OS を再インストールしてみよう

やり直した回数だけ人は進化する


OS の再インストールとは

OS をインストール?

 今どきの PC であれば、購入して、箱から出して電源をつないでスイッチを入れれば、Windows が起動してきて、ネットワークにつないでユーザー登録を行う、というところでしょう。PC が世の中に出てきた時から、こうなっていたのでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。家庭に爆発的に普及した Windows 95 は、ユーザーが OS を購入してインストールしなければなりませんでした。Windows 95 が登場する以前の PC DOS(MS-DOS) の時代には、PC を購入して、OS を購入して、買ってきてからする作業の最初が OS のインストールでした。PC を昔から使ってきている人には、さほど面倒でもない作業でしょうが、初めて PC を購入したユーザーは、何をしていいのか、わからないまま、ということもあり、ショップで OS のインストールをサービスで行う、ということも、珍しくないような気がします。

 OS もソフトウェアなので、使えるようにするにはインストール(導入とも呼ばれます)という処理を行う必要があります。現在の、ほとんどの PC では、この OS をプリインストール、初期導入済み、となっています。Windows 95 が登場したころ、多くのユーザーが、Windows 95 のインストールができずに、ショップに泣きついたといえます。Windows 10 となった現在、OS のインストールをユーザーがやる必要性はあるのでしょうか?

 はい、あります。

OS の再インストールを行うときっていつ?

 多くは、Windows が正常に起動しなくなった時です。普通に Windows が起動している場合、特に考えることもないのですが、青い背景にメッセージが表示される、いわゆるブルーバック状態になった場合、修復で治せる場合はいいのですが、それで治せない場合は、Windows 10 自体を再インストールすることで、機能回復を図ることができます。

 えっ、ショップにもっていってやってもらうからいい?ショップにお願いしたら1万円近くかかってしまいますよ。部品交換まで必要となれば別ですが、自分でやれば無料ですよw。通常に Windows を操作することができれば、再インストールすること自体は、さほど難し話ではないです。

OS を再インストールするときの注意事項

 OS を再インストールすることは、それほど難しいわけではありません。ただ、何も考えずにおこなうと、あとで困ったことになる場合があります。以下の点を事前にきちんと確認しましょう

注意点 その1 ユーザー情報はすべて消えます。

 やり方によっては、残っている場合もありますが、基本的にはすべて消えるもの、と思っていたほうがいいです。特に、PC 上で作成した各種データについては、残らないもの、と思いましょう。残せるようにしておく方法もありますが、事前に準備をしていないとだめなので、プリインストールのまま使っていた場合で、再インストールする場合には、何らかの方法で、中のデータを退避しておかないといけないです。

 また、各サイトへアクセスする際のユーザー名やパスワードなども、再インストールですっぱり消えます。意外とブラウザに記憶させているだけで、別に記録しておかなかったがために、再インストール後にサイトに入れなくなってしまうことも、しばしばあります。

注意点 その2 インストール済みアプリケーションは、インストールしなおせますか?

 結構な落とし穴になるのが、こちらですね。プリインストールされたアプリケーションが、単独でインストールできる形になっていればいいのですが、そうではない場合、Windows 10 の再インストールによって、ソフトが消滅してしまうことになり、機能がもともに踊らないかもしれません。ここ最近の PC では、リカバリメディアもなくなっているので、購入時点の状態い戻すしかできない、という場合もあります。MS Office の CD-ROM はきちんとありますか?リカバリ領域にあっても、Windows の再インストール後に導入できるとは限りませんよ。

注意点 その3 ドライバは大丈夫?

 割と忘れやすいのが、ドライバ類です。Windows 10 になってから、必要なものはネットワークから入手できるようになっていますが、そのネットワークを有効にできないと、何もインストールできなくなりますよ。Windows 10 ではありませんが、Windows 95 のマシンで、FD はもちろん、USB も利用できない環境で、NIC のドライバが入れられず、八方ふさがりになったことがあります。

 特に無線 LAN 関係は注意してください。有線 LAN が使えるからと考えていると、LAN ケーブルが鳴ったりして、ファイルを持ってくることができない、ということもありえますよ。

OS の再インストールの準備

Windows 10 のインストールメディアはある?

 ここ最近は、ほとんどありませんね。というか、Microsoft が公式に配布しているようになっています。Windows 10 のダウンロード から、専用ツールを入手します。この記事を執筆している時点では、May 2021 版が配布されています。

 インストールイメージは、DVD-R では入らないサイズとなっていますので、最低でも DVD-DL ないしは、USB メモリが必要となります。インストールする PC が Core i シリーズの第一世代などは、1909 版でないと、インストールに失敗してしまうことがあるようです。

 さあ、準備はいいか。お祈りは済ませたか、寝る前のトイレは済ませたか(爆)

Windows 10 のインストールメディアの作成

 Windows 10 のインストールメディアは、前述したとおり、パッケージを入手しなくとも取得できるようになっています。

Windows 10 のダウンロード なお、インストールメディアは共通版となっており、Home と Pro の区別はありません。

 ダウンロードしたファイルを実行すると、まずはライセンス条項が表示されます。

 ここで、「拒否する(D)」を選べば、作業終了となります。もちろん、「同意する(A)」以外の選択肢はありませんよねwww。とはいえ、「同意する(A)」を選んでも、すぐには進みません。

 この画面、しばしば見るようになります。進行状況を示してくれるわけですが、正直イラっとしますよね(爆)。

 このツールの実行環境は Windows 10 Pro 21H1 上です。ツールで直接更新もできますが、ほかのマシン用のメディアを作成することができます。「別の PC のインストールメディアを作成する (USB フラッシュ ドライブ、DVD、または ISO ファイル)」を選びます。なお、インストールする PC によっては、最新バージョンではうまくいかないことがありましたので、ツールの更新はこまめに追いかけておいた方がよいようです。なお、ここで作成したメディアは、マイナーバージョンアップ用としても使えるので、インストール用以外にもつかえます。

 続いて、作成するための設定となります。基本的には、画面の通りで問題はないはずですが、時に事情があれば、必要な部分を変更することとなります。インストールメディアの設定で、日本語版だけではなく、英語版などでもできるのかもしれません。プログラムは単一のものとなっているようですね。

 メディアを何に作成するか、ということになります。いきなり USB メモリに直接作成する場合は、「USB フラッシュ ドライブ」を選択します。ただし、「ISO ファイル」で作成してからも、USB メモリに作成することができますので、最初は ISO ファイルを選んでもよいと思います。ここでは、「ISO ファイル」を選択します。

 作成するファイル名を付けます。名前には特に決まりはないですが、バージョンを追記しています。こうすることで、複数のバージョンを置いていてもわかりやすくなります。細かいことを言えば、対応bit 数まで入れればよいでしょうが、いまさら 32bit 版を使うことはないでしょうから、バージョン番号だけでよいと思います。

 実際のインストールメディアの作成となります。ここからは、処理する PC および回線の速度となりますので、気長に待ちましょう。

 指定した場所に、ISO ファイルが作成されます。できたファイルのサイズを見ると、DVD-R で入りそうですが、メディア用では、bit 単位で使いますが、最低単位はそうとはならないので、ちょっとだけはみ出してしまいます。なので、容量が倍入る DVD-DL か、16GB 以上の USB メモリが必要となります。

 これで、Windows 10 のインストールメディアが作成できました。いよいよ、Windows 10 をインストールします。

Windows 10 のインストール

まずは起動順番の変更

 USB メモリから OS をインストールする以上。USB メモリから起動させる必要があります。再インストールの時には、中に起動設定された内蔵ストレージがありますので、そのままでは、内蔵ストレージあら起動しようとしてしまいます。BIOS を呼び出して、起動順位を設定して、USB ストレージを HDD 等の内蔵ストレージよりも早くしておくことです。かなり乱暴な方法は、メーカーロゴが出たところで、F12 または F10 最後は F2 あたりを押して、Boot Menu が表示されないかを祈ります。

USB から起動すると

 正しく起動完了すると、Windows 10 のインストーラーが起動します。基本的には自動認識されたもので構いませんが、Shift+2 で @ が出るマシンなどは、キーボード配列が 101 キーなので、インストーラーの設定を変更することが必要になる場合があります。よくわからない時は、そのまま「次へ」を押して構いません。

 画面中央に、「今すぐインストール」のボタン?が出ています。画面を注意深く見ていれば、左下に「コンピューターを修復する」が表示されていることに気づきます。こちらで正常起動しない Windows を治すこともできますが、その場合は、PC が起動時に走る『 Windows の自動修復』でも修正できるレベルのものなので、おそらく、役に立つことはほとんどないでしょう。「今すぐインストール」を選びます。

 多くの場合、ここで腰が引けることでしょう。「プロダクトキーって何?」となるかと思いますが、再インストールの場合は心配いりません。画面下部中央に「プロダクトキーがありません」を選択してください。Windows 10 ではデジタルライセンスと呼ばれる、Microsoft のサーバー側でプロダクトキーを管理しています。このため、再インストールするときにプロダクトキーを入力しなくても、インストール後に行われるライセンス認証において、使っている PC に変更がないと判断されると、Microsoft のサーバーで管理されているプロダクトキーで認証されることになります。Windows 7 までのように、(プロダクトキーどこにある?)と探さなくても済むようになっているのです。

 なお、自作 PC などで、内部のパーツを変更している場合には、デジタル認証で通過しない場合があります。そのような場合は、表示されるメッセージに従って、適切な対応を行いましょう。どの程度パーツの変更をした場合に拒否されるのか、Microsoft では明らかにはされていませんので、出たとこ勝負にはなります。CPU と M/B 、それと HDD あたりの変更時には、注意する必要があるように思います。

 続いて、インストールするタイプの選択です。ここは、これまでつかっていた Windows 10 に合わせたものを選択します。仮に Windows 10 Home を使っていた PC に、Windows 10 Pro を選択して再インストールしても、デジタル認証ではじかれてしまい、Windows 10 Pro のプロダクトコードを求められることになりますので、その点は注意してください。

 インストールの仕方を選択します。アップグレードとは、すでに、内蔵ストレージ(HDD または SSD)に、Windows の旧バージョンがあった場合に、その設定を読み込んで、似たような状態にしてくれるもので、一見するとよさげですが、過去のゴミもそのまま残ってしまうので、お勧めできません、論理構造が破損して正常に読み取りできないための再インストールでは、アップグレードを選ぶと、失敗する可能性が高いので、こちらは選びません。

 過去には、こわれた HDD 上のレジストリを取り込もうとして、何度やっても、Windows の再インストールが行えない、という事案も経験しています。なまじファイルレベルのアクセスでは見えるために、高級娼婦のように、人も惑わす存在となる場合があります。

 基本的には「カスタム」を選んで、Windows 10 を単体ですっぴんなままインストールすることになります。Windows 10 を再インストールするのは、不具合解消のためなので、急がば回れ歩道橋、というわけです。これを選ぶ以上、内蔵ストレージは、まっさらにする、ということになります。論理構造の破損も、きちんと修復されるようになります。つまり、内蔵ストレージを強制フォーマットする、という選択でもあります。なので、先に、必要なデータをバックアップしておくことが必要となるのです。

 万が一の可能性に賭けたい、という場合は、今入っていた内蔵ストレージと同容量の代わりのものをさがしてきて、再インストールする、という選択肢もあります。この場合、デジタル認証が通るのか、という問題があります。ただ、もしデジタル認証が通らなかったとした場合には、PC の内蔵ストレージが壊れたので入れ替えました、と電話認証で答えることで、クリアできるかと思います。個人的には、一度読み込み不良になったストレージを再利用することは、再発する危険性を残すことになるので、ストレージの交換をお勧めします。

 内蔵ストレージが新品で、ほかの OS 等で使われたものでない場合が画面のようになります。Windows では区画を作成しないと、ドライブ名の割り当て名dができないので、まっさらの状態では、マイコンピュータなどに表示されません。

 Windows を再インストールするときは、上記のような画面になります。通常 Windows ではドライブ C しかありませんが、実は Windows 10 では、そのほかに、二つの区画を作成していて、通常は見えなくしています。完全再インストールする場合は、これら3つの区画のすべてを削除します。場合によっては、もう一つの区画があったりする場合があります。なお、ここで削除すると、中身が完全に失われてしまいますので、本当に中身を消してよいか、再確認します。

 区画を削除する場合、このように警告画面を挟みます。一応、この時点ではまだ戻れますが、ここから先に進むと、元には戻れなくなります。再度確認して、大丈夫と判断されたら、区画を削除します。存在する区画の数だけ、作業を繰り返します。

 すべての削除が完了すると、一つ前の画面と同じようになりますので、なにもなければ、「新規(E)」が青くなっていることを確認して、「次へ」を選択します。

 ここから先が実際に Windows のインストールとなります。始まったが最後、コピーが完了するまでは、ただひたすらに待つ、ということになります。インストール処理行っている PC のスペックにも依存しますが、概ね 30分から一時間程度で、作業は終わります。

 ある程度処理が進むと、画面が切り替わり、インストールした Windows が起動してきます。この中でも、いろいろな処理が行われていますので、ちょっかいを出さずに待ちます。

 私は短気なので、(いいからさっさと処理しろ!)と悪態をついてしまいます。

 ようやく、選択肢が示されます。基本的には「日本」でよいと思いますが、それ以外を選択する事情があるかたはどうぞ。

 特別会社で使う PC 等であれば、下にある「組織用に設定」となるのかもしれませんが、私はほとんど「個人用に設定」で済ませています。仮に、必要にあった場合には、あとから設定することもできますので、ご心配なく。

 Windows 10 へ、ユーザー登録を行います。漢字を使うこともできますが、ネットワークリソースにアクセスする場合、ユーザー名とパスワードの入力が求められることがよくありますので、ここでは、初期設定として、アルファベットでつけておいて、フルネームは別に設定します。Windows だけを使う場合には大した問題にはなりませんが、ほかの OS を使ったり、NAS(Network Access Strage:LAN型ハードディスク)を使ったりする場合に、認証名に漢字を使っていると、困る場合があるためです。完全に Windows のみでネットワークを使う、という場合以外は、登録するユーザー名は英字で、フルネームは漢字も使う、とすべきです。

 この場面では、「オフライン アカウント」を選択しています。

 「制限付きエクスペリエンス」を選択しないと、一つ前の選択肢に戻ってしまいますので、注意してください。

 使用する名前を入力するとなっていますが、当初は、先に作成したオフラインアカウントを指定します。あとから修正ができるのですが、ここで設定したユーザー名が、コンピュータ名の生成に使われたりするので、最初の設定では漢字を避けておきます。

 また、Windows 10 Pro では、複数のユーザーが登録できますが、Windows 10 Home では、ユーザーは一人しか登録できない上に、あとから変更することが困難になっています。ので、初期設定は重要です。

 パスワードの設定になります。セキュリティ的には、問題かもしれませんが、別に紙などに設定するパスワードを記録しておいて、間違いなく同じものを入れることをお勧めします。パスワードを書いた紙をなくしてしまうとセキュリティリスクになる、という話もあるでしょうが、絶対覚えていると自信のあったパスワードを、インストール後の再起動時に間違っていたことが判明すると、すべてやり直しになるので、それならば神に書き出しておき、その紙は重要情報としてきちんと管理する、ことをお勧めします。プロバイダのアカウント情報(ユーザー名、パスワード、等)だって、紙で届きますよね。設定した内容がわからない、ということが一番まずいことです。

 Microsoft のある意味お節介機能?かもしれません。いろいろな情報を取得して、ユーザーの利便性向上を図る、と歌っていますが、私はその効果がdこまであるかわかりません。出してはまずい情報以外は、提供しても良いとは思いますが、不安があるようなら、機能ごとにオフにしても良いと思います。

 Windows 10 から、鳴り物入りで入ってきた昨日の一つが Cortana です。音声でアナウンスする、ということ以外のメリットが、私はわかっていません。もしかすると、Hey Siri のように、音声認識で操作を代行することができるのかもしれませんが、私は全く使ったことがありません。ただ、「今は実行しない」を選んでも、あとではなにかさせられるようなので、あえて「同意」を選択しておきます。メーカー製 PC に Windows 10 を入れた時には、「Cortana と申します」と声でアナウンスしていたような気がします。

 各種設定が終わると、それを Windows 10 に設定していくようです。数分で終わる場合と、そうではない場合がありますが、待つしかありませんので、コーヒーかお酒でも手元に置いて、気長に待ちましょう。私は、よく、Windows 10 のインストールは一杯ひっかけながらやることが多いです。待っている時間が結構あるものですから、もっとも、インストールが進むよりも早く、缶が空になってしまうことがしばしばあるのには閉口しますが。

 設定が完了すると、Windows 10 のデスクトップが表示されます。NIC(network Interface Card)が正しく Windows 10 に認識されていると、画面の用に、ネットワーク上に自分の情報を公開するかどうか、問い合わせがあります。家庭内 LAN 等の場合は、見えている方がありがたいですが、インターネットに直接つながっている場合には、見えていることが望ましくない場合がありますので、必要に応じて選択してください。私は、家庭内 LAN での使用が大前提なので、「はい」を選択しています。

 正直、ここまでが、Windows 10 のインストールですが、私はこの後、若干のカスタマイズ処理を行っています。具体的には、「マイコンピュータ」「ネットワーク」「ユーザー」のデスクトップアイコンを追加する、という処理です。Windows 95 から使っていて、大変便利に使えていたのに、どうしてやめたのか全く理解に苦しむのですが、私はこれらのアイコンがデスクトップにないと困るので、必ず追加しています。

 デスクトップを右クリックして、ショートカットメニューを表示します。個人用設定を選択すると、設定画面が開きます。「テーマ」→「デスクトップアイコンの設定」を選ぶと設定画面が表示されます。

 画面の通り、チェックを入れて、デスクトップアイコンとして表示させます。

 以上で、Windows 10 のインストールは完了となります。ネットワークが有効になっていれば、続けて Windows Update の実行をお勧めします。無線 LAN の設定や、プリンタの設定、など、個別の対応を行うことになります。よく利用する各サイトのログイン情報をブラウザに記憶させたりすることも必要ですね。


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