Server マシンの交代

64bit Server の構築


油断大敵 770Z 落つ

 なにせ、マシンそのものが古いです。これまではアメリカ直輸入した ThinkPad 770Z (P2/366、256MB、30GB)でした。購入したのが 2002 年でしたがその時点ですでに中古マシンでしたし、ThinkPad-lover.org のサーバーは 2008 年からでした。地震で停電した時を除き、ほぼ 24h/365d で稼働させていました。以前にも、770Z が動作停止となったことがありましたが、再起動させたところ、正常に起動したことから、そのまま使い続けてしまいました。

 マシンが落ちたことに気づいたのは、12月のことでした。自宅サーバーが反応しなくなっていたのです。メールの転送も止まっており、マシンをみたところ、どうやらハングアップしているようでした。一度強制電源断させて、再起動を試みたのですが、どうにも起動してこないのです。

 (これはいよいよか)

 腹をくくらないといけない状態でした。さらに悪いことに、Web ページのバックアップもとっていませんでした。マシンが起動しないことからすれば、HDD のクラッシュの疑いが強いです。時期的に ATAPI の HDD を新規に入手することは難しいといえました。それでなくとも、本体そのものとて、耐用年数をすでに超えています。連続稼働を前提としたマシンではないことからすれば、そろそろマシンの更新も必要な時期といえました。

新 Server の構築

 HDD が飛んでしまったのでは、ThinkPad 770Z を使い続けることはできません。代わりにするマシンをどうするか、となりましたが、手持ちで流用できるマシンは ThinkPad X61 しかありませんでした。なので、このマシンを新 Server とすることになりました。Core2Duo 1.80GHz 、2GB 、 500GB のスペックなので、我が家の Server とするには十分なスペックでした。

 さて、そのままセットアップして 32bit 環境を作るのも芸がないので、今回は、あえて 64bit 環境を構築することにしました。ディストリビューションは Vine Linux 6.3 としました。旧 Server は Vine Linux 4.1 でしたから、一気にバージョンが上がることになりました。まあ、ハードウェアスペックの観点から OS をバージョンアップしたくてもできなかった、という事情も実はあったりしました。

 OS のインストールそのものは、たいして問題もなく進みました。インストール環境で x64 を選択するくらいで、インストールそのものはほぼお任せにしました。ただ、管理の手間を減らしたいと思い、一般的には外す X も入れています。基本的には CUI で設定ができるのですが、ごく一部についてのみ、GUI がほしいものがあるので、X を入れています。

 苦労したのは、各種デーモンの設定でした。bind(DNS) 、apache2(Web) 、postfix (Mail) の設定をやり直すのが厳しかったです。4年以上もノーメンテナンスで使っていたため、どのような設定をしたのかもうっかりわからず、google 先生を頼りました。

bind の設定

 bind 自体の設定である named.conf の設定と zone ファイルの設定に二つの設定があります。まずは根幹となる named.conf の設定です。named.conf は;(セミコロン)で閉じるのですが、ついつい忘れてしまいがちです。私は vim を使いましたが、カラータグという補正要素もあるのにも関わらず、閉じ忘れをしてしまい、bind が起動してくれない状況を繰り返しました。設定ファイルのチェックツールである named-checkhuconfコマンドの存在をなかなか思い出せず、syslog に bind が出力するメッセージを見ながら、named.conf の設定確認をしていました。閉じ忘れが多かったですが、中にはキーワードのタイプミスもあり、bind が正常起動するまで、結構な時間を要してしまいました。

 さらにはまったのが zone ファイルです。記述はさほど面倒もない、と思っていたのですが、定義する IP アドレスを間違うというとんでもないミスをしていることに気づくまで三日ほどかかりました。メールが届かないため、設定を確認していたところ、返ってくる MX レコードが占めす IP アドレスが間違っていました(;_;)。これはかなり顔が青ざめました。幸い、当該 IP アドレスには MTA が設置されていなかったので、誤配送されることはなかったのが救いでした。

 当該 MX レコードを修正して対応完了か、と思いきや、まだいくつかの不安材料があります。ここで google 様にお伺いを立てて named-checkzone コマンドの存在を知りチェックするようになり、何とか解決できました。zone ファイルの設定が完了した時点で、自宅 LAN 以外から IP アドレスが正しく牽けるか確認して、DNS の設定は完了となりました。

postfixの設定ははまる

 postfix の設定ファイルは main.cf ですが、こちらもすっかり設定内容を忘れていました。幸い、旧 HDD は物理的な破損も少なく、以前設定していた main.cf の内容を参照できたことから、従前の設定を参照しながら設定していきました。それでもバージョンの相違による違いも少なからず存在しており、なかなか設定は苦労しました。

 最大にはまったのが、postfix に LAN からは telnet により接続できるのに、 WAN 側から接続しようとするとできない、ということでした。これで、外部から postfix に接続できない、と信じ込んでいました。しかし、postfix の設定が正しく完了して、メールが送受信できるようになっても、WAN 側からのアクセスでは、postfix に接続できませんでした。ただ、今になって考えると、main.cf の設定で、LAN 側 IP 以外からアクセス拒否と設定していたかもしれませんので、単に私の知識不足のせいかもしれません。VPN 接続をして telnet していたので、悪くはないはず、という思いも、解決に時間を要した原因かもしれません。

apache の設定 すべての内容は移行できず・・・

 apache2 の設定は、旧設定をほぼ踏襲しました。コンテンツは、旧 HDD からそっくり持ってきて、新 Server にコピーしたのですが、一部ファイルが正常に転送されなかった模様です。まあ、かなりの部分が救えたので、ゼロではなかったのがありがたいです。久しく更新してなかった内容についても、今回のことを教訓にする意味で、Web ページを作成することにしました。1年以上ご無沙汰していて、いろいろと忘れている部分もありましたが、とりあえず、形にはなったかな、と思っています。

新 Server 構築を終えて

 まあ、まだ一部残っているところもありますが、とりあえず従前の機能は復旧できたと思います。レンタルサーバーであれば、提供元にクレーム入れれば終わりですが、自宅サーバーはそうはいきませんので、いろいろと大変でした。設定確認には、スマホのテザリングが大活躍してくれました。いちいち外に出かけることなく、自宅内から、WAN 側の接続環境を構築できるので、そういう意味でも負荷は減らすことができました。

 しかし、各種設定ファイルのバックアップの重要性を痛感しました。ある程度動きが固まったところで作成しなくては、と思っていましたが、正常に動作して入ればついつい後回しにしてしまい、いざというときに困ることになります。電子ファイルの形で、自宅サーバー以外の部分に保管しておかないといけないな、と感じています。プロバイダの Web ページサービスなどで領域を確保することはできるわけなので、そういったことも考慮して、対応していきたいと思います。


Last Update is 2016/02/11. CopyRights Tazoe Kazuya 2016.