リソース不足の嵐

〜 私が Win98 を嫌いな理由〜


 TP560E のリリーフに伴い、未読処理環境を再び Windows 98 に乗せざるを得なくなったわけですが、やはりといいますか、しょうがないといいますか、どうにも、Windows 98 がいやになりました。Windows 98 にはリソースというメモリがあります。このリソース、具体的には User リソースと GDI リソースという二つの異なったりソース からなるものなのですが、これが実は Windows 9x を嫌いにさせているひとつです。

 この GDI リソースと User リソース、どのくらいの容量があると思います?10MB?100MB?いえいえ、実は 128KB しかありません。誤植かって?いえいえ誤植ではないのです。それぞれが 128KB であり、かつ容量を増やすことができません。実は Windows で発生する「メモリ不足」というのは、ほとんどがこのリソースメモリの不足からくるものです。私は Windows のプログラムは作れないので、詳しくはわかりませんが、このリソースメモリの容量制限は Windows 3.1 から引き継がれる由緒正しい(?) 仕様なのです。

 リソースメモリは非常に小さな容量しか持っていません。このため、プログラムは使い終わったときに、使用した分を確実に返さなくてはなりません。もし、わずかでも返却忘れがあると、すぐにリソースが枯渇してしまい、プログラムが実行できなくなります。しかし、プログラムの作り方によっては、リソースを開放しないまま終了してしまうことがあります。このような代表格に、MS Office があります。Office の各アプリケーションは、プログラム終了時に、リソースを 2% 以上返却し忘れがあります。一度に 2% ですから、Word や Excel などを起動するたびにどんどん使えるリソースが減少していくわけです。このため、一定期間ごとに Windows を再起動し、リソースをフル充電しておくことが必要になります。

 電信八号は私の愛用するメーラーです。単体でも十分機能しますが、各種の機能拡張を組み込むことで、より使いやすいメーラーになる、優れたツールです。この機能拡張の土台となるべく誕生したのが、電極Z号です。電信八号自体を加工することなく、各種機能を追加し、電信八号をさらに使いやすくしてくれる、優れたツールです。

 追加する機能拡張をプラグイン(Plug-In) と呼びます。私が愛用しているプラグインはいくつかあるのですが、そのうちのひとつに metaview があります。これは、電信八号にブラウズ機能を追加するためのプラグインで、メールを表示するだけでなく、添付の圧縮ファイルのリストを表示したりすることもできるため、Outlook Express のビューワウインドウのようで、はるかに高機能となっています。すばらしい機能なのですが、これにもひとつ欠点があります。それは、かなりのリソースイーターである、ということです。複数のメールフォルダを開いておくと、それだけでかなりのリソース消費になるのですが、さらに metaview で食ってしまい、下手をすると、Windows 自体が不安定になってしまうのです。起動直後は 80% 以上の空きを作っておくのですが、それでも不足してしまうことがあるのです。

 metaview を使うことが当たり前になってしまっている体には、metaview なしは結構堪えます。metaview があれば、メールを選択するだけで、その中身を垣間見ることが出来るためです。それでも、解像度の低さを考えれば、2ウインドウ表示が限界です。やむなく、私は metaview をはずすことにしました。

 Windows 95 と Windows NT は、APIレベルで共通化を図っています。もちろん Windows 98 も、ある程度は API 互換を持っています。リソース問題に疲れたとき、私は Windows NT にはリソース問題がない事を知りました。しかし、Windows NT を使うことは、私は躊躇しました。Windows NT は ver 3.51 から NotePC への対応が始まりました。旧バージョンからこの Web を見ている方には、かつて W私が 560 に Windows NT Server を導入していたことをご存知の方もいらっしゃると思います。最大の問題は、やはりデバイスなのです。PALDiO 321S を Windows NT でしようすることができなかったこと、Portable Dock が使用できなかったこと、バックスクロールの致命的な遅さ、など、Windows NT にした場合に問題となるものが、少なくありません。いかに安定性が重要だといっても、実用的な環境が構築できない以上、使い物にはなりません。

 metaview をはずして以降、リソース不足でシステムがロックすることはなくなりました。ただ、定期的なリブートは心がけています。そうでないと、たまったごみで Windows 98 自体がこけるためです。それでも、業務を行う PC とメール処理用の PC を分離したことで、相互の悪影響がなくなったため、ある意味ではより安定する運用形態になったといえるかもしれません。ただ、新調した TP560E のキーボードタッチが柔らかすぎて、少々戸惑い気味なことは、苦笑いするしかありません。


Last Update 2001/02/15