私が ML にはまる理由


 メーリングリスト(Mailing List)、というものをご存知でしょうか?ご存知ない方のために、簡単にメーリングリストのシステムを説明いたします。メーリングリストとは、ある特定のアドレスに送付されたメールを、メーリングリストへ登録されたユーザーのアドレスへ同報転送するシステムです。メーリングリストの構成員である一人が、メーリングリストのサーバーへメールを送信すると、メーリングリストのサーバーに登録されているすべてのユーザーに、まったく同じものが配布されるわけです。

 メーリングリストのシステムのメリットは何でしょうか?それは、ひとつの送信アクションが、複数のユーザーに対する送信アクションになる、ということだといえます。もし、複数のユーザーが共通の趣味に感して、メールを使って会話をしようとした場合、通常は登録されているユーザーすべてに対して、メールの送信を行う必要があります。やってみたことのある方は、同一のメールを複数のユーザーに送付するという作業が、どれだけ面倒なことか良くわかると思います。これがメーリングリストを使うことで、たったひとつのアドレスにメールを送信することで、後は自動的に登録されたすべてのユーザーに同報送信されるのです。どちらが楽なのかは言うに及ばず、です。

 メールアドレスを初めて所有したとき、あなたはどう思いましたか?メールを送信したい、そう考えたことでしょう。しかし、知り合いのメールアドレスはわからないので、出す先がない、と途方にくれたことはありませんか?私はそうでした。NIFTY^-Serve が NIFTY-SERVE になり、パソコン通信サービスからプロバイダ業へ変化していく中、メールアドレスはあれども、どこにメールを送信していいのか、ほとほと困る状況に陥りました。当時は NIFTY-SERVE で ホームページサービスなど始まっていませんので、相手を探すこと自体が非常に面倒な時代でした。なので、勢い主体はパソコン通信になり、メールアドレスは会っても使われることはほとんどありませんでした。

 NIFTY-SERVE 内のある会議室が、諸事情により閉鎖されることになったとき、私は初めてメーリングリストの世界に足を踏み入れました。パソコン通信もメーリングリストも大差はない、そう思っていはいましたが、使うツールひとつが異なる世界では、何をするにも新しいことでした。最初は Outlook Express を使っていた私も、メーリングリストから配信される大量のメールを処理し、かつ、自分の発言を作るために、電信八号を知ったのもこのころでした。

 さて、メーリングリストとパソコン通信の違いは何でしょうか?最大の違いは、パソコン通信は自分で情報を取りに行かなければならないのに対し、メーリングリストでは情報がかってに流れてくる、というところです。実際にはダイアルアップのユーザーには、自分のメールサーバーにアクセスして、メールを受信しなければならない、という1ステップは必要ですが、それでも、メールサーバーまではかってに配信されてくるわけです。このため、メーリングリストは必然的に能動的なかかわりを持たざるを得ないといえます。

 メーリングリストは、自由に作成することができます。FreeML に代表される無料メーリングリストから、@nifty の提供している有料メーリングリストサービスまで、求めるポリシーと投下可能な資本、そしてサーバーが処理すべきメール総量から、必然的に選ぶ選択肢は限定されてきます。

 メーリングリストは、パソコン通信と良く似ています。ただし、@nifty の電子会議室が @nifty の会員しか利用できないのに対し、メーリングリストは、原則として、メールアドレスを持っていれば、誰でも参加できます。どちらかがより利用しやすいかは、言うに及ばずでしょう。かつて一斉を風靡したパソコン通信サービスが、見るも無残に敗れていったのも、ある意味やむを得ないことだなとも言えます。

 メーリングリストでは、さまざまな話題がかわされます。主にはメーリングリストの開設者の意見が大きいのですが、いくつかのメーリングリストでは、まったくフィルタリングしない、自由な意見が交わされているところがあります。私が主に棲みついている(ぉぃぉぃ......)ML のひとつに『DOS/V 共和国』というものがあります。もとはとある雑誌のユーザーメーリングリストでしたが、その後いろいろあって、現在では独立したメーリングリストになっています。表に公開されているかどうかわからないので、あえて公開はしません。いろいろな方法で探してみてください。うまくすると見つかるかもしれません。

 話が脱線してしまいました。メーリングリストで発言することは、@nifty の電子会議室に似ています。ある程度のルールさえ守れば、どのような内容でも話せるため、下手をすると、友達にするよりも気楽に話が出来ると言えます。多くのユーザーの目にさらされることで、おかしなメールを送信することが激減し、外に出しても恥ずかしくないメールが打てるようになります(苦笑)。

 人間はおかしなもので、一人が良いというわりに、ぬくもりを求めてさまよい歩くことを、本性として持っているようです。直接的な他人とのかかわりを否定していながらも、間接的な他人とのかかわりであるメーリングリストには熱く情熱を傾けてしまうようです。そして、いつしかオンラインだけでは飽き足らず、実際の人どなりに触れたくなり、オフ会に出歩くようになるようです。他愛のない会話から、公式の場ではすることが躊躇われる内容まで、幅広い話題の中で、自分を出していくことは、良い経験になります。

 なにか、まとまりのない文章になってしまいました。メーリングリストに参加して、酸化されている(爆笑)身としては、なにかメーリングリストの楽しみ方を伝えたかったのですが、消化しきれていないためでしょうね、うまく伝えることが出来ませんでした。


Last Update is 2001/03/09 in Joban Line(JR East-Japan)