T43 の投入

まだ IBM ロゴですから!


T41 の不調

 パーティションの復旧を行ってから、約一週間が経過しました。再構築した環境は無事に元通りにはなったのですが、なぜか一週間後にまた飛んでしまうという事態に陥りました。さすがに、この短い期間での再発はそのままにしてはおけない状態といえますので、HDD の交換が必要という結論に達するまで、そう長い時間は必要とはしませんでした。

 方針が決まれば、後は HDD を購入するだけ、といえそうですが、ことはそう簡単には進みませんでした。問題はインターフェイスの変更にありました。現在、HDD の接続インターフェイスの主流となっているのは、S-ATA です。新しいマシンでは、そのほとんどが S-ATA を搭載しており、従来の P-ATA(ATAPI) での接続となっている機体は、非常に少なくなっています。その結果、市場に供給される HDD は S-ATA ばかりとなり、P-ATA は探すのが困難となっています。

 実のところ、以前 A21m の換装用 HDD を求めて、DOS/V パラにいきましたが、すでに 2.5" は S-ATA のみで、P-ATA の入荷は未定、という話を受けていました。デスクトップ PC であれば、変換基盤などを搭載することで、P-ATA なマシンにも S-ATA を搭載できることがありますが、ことノートブックに関しては、設置スペースの問題もあり、そうもいかない状況となっています。従って、どうしても P-ATA を探し出してこなければなりません。

 実際には、皆無かというと、そうではなく、ヨドバシカメラなどでは、いわゆる箱売り(Buffalo や I/O Data などが、ユーティリティとサポートをつけて、箱に入れて販売している商品)であれば、まだ入手はできますが、価格が 1.5 倍以上してしまいます。さすがに、この価格差があると、しょうがないか、とさくっとあきらめることはできず、悶々とした日々が続くことになります。

 ヨドバシカメラでは、バルク HDD も取り扱っている店舗もあるのでは?と思われた方、なかなか鋭いですね。たしかに、仙台店でもバルク HDD の取り扱いがあります。今回は、この部分に望みを託して、出向いたのですが、そこで待ち受ける現実は、何ともつらいものでした。  

 目当ての商品はあることはありました。ただし、現品1台限りであり、18,000円/160GB となっていました。予想していた価格からすると、1.5 倍となっており、さらに悲劇に拍車をかけているのが、隣の S-ATA モデルが 16,000円/500GB となっていることでした、容量は少ないのに価格は高いという、マイノリティならではの悲しみでした。とはいえ、背に腹は代えられません。箱入りは、さらに1.5倍となっているため、まだ、若干の価格メリットはある、といえました。ただ、通販の現状は確認していなかったので、その点では若干の不安要素はありました。ただ、送料を考えればメリットはまだある、と自分に言い聞かせて、思い切って購入しました。

 自宅に戻ってから、ネット通販を確認したところ、12,000円/320GB が在庫ありになっていました(沈)。めざましうらないでも、無駄遣いに注意、となっていたわけですが、まさにそのとおりになっていました(灰)

 気を取り直して、環境を移行を行いました。USB HDD ケースに、問題の HDD を接続し、あいたスペース新たに購入した HDD を取り付けて、作業をすい〜っと行ったわけです。移行作業そのものでは、特別問題はありませんでした。しかし、別の傷口が、ゆっくりと開き始めていたことに、この時点ではまだ気づいていませんでした。

 そもそも、我が家の初代 T41 を買い換えることになったのは、使用中のグラフィック表示機能の異常からでした。IBM 修理センターで診断をうけたところ、不良が発生していることが確認され、システムボードの交換が必要、という診断がくだされ、修理代金が約60,000円となってしまったことから、機器の更新に至ったわけです。

 二台目の T41 では、この症状はみられなかったので、非常に安心していたのですが、半年ほど前から、グラフィック機能に障害が発生するようになりました。マシンを使用中に突然液晶が BlackOut してしまい、画面表示だけでなく、システム全体がハングアップしている状態となる症状で、初代の障害によく似た状態となっていました。それでも、机の上で使っている場合には、症状が抑えられるようだったので、だましだまし使っていたのですが、HDD の換装後、その発生頻度が拡大してきました。さすがに、原因不明の Black Out では、作業になりませんので、機器の更新が必要となってきてしまいました。

新たなマシンを求めて

 さて、新たなマシンを購入する必要があるのですが、前回とは異なり、一つの基準を追加することにしました。それは、「XGA を超える解像度を持つ」ということでした。VMware や VNC などを使っていると、クライアント側の解像度で 1024x768 を必要とすることが少なくありません。これまでは、やむなくスクロールを使ったり、クライアント側の解像度を押さえて使ったり、と個別に対応はしてきました。それでも、全画面表示をしているまま反応がなくなり、ホスト側に切り替えることもままならず、強制電源断をせざるを得ない、という状況に、ストレスがたまり初めていたため、クライアント側をそのまま XGA 表示可能にしたい、という欲望が生じ、前述したような縛りが発生したわけです。

 ThinkPad では、XGA の上の解像度となると、SXGA+(1400x1050)となります。しかし、この解像度をもつマシンは、非常に限定されます。単純に比較すると、XGA(1024x768)と比較すると、1470000÷786432=1.87 となりますので、液晶のサイズが同じ場合、1÷1.87=0.5 となり、1ポイントあたりの表示領域は約半分になってしまいます。このため、液晶のサイズ自体も、大きいものが求められることになります。

 T4x シリーズには、14インチモデルと15インチモデルがあります。SXGA+ はどちらのサイズにも用意されているのですが、前述した理由から、15インチモデルである必要があります。さすがに、ここまで限定されてしまうと、マシンの選択肢はほとんどなくなってしまいます。ふつうに中古ショップをみているだけでは、到底見つかるはずもなく、困ったときの Yahoo オークションに救いを求めてみました。

 さすがに、Yahoo オークションでも、条件にあう出品物はなかなか見つけられませんでした。さすがに、他の参加者も、許容できる金額は似たり寄ったりなようで、微妙な競り負けを数回繰り返しました。終了10分前で応札がなく、これ大丈夫だろう、と思っていたら、ラスト2分で応札を受け、他社に流れていったときには、涙が止まりませんでした、ってことはないですが、非常に悔しい思いをしました。それでも、さらなる挑戦をした結果、なんとか落札することに成功しました。

 落札したマシンは、ThinkPad T43 2668−L4J モデルです。概略のスペックは下記の通りです。

 おおむね希望どおりのスペックです。いろいろ楽しむためには、メモリ増設と HDD 交換は必須でしょうね。キーボードは、タイミングよく上京するので、聖地 PS/Plaza wakamatsu にて新品に交換するつもりです。ついに、ノートブックまでも 2GHz に達するのですね。我が家のマシンの中でも、上から数えて2番目に早いマシンですね。

環境移行の罠

 取り急ぎ、T41 から使えるものは使い回すことにしていましたが、これが少々誤算でした。サイズが異なる以上、キーボードの交換ができないことは、事前に織り込み済みでしたが、メモリがつかないこと、HDD が使えないことは、予想外でした。

 メモリについては、駆動電圧の変更により、T41 までとは異なっていることから、切り裂きの位置を変更している、ということで、メモリ使い回しがだめになりました。HDD については、接続インターフェイスは P-ATA なのですが、実は内部的に S-ATA を変換して P-ATA にしているらしく、接続する HDD を選ぶようです。ということで、とりあえずは、As Is で設定してみることにしてみました。

 さて、新たに T43 上に環境構築をすることになるわけですが、今までのデータ類について、移行する必要があります。そこで、一番なれている方法である、Partimage を使って旧 HDD の現行内容をバックアップし、新 HDD へリストアする、を使うことにしました。USB HDD ケースも手元にあるので、これがもっとも早い方法だと考えたわけです。KNOPPIX の CD については、ちょうど手元に Edu5 のバージョンがありましたので、これを使うことにしました。

 移行が必要なパーティションは、/home と /vm ですが、/vm に関しては、OS インストール後にコピーしても間に合いますので、/home だけが実質的には対象となります。とはいえ、/home の容量は 15GB ほどありますので、時間はそれなりにかかります。USB 2.0 でのコピー(のはず)でも、4時間ほどかかりました。

 バックアップができれば、あとはリカバリするだけです。リカバリは、バックアップよりも早く作業が進みますので、もう少し早く終わるはずでした。しかし、ここで、深刻なエラーが発生しました。

Image ファイルを読み込めません

 顔が青ざめていくのがわかりました。その後、何度かやり直してみましたが、その度に同じメッセージが表示されました。やむなく、バックアップの作成そのものをやり直してみましたが、3度ほど試行してみても、状況に改善がみられませんでした。

 はやる気持ちを抑えつつ、状況を再確認しました。エラーの発生は、バックアップイメージの切り替えにあるようです。ネットで検索をすると、partimage にバグがあるらしいことが判明しました。(困ったなあ)と思いながら、手元にあった KNOPPIX5.3.1 の CD-R に収録されていた Partimage を使ってみたところ、これまでの苦労をあざ笑うかのように、あっさりと進むではありませんか!

 ツールのバグが判明するまで、約4日ほどの日数が経過しました。なまじ、容量も大きいので、やり直しに必要とする時間も長くなります。これこそまさに、想定の範囲外でした(苦笑)。

余計なことを...

 無事環境構築できて、使い始めたわけですが、折しも、Vine Linux 5.0αの公開が始まったことを知りました。いきなり実機に入れるのはさすがに怖いので、まずは VMware に導入してみたのですが、なかなかよい感触でした。そこで、やめておけばよいのに、Vine Linux 5.0αを T43 に導入してみることにしました。

 インストールそのものは、特に障害となることもなく、終了しました。しかし、再起動後には X があがってくれない、という状態になりました。xorg.conf をのぞいてみると、これまでの記載項目で不足があるように感じられたので、追記して再起動してみたのですが、状況の改善には至りませんでした。ネットで検索をしてみたものの、さすがに登場して間もないわけですから、まだ情報はあがっていませんでした。X.Org の設定として調べてみたのですが、Vine Linux 5.0 で使用している X.Org のバージョンが不明のため、具体的な対応例を見つけるまではいたりませんでした。  

 ということで、三度、OS の再インストールをすることとなりました。うまく動いている環境には手を出さない、という基本原則を無視して、自分のスキルを過信した結果の失敗事例です。細かい部分で、いろいろと追加作業が必要となることを、この時は気づいていなかったので、当初のもくろみ以上の時間を要したのは、いうまでもありません。


Last Update is 2009/05/03. CopyRights Tazoe Kazuya 2009.