ThinkPad X20 の導入

〜20台目の記念モデル!?〜

1.B5 Note の導入検討

 B5 Note の愛好家からすると殺されそうですが、私は B5 な Note は嫌いでした。さすがの ThinkPad でも、B5 なモデルは見向きもせず、A4 なモデルばかりを購入していました。そもそも大柄な私が B5 な PC を使おうとすると、キーピッチの狭さおよびキーストロークの浅さから、どうしても指に馴染むことはありませんでした。これまで私が購入したことのある B5 な ThinkPad は、元祖といえる 220 と、蝶々のコードネームを持ち、そのギミックの美しさからニューヨーク近代美術館に展示されている 701 の2台だけで、この2台とも購入理由は、記念モデルとしての意味であり、実使用を目的としたものではありませんでした。

 ThinkPad における B5 サイズの革新機といえば、『大人の翼』というキャッチコピーを付けられた 535 があげられると思います。私をここまで引き込むことになった、ThinkPad560 の兄弟分にあたりますが、展示品でキータッチを確認したところ、ストロークの浅さとピッチの狭さに、メインでの使用は難しい、と感じました。さらには、搭載できる液晶のサイズが限定されてしまうため、必然的に解像度が抑えられてしまうことも要因の一つではありました。

 しかし、A4 Note はすべてがバラ色というわけではありません。会社のデスク上で使う分には不満のないサイズでも、研修会や勉強会といった使用できる場所を非常に限定されている環境においては、少々大きすぎるきらいをどうしても感じてしまいます。事実、最近参加した第0回 LIDS 勉強会に参加した際、T41 の表面積の大きさから、PC を広げると資料をおく場所がない、という状態となり、このような場面には、A4 サイズは最適解とはいえない、と感じました。

タイミングという物も重要です。折しも、ある有名 OS の稼働をテストを 770Z 上で行っていたのですが、最新 OS ということもあり、P2/366MHz という CPU には、少々荷が重いようで、インストールを完了するまで、実に2時間も要してしまう、という結果に少々戸惑いと覚えていた時期でもありました。しかし、手持ちの ThinkPad では、メインである T41(P-M/1.4GHz) と、実家用に割り当ててある T21(P3/850MHz) の2台しかなく、さすがにメインの PC へ実験環境を構築してしまうこともできませんので、なんとか手頃なスペックの PC を導入することが必要となっていました。

2.ThinkPad X20 との出会い

 上京したことを利用し、ひさしぶりに秋葉原のショップめぐりをすることにしました。もちろん目的は、新たな実験君の購入でした。とはいえ、秋葉原の表通りに並んでいるショップでは、新品がほとんどで、中古を探すには裏通りをあたる必要があります。実のところ、今回が始めて自分から裏通りに入っていたため、どこにどのようなショップがあるか、と言う最重要情報を把握していない状況であり、まさに足を棒にして探した、となりました。とはいえ、秋葉原は長方形の構造をしているため、前後左右さえしっかり把握していれば、道に迷うこともないところではあります。このあたりは、RPG で鍛えた経験が役に立ちました。(笑)

 裏通りには、かなりの中古ショップがありました。もちろん、新品を扱っているところもありますが、今回の私の目的には含まれていなかったので、すべてスルーしています。中でも記憶に残っているのは、QC PASS です。この店は、いろいろなところで話題にあがるジャンクショップで、かなりの掘り出し物が店頭に惜しげもなく展示されていることがあります。今回も、最大の掘り出し物と感じたのが、ThinkPad T23 のジャンクでした。メモリと HDD はないものの、P3/1GHz が3万円弱で入手できるのは大きい意味があります。どのみち、HDD については新品に入れ換える必要がありますので、下手に中身があると戸惑ってしまうことから良いのですが、メモリについては少々困りました。というのも、手持ちを流用するにも、手駒としてあるものは、すべて PC100 のものばかりであったため、T23 の要求する PC133 のメモリは、別に購入しなければなりませんでした。この時期、PC100 のメモリでさえ見掛けないというのに、PC133 なメモリを見付けることは相当困難です。博打勝負として、PC100 を駄目元で付けてみる、という荒技もありましたが、万一うまくいかない場合、メモリを見付けるまでに、T23 を使うことができないことになります。これはかなりのロスになってしまいますので、避ける必要があります。QC PASS の店頭には、PC133 の 256MB メモリもありましたが、一万円近い価格は、躊躇してしまうところがありました。

 そのほかでは、ショップというより、多くの店で見掛けたものに、x2x 系がありました。X20,X21,X22,X23 が多くのショップで並んでいたので、あるショップで話を聞いて見たところ、企業放出品があったらしい、ということがわかりました。スペック的に、1GHz 未満のものが多く、プレインストール OS として Windows 98 となっていたことから、XP への切替えにあわせて更新されたものと思われました。とはいえ、個人的には、P3 が搭載されていれば、メモリさえ潤沢に搭載していれば、XP でもほとんど抵抗なく使えると感じられるのですけどね(苦笑)。

 正直、最初の時点では、X2x 系を購入しようと決めていたわけではありませんでした。最安価なものは X20 でしたが、Celeron 500MHz 搭載でしたので、Pentium 至上主義(苦笑)の私には、Out of 眼中でした。X21 以降であれば、Pentium III を搭載していましたが、価格的に本体のみで 40,000 円を越えてしまうため、予算案が否決されてしまいました(苦笑)。

 X シリーズには、もうひとつの問題がありました。1スピンドルマシンであるため、本体のみでは、CD Boot ができない、という問題です。PC カードや USB で CD-ROM ドライブを接続する、という方法がありましたが、運が悪いことに、手持ちの PC カード接続の CD-ROM ドライブが、ことごとく動作不良に陥っていました。借腹方式を使うことで、インストールを行う方法もないわけではありませんが、Windows 系を導入する場合には、ときに問題となってしまうことがあるため、できれば避けたいところでした。

 いまひとつ予算案を通過させられそうな案件(苦笑)が見付からないまま、秋葉原散策(笑)も終了を迎えました。天気が悪化してきたことから、ここで最後にしようと、某有名ショップに足を踏み入れてしまいました。展示品を見ていると、他店同様なモデルが並んでいましたが、他店で見掛けなかった Pentium III 搭載の X20 がここには何故かありました。注意書きとして「起動時赤い」と、Yahoo オークションで見掛ける文字がありましたが、ThinkPad を使って長い身には、珍しい話ではありませんでした。俗に赤目と呼ばれるこの状態は、通電していると解消されていくことから、陰極管の経年劣化に伴うものである、といわれています。そのせいもあってか、他店よりも安価となっており、心をくすぐられるところがありました。

 ルビコン河を前にして、渡るかどうか判断が付かなかった私の背中を度付いた(苦笑)ものに『UltraBase あります』の店員の一声でした。とはいえ、在庫の UltraBase X2 は Base しかなく、別売りのドライブが Ultra Base X2 本体なみの価格になるという状態は、最後の一歩を留まらせれくれました。しかし、その一歩をあっさりを押し出すことがありました。なんと、ひび割れがあるために、ひとつだけ半額近い値段の Ultra Base X2 があったのです。一応商品の状態を確認させてもらうと、本来は付属していないはずの CD-ROM ドライブがなぜか装着されている状態となっていることがわかりました!。もう、私の背中には着火直前のバックパックロケットが付いてしまいました(爆)。本体と UltraBase X2 を含めても、他店の本体のみの価格と同程度、ということが頭に浮かんだ瞬間、意識遠くなることを感じました.....

 新幹線のホームで気づいたとき、右手には何故か大きな袋がぶら下がっていました。こうして、記念すべき 20 台目のモデルが、右手に握られていました(苦笑)。

3.ThinkPad X20 のスペック

本体部分

UltraBase X2

 その後、メモリを 256MB 増設して総量 320MB へ、HDD を MK6026GAV(IDE 60GB)に変更しています。導入 OS は、Vine Linux 3.1 と Windows XP Pro としています。基本的な部分は Linux で問題なく使えるようになったのですが、一部の用途では、Windows を使わざるを得ないことあるため、弱いですね>自分(^_^;;。

4.今後の拡張

 残っているのは、キーボードの交換くらいで、それ以外の部分については,特にいじることは考えていません。そうそう、経たっているバッテリについては、改善をする必要がありますね。すでに、セル交換サービスに出して、復活させています。とはいえ、P3 は省電力の点でどの程度の持ちとなるかは、実測するしかないと思いますので、過度な期待は持たないようにしましょう。

 用途からすると、デカバッテリの導入は検討していく必要もありますね。外部バッテリが使えるようになれば、もう少し持続時間は延びるのではないか、と考えています。内蔵バッテリ+外付けバッテリで、合わせて3時間しか持たないのは、なんともつらいのですが、このころの省電力は、まだ弱いのかもしれません。

 無線 LAN については、手持ちの I/O Data WN-G54/CB を使っています。Prism GT 搭載カードなので、Linux との親和性も高く、無線化することで広がるエリアは、なかなか素晴らしいものがあります。欲をいえば、無線 LAN が内蔵だと良いのですが、そこまで望むのであれば、他のモデルにすべきですよね(苦笑)


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