ThinkPad W510 の導入

〜メインマシンの更新〜


x64 環境へのあこがれ

 Windows も XP 以来、32bit 版と 64bit 版が登場しています。これまでは、32bit 環境しか有していませんでしたが、64bit 版に対するあこがれは持っていました。さすがに、実機がないとどうにもなりませんので、環境整備から行う必要がありました。とはいえ、積極的に購入する気にも慣れていなかったのも事実です。Wide 液晶には抵抗感を感じており、4:3 をこよなく愛す人間でしたので、なかなか Wide の投入には、違和感を拭えませんでした。そうはいっても、地デジの登場から、TV も 16:9 が当たり前になってくると、次第に抵抗感が薄れていくのも必須と言えました。

 その当時メインマシンとしていたのは、ThinkPad T43 でした。SXGA+ の解像度の広さにすっかり魅了されてしまい、X40 のように液晶サイズが小さいマシンは別にして、会社でも 1280x1024 な環境を標準としていましたので、1024x768 などは、すでに考えられない世界となっていました。ただし、液晶のサイズが大きくなれば、マシンの金額も高くなることは事実です。安易に選択できない制約の一つとなっていました。

 さらには、英語キーボードが欲しい、というのも、厳しい制約でした。国産のマシンが候補にあがることはなく、基本的には輸入するしかない、という状況で、マシンをどうやって選択するのか、という問題もありました。通常の方法で、英語キーボードのマシンを入手することは難しく、交換するにも市販されているのはごく限られたメーカーになりますので、マシンの選択の幅はさらに狭くなります。

 正直、地震の対応でいろいろと疲労が溜まっていたので、すっきりしたかった、というところもありました。そこで、数年前まで利用していた eBay を使うことにしました。前記の条件をクリアするとなると、国際事務機やさんのマシンしか購入できないのは自明の理ですから、ならば国外に目を向けるのは必然といえました。となれば、過去に利用実績のあるところは eBay くらいしか、思いつきませんでした。

 マシンの選択の基準は、(1) メモリが 4GB 以上、(2) CPU は i5 以上、の二点でした。液晶のサイズは、あまりきにしていませんでした。wide 液晶になってから、それほど選択の幅は広くないと思いましたし、必然的に決定されてくるだろう、と考えていました。もちろん、SXGA+ の解像度を落としたくはなかったですが、1400x1050 を上回るとなると、1900x1200 になってしまい、かなり高額なマシンになってしまう、と思われました。なので、そこまでは求めないことにしました。結果として、この選択は誤りだった、といえることにはなるのですが・・・

 eBay には魅力的な商品が多くありました。ただ、予算の範囲(10万円以内)という範囲で見ると、正直厳しいところがありました。i3 なマシンはいくらなんでもなあ、と思いましたし、メモリ 2GB では面白みもあったものではありません。ということで、調べてみると、W510 が引っかかってきました・。メモリが 8GB 、 CPU が i7 というあたりは狙い通りで、HDD は SATA の 320GB でした。HDD に関しては交換予定だったので問題ではありませんが、添付されている OS が Windows 7(US) の 32bit 版というのが、少々引っかかるところではありました。まあ、すでに Windows 7(JP) は入手していたので、これを入れれば良いことは自明なのですが、英語版のほうが全体的に動作が軽い、という噂も聞いていたので、その意味でもちょっと期待してしまいました。

 正直、もう少し上のスペックもありましたが、海外発送不可となっているものが多く、英文で海外送付を交渉するだけの英語力は有していなかったので、海外発送可能なものから選択することとしました。落札代金の支払いは、アカウントが残っていた Paypal を使いました。Paypal はちょうど Yahoo かんたん決済が独立した会社と思っていただければわかりやすいと思います。初めての利用には、クレジットカードの有効であることを確認するため、1$ の請求があり、それが通ることで、アカウントが確定します。なお、この 1$ は、実際の取引時に充当されるため、無駄にはなりません。海外支払いで、直接クレジットカード番号を入れるよりも安心できますので、お手軽です。

落札から商品到着まで

 実のところ、前に個人輸入をしたときには、ThinkPad 770Z で、かなり昔の話になりました。なので、細かい部分については、正直あやしい部分はありました。それでも、US の郵便で送付されることで、追跡は可能になっていたので、送付の過程を確認できて不安はかなり解消されました。アメリカ国内を出るまで3日、成田の税関についてから、税関を抜けるまでが予想外にかかり、四日間ほどでした。その後、国内は郵パックとなり、到着まで約一週間となりました。通関する過程がなかなか更新されずに不安になっていたところ、急に配送ラインに乗ってきて、正直どうなるのかな、と思っていました。

 日本郵便の社員さんが扉を叩いたとき、正直 W510 が届いたとは思っていませんでした。それでも、「郵便です」の声にあけてみて、荷物の大きさから、(キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!)となったのは、必然でした。しかし、荷物を渡すものと思っていた日本郵便さんの口から出た言葉は予想だにしていなかったものでした。

「2,500円です。」

(はいっ?)と思いました。代引や着払いで購入したわけではなく、料金先払いですし、何の金がかかるのか?と正直思いました。しかし、日本郵便の社員さんから「関税が2,500円になります。」と言われて、ようやく理解しました。土曜日の朝のことだったので、サイズの残高が不安でしたが、なんとか足りるだけは入っており、なんとか支払いを済ませてものを受け取りました。

 梱包の仕方は、国内とあまり差はないように感じました。周りのダンボールをはがすと、本体をぷちぷちで包んであり、テープ留めはかなりガチガチでした。ただ、開けられたような感触はなかったので、税関での開腹は避けられた模様です。ぱっと見は特に違和感もない状態でした。LCD を開けると、Enter キーが横に長い英語キーボードであることが確認できました。一部のキー配置が変わることから、混合使用は避けたいところでした。しかし、ガタイのでかさには、驚かされました。横幅が出ることは予想できましたが、かなり横に長いマシンとなっていました。開いてみると、キーボードの両脇に、スピーカーが配置されており、横に広いことをはっきりと示している、といえました。

 マシンに通電したところ、Windows 7 が起動してきました。マイコンピュータのプロパティを開いて確認すると、たしかに、32bit 版でメモリの認識は 3GB で止まっていました。さすがに、せっかくの 64bit マシンをこのままにしては置けませんので、HDD を交換し早速 64bit OS を導入します。マシンにハンドルされていない OS ですから、インストールにあたっては、別に問題はありません。

 インストールは 64bit 版だからといって変わるところはありませんでした。あえて言えば、インストール後にシステムのプロパティを開いた時に、認識されているメモリが 7GB になっていた(GB 換算の関係もあって、8GB にはなりません。)ことくらいですね。

 64bit 環境ということで、アプリケーションやドライバの問題が怖かったわけですが、幸いにして、トラブルことはほとんどありませんでした。各種 32bit プログラムもほとんどが問題なく動作しましたので、私の環境では 64bit にすることでの問題点は発生しなかった、といえます。まあ、あまり特殊なプログラムを使っていない、ということも幸いした理由の一つだと思います。

 早速 Virtual PC を導入してみましたが、エミュレーション対象は 32bit 環境専用のようで、Vine Linux 64bit版(x86_64)を導入しようとしたところ、環境不適になってしまいました。一方で Virtual Box については、64bit 環境のエミュレーションをしてくれるようで、Vine Linux x86_64 が問題なく導入されました。

 さて、環境構築したわけですが、やはり画面解像度が 1356x768 は正直苛つきますね。狭いという認識は否めなく、より広い画面を欲したくなりました。そこで、自宅の ThinkCentre 用に使用していた 23" LCD(1900x1200) を Display Port で接続しました。さすがに、この解像度があれば、狭くて苦しいということはありません。ただし、持ち運びが不可能になりますので、その点が問題となることは否めません。なので、USB Travel ketboard を接続し、完全な固定マシンとして使う道を選択しましたw。持ち運ばない Note って、いったい存在価値があるのか、という問題がありますが、Power があれば、Desktop の代わりとして使用することもできる、といえますね。

 動画再生では、大きな画面がありがたく、表計算や文書作成などでは、全画面を使うことはほとんどなくなりました。仮想環境を開いても、完全に重ならなくはできませんが、余白からある程度表示させることができます。かつては重くて使えなかった PCSX2 も、W510 になってからは、サクサク動作し、DQ8 もなかなか快適に Play できました。メモリに余裕があることから、複数の仮想環境を起動させておいても使えるのは驚きです。

 さすがにこの筐体を持ち運ぶことはためらわれますね。液晶のサイズがたりないこともあり、内蔵 LCD で作業効率を確保することは相当に難しいと感じています。そのせいもあって、Desktop としての使用がほとんどとなっています。せっかくのスペックがもったいないところですね。それも、寝室に設置しているあたりも、どう考えているのか、と小一時間ほどw。やはり、持ち運びをするマシンは、サイズがある程度抑えられていないと、運ぶ気が失せますね。最近のフルスペック文化のおかげか、筐体の肥大化が進んでいるのは、PC も携帯も通じるものがありますね。そのうち、ワイシャツのポケットに入らない携帯が登場してくるのでしょうねw。


Last Update is 2013/07/13. CopyRights Tazoe Kazuya 2013.