コンピュータ、電気がなければ粗大ゴミ

〜BP16-33 導入記〜


 NotePC は、その機動力こそが魅力の一つといえます。もちろん、補助電源としてバッテリを使っているという運用形態もあると思います。しかし、その命とも言えるバッテリは、繰り返し行われる充放電が原因で、どんどん劣化していき、最後には充電できなくなります。

 バッテリには NiCd(ニッカド)、NiMH(ニッケル水素)、Li-Ion(リチウムイオン) などの種類があります。NiCd は充放電を繰り返すと、本来の充電容量まで達する前に、充電完了と誤認してしまう『メモリ効果』が発生しやすく、現在ではほとんど用いられなくなっています。NiMH は乾電池型もあり、その持ちの良さと供給電力の大きさから、いろいろな用途に利用されています。Li-Ion は NiMH よりもさらに供給電力が大きく、NotePC のような小さくて大容量を要求する用途に利用されています。

 さて、駄目になったバッテリを悔やんでいてもしかたないのですが、再度専用バッテリを購入することは、正直躊躇していました。二代目バッテリは、わずか半年の命であり、あまりにも早い消耗に、本体側の異常の疑いが否定できなかったためです。しかし、キーボードだけでなく、CPU まで交換しているような状態では、とても IBM に修理を依頼できる状態ではありませんでした。このため、仮に三代目を購入しても、再び同じ状態にならない保証はありませんでした。

 とある家電量販店で珍しいものを見つけました。30cm 程度のぱっと見が筆入れにも思えるそれは、両側に AC プラグジャックのようなものがついていました。一方の黄色いジャックの付近には、「こちらがわに AC アダプタを装着しないでください」という注意書きがありました。

 そばにいた店員に問い合わせたところ、なんと、Note PC 用の汎用バッテリだとうではありませんか?以前 Note PC 用に外付けのバッテリがあれば、複数のマシンで使いまわせるな、と考えたことがありましたが、まさか製品として存在しているとは、思いもしませんでした。詳しく聞いてみると、複数のケーブルが付属しており、数種類の Note PC に対応できるとのことでした。

 充電ユニットが別になれば、本体の充電回路が不良であっても、問題なく使用できるはずです。今の私には、願ったり叶ったりの商品ではありました。しかし、それでも即断はしかねました。最大のネックはその価格にありました。販売価格で 23,000円では、専用バッテリを購入する方が安上がりになってしまいます。(結構な値段するよなあ....)と内心考えていました。

 私の背中を押したのは、ちょっとしたことでした。それは GW 中に上京することでした。東京までは、約3時間かかります。ThinkPad 560E のバッテリでは、大宮の手前で終わってしまいます。仮に ThinkPad 600 のバッテリを購入したとしても、ぎりぎり上野で切れる計算になります。外部バッテリを使えば、ThinkPad 560E はもちろん、ThinkPad 600 でも使用できますので、メリットは大きいものになります。ならば....ということで、購入を決意しました。

 購入したものは、IO Data 製 BP16-33 という Note PC 専用バッテリです。電源コネクタにあわせて3種類のコネクタが付属しており、そのうち一本が ThinkPad 600 のものと一致しました。大きさ的には、ThinkPad 560 のバッテリをもう少し伸ばしたような形になっており、これで外装が黒であれば、もっとうれしいのですが、残念ながら、グレーでした。

 外部バッテリを導入することによって、ThinkPad 600 を再び Mobile な世界へ連れ出すことになりました。内蔵でなく外部なので、取り回しの問題などがありますが、それでも、XGA に慣れきっていたので、持ち歩けるようになることは、非常にうれしいことでした。結構持ちもよく、購入してよかったと感じました。


Last Update is 2001/04/22 .