。通知された番号を見たところ、たしかに宮城県の集荷場までは到達していることが確認され、到着予定時刻として、14:00 〜 が指定されていることも確認できました。この後、荷物自体は 14:30 ごろに到着しました。

 当初の予定では、昼やすみを活用して、動作テストを行うつもりでしたが、14:00 を過ぎたことから、職場での動作確認を断念し、自宅に戻ってからの確認となりました。あいにくと、そういう日に限って、業務が重なり、自宅に戻ったときには、22:00 を超えてしまっていました。

 自宅にもどって、さっそく BIOS Update を行ったところ、うまくいったわけですが、本来のテストである DVD Video の再生を行おうとしたところ、そのありがたくない事態が私を包んでいることを理解しました。市販の DVD メディアを DVD-ROM ドライブに装着したのですが、OS はメディア未検出であると報告してきたのです。

 なんとなくおかしい予感はありました。起動時に妙な金属音が数回に渡って聞こえ、正常に動作しているとは言いがたい状態になっていましたので、胸騒ぎはしていました。しかし、この DVD-ROM ドライブは、以前テストした時にも、Bootable Device としても使用できていたことから、BIOS Update による不具合がのこっているのではないか、と結論づけました。

 その後まる1日を要して行ったテストの結果は、さんざんなものでした。手元にあると思われる DVD Video 、Video CD 、いわゆる CD、のいずれもが、メディアを検出できなくなっていたのです。考えられることとしては、会社への搬送中、あるいは会社内での取り扱いに問題があり、DVD-ROM ドライブが損傷してしまったことしかありませんでした。

 かなりの落ち込みを感じながらも、私は一縷の望みをたくして、以前壊れていると判断した DVD-ROM ドライブに手を伸ばしました。こちらのドライブは、Linux の Bootable CD さえも起動されることはありませんでした。しかし、このドライブを装着してテストを行ったところ、イジェクトできないという当初からの問題点以外の問題は生じることがありませんでした。

 結局のところ、2台めとして購入した DVD-ROM ドライブについては、不良が生じてしまい、最初に購入したDVD-ROM ドライブのほうが、正しく動作することとなりました。その後いろいろと試してはみましたが、イジェクト不良については、ついに直すことはできませんでした。


Last Updated 2002/05/26. Copyright Tazoe Kazuya . All rights Reserved 2002