Windows XP を使って

Windows XP Runninng on ThinkPad T21


なぜ Windows XP を選択したか?

 T21 には、Windows 2000 がプリインストールされており、改めて OS を変えるメリットは、それほど大きくはありません。ではなぜ Windows XP だったのかというと、実は単に「それがあまっていたから」と理由だったりします(爆)。一度は ThinkPad 770Z に導入してみたものの、どうにもレスポンスが悪く、結局おろしてしまっていたため、すっかりデッドストックという存在に成り下がっていた Windows XP ですが、大枚はたいて購入した以上、眠らせておくには痛ましいわけです。そこで、有り余る CPU パワーの使い方として、Windows XP を使ってみよう、という気になったのでした。

使い勝手その1 各種アニメーション

 さすがに Pentium III/ 850MHz もあると、Windows XP もすいすい走ります。ThinkPad 770Z に導入したときは、緩慢に感じたアニメーションも、ある程度 CPU パワーがあれば、結構面白いものだと気づいたりします。しかし、それも数回もみると、うざったくなります。

 特に、スタートメニューのアニメーションは困ったものです。開く回数が多いだけに、最初は面白がってそのままにしていましたが、アニメーションの待ち時間が神経を逆なでし始めます。ということで、程なくして、この効果は無効としました。もともと、Windows 2000 でも、アニメーション効果は無効にしていたので、あまり大差はありません。

使い勝手その2 デスクトップアイコン

 デスクトップに何もない、というのは、ある意味新鮮ではありますが、デスクトップアイコンを活用していた身には、非常に問題が大きいです。まず最初に困ったのが、ドライブにアクセスするために、エクスプローラを起動しなければならない、ということでした。Windows 2000 までは、デスクトップアイコンとして、マイコンピュータがありましたので、これを開けばすぐに各ドライブにアクセスできたのですが、Windows XP ではマイコンピュータがないことから、いちいちエクスプローラを開かないとアクセスできないのです。

 同じことは、ネットワークにも言えます。これまでであれば、ネットワークのアイコンを右クリックすれば、すぐにネットワーク設定が行えたものが、Windows XP ではコントロールパネルを一々開かねばならず、非常に手間がかかります。私のように、複数のネットワーク設定を扱うものにとって、手数を増やされることは迷惑千万なので、非常にこまりました。正直なところ、最初に無線 LAN を設定するときに、どうやってネットワークの設定を行うのか、想像できなかったほどです

 ということで、結局、「マイコンピュータ」と「マイネットワーク」の二つのアイコンは表示するようにしました。Internet Explorer や Outlook Express などは、特に必要がないので、表示させていません。なにせ、ブラウザは Mozilla 1.0 を使用し、メーラーには電信八号 with 電極Z号化計画を使用しているので、これらは不要です。

使い勝手その3 Quick Launch の廃止

 Internet Explorer 4.0 から、スタートボタンの右隣に、プログラムのショートカットをおいておくことができるようになりました。これを Quick Launch と呼びます。ところが、Windows XP の Luna では、この Quick Launch がまったく表示されないのです。当初は隠れているのでは、と思っていたのですが、何度タスクバーを操作しても、表示されないことから、Luna では廃止されたことがわかりました。常用アプリケーションを Quick Launch に登録しておけば、いちいちスタートメニューを展開せずにすむため、非常に重宝していただけに、これは私の使用方法では致命的でした。

 このため、結局 Luna インターフェイスを使わずに、Windows クラシック、つまり Windows 2000 までのインターフェイスに戻してしまいました。現在までのところ、Quick Launch には 14 個ほどのショートカットが登録されています。スタートメニューを開くのは、Windows XP をシャットダウンするときくらいになりました。もっとも、シャットダウンするショートカットを作ってしまえば、まったくスタートボタンを使わないオペレーションも可能になります。

使い勝手その4 ハイバネーション

 Windows XP の大きな目玉として、ハイバネーションに必要な時間が大幅に短縮されたことがあります。持ち運びをする Note PC において、ハイバネーションに要する時間は、短ければ短いほどよく、要する時間の長さから、ハイバネーションを使わないというユーザーもいました。

 引越しをしてから、移動中に NotePC を広げる機会はかなり減ってしまいました。しかし、たまに電車で出かけるときなど、まったくないわけではありませんでした。目的地に到着することに気づくのが遅れてしまい、シャットダウンが間に合わないというような状態は、あまりあってはならないのですが、ついつい陥ってしまいます。特に書きかけのドキュメントなどは、そのまま保存するわけにはいかないため、一時中断とする必要があります。このようなときに、ハイバネーションが非常に有効な手法となるわけです。

 Windows 2000 はもちろん、Windows 9x でも ThinkPad はユーティリティを使用することで、ハイバネーションを可能にしていました。しかし、OS とは別の次元で動作していたため、しばしば問題を起こすこともありました。Windows 2000 で OS レベルのハイバネーションに対応したおかげで、ハイバネーションが原因で障害となる事例は非常に少なくなりました。

 ハイバネーションにおいて、もっとも時間のかかる作業は、システムの状態を HDD に書き出すことでした。搭載しているメモリ量によっては、書き込まなければならないデータ量がかなり多くなることから、必然的に時間のかかる処理となっていました。しかし、Windows XP では、これが劇的に高速になりました。ロジック的なものだけではないのでしょうが、待ち時間が短くなるということは、何につけてもありがたいことです。

総合評価

 数日間使ってみて感じたことは、たしかに Windos XP は使いやすくなってきている、ということです。Windows 2000 をより細部について見直したようで、全体的な挙動も、かなり安定しているようです。たしかに、多くの場所で Windows XP は使いやすい、と言われるだけのことはあります。

 しかし、そんな中でも面倒なのは Activation です。別に不正コピーを使っているから、というわけではなく、単純に手間が面倒だ、ということです。たしかに Microsoft のいわんとしていることは、わからないでもないですが、まったく構成を変えていない PC であっても、再 Activation を要求された事例がすでにあることから、なかなか慎重に使わざるを得ないな、という感触を持っています。特に、外出時でかつ IP Reacheable でない環境となってしまった場合には、Activation する方法がなくなる危険性があり、この場合に作業が継続できない、という状態に陥ることも十分にあります。ある人にいたっては、Office XP の再 Activation を飛行機の中で要求された、などということさえあるほどです。

 Activation の減点を加味すると、総合評価は、75 点、というところでしょうか。


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