T41 ファーストインプレッション

何を今感じている?


キーボード

 店頭でさわっていた感触では、結構浅く感じましたが、使ってみると、そうでもないかも、という感覚になりつつあります。キータッチは、ちょうど ThinkPad 570 をたたいている感触に近いので、もう少し深めの方が好みではありますが、筐体を薄くしている割には、ストロークをきちんと確保しているというのは、評価が高くなります。

 私が ThinkPad を好んで用いていることの大きな理由の一つに、キーボードの打ち易さと配置の普遍性があります。最近の PC では、標準のキー配置を無視し、一部のキーをコンビネーション化することで、キーボードエリアを削減しようとしていますが、使い方を知っているユーザーからすれば、 Insert から PgDn までのキーは、結構使うものです。特に、表計算ソフトを使用している場合、迅速なカーソル移動が必要となるため、2キーアクションとなるのは非常に困ります。さらには、発表時期によって、キー配置を換えているメーカーなぞは、いったい何を考えているのか、小一時間問いつめたいです。

LCD

 液晶は、14インチながら 1024x768 の XGA 対応のものです。Web をさまよっていると、14インチの SXGA+(1400x1050)を勧めているサイトをよく見かけます。確かに解像度が上がることは、一覧できる範囲が広がるため、表計算などでは使い勝手がよくなることは認めますが、反面、特殊な解像度となることから、他の PC を使っている時とは別の感覚が必要となります。私自身、SXGA+ な T21 を所有していますが、一つの PC のみ解像度が異なると、かえって使いにくくなってしまいます。また、14 インチに SXGA+ の解像度では、フォントがかなり苦しくなります。サイズを上げる、という手もあるでしょうが、その結果、せっかくの高解像度を小さく使うことになるのでは、本末転倒ですし、印刷物を作成する時などに、印刷イメージがつかめないというのも、結構つらいと思います。

 私自身最近視力が 1.5 を切りつつあり、弱ってきていることは認めますが、それでも 14 インチの SXGA+ はつらいです。なので、今回あえて XGA のモデルとしました。液晶の発色などは、さすがに改善されており、ともするとまぶしくさえ感じます。実際、輝度は半分程度まで下げています。写真やデザインなど、発色が重要な作業を行う人からすれば、不満もあるかもしれませんが、私のレベルには十分すぎるものが搭載されています。

Pointing Device

 はっきり言って、Touch Pad は不要です。新たな顧客を求めたのかもしれませんが、虻蜂取らずとなっているように感じます。パームレストは広めとなっていることはよいのですが、反応が少し鋭敏すぎるのか、使用者の関知しない操作が入ってしまうことがあり、時々はっとさせられてしまいます。

 TrackPoint は、ソフトリムが意外に使いやすく驚いています。以前買い置きしておいた Clasic Doom 型も、そろそろ残が少ないので、これを機会に、すべてソフトリムにするのも手かもしれません。しかし、液晶にスティックの跡が残るのは、T41 でも完全ではなかったようで、なまじソフトリムとなったが故に、トップのパターンが液晶のど真ん中に刻印として残っている状態は、結構興ざめさせられる風景ではあります。

ネットワーク

 T41 は、そのほとんどを無線 LAN で使用していますが、これまでのところ、基地局を広い漏らすと言うことはなく、非常に重宝しています。PC カード型では問題となる、アンテナの張り出しもなく、すっきりとした外観となるところも、なかなかよいです。

 有線 LAN は、少し使ってみましたが、かなり早く感じました。我が家で唯一の Gb 対応品であり、相手が 100Base 対応品となっていることから、実際にはそれほど差はないはずなのですが、気持ちが入っている分、早く感じるようです。今後、OnBoard も Gb 化が進むのでしょうが、一方で速度がのびない無線 LAN を併用すると、あまり意味がないような気がしないでもないのですが。

USB2.0

 よくわかりません。USB メモリを指すくらいしか使っていないため、USB2.0 であるメリットは、現時点ではまったくありません。とはいえ、USB2.0 の外付け HDD を所有しているので、これにバックアップを作成する場合には、結構期待できるのはないか、と考えていたりします。

レガシーインターフェイス

 まったく使っていません(笑)。T41 には、CRT と LPT がありますが、会社などでプロジェクタ投影する場合には重宝しそうですが、私の使い方ではまず使うことのないコネクタです。LPT についても同様です。プリンタをつなぐのは、扱いやすい USB に統一していることから、大きな LPT コネクタを扱う必要はなくなっています。だからといって廃止されるのは、ちょっと困ります。日常は使うことがほとんどありませんが、出先などではどうしても必要になる局面などもありますので、用意されていることに越したことはありません。

 シリアルについては、完全に省略されています。モデムが内蔵され、ADSL のように Ethernet を使う形態が多いでしょうから、シリアルを必要とする環境が特殊になりつつあることは否めません。仮に ISDN を使う場合でも、ダイアルアップルータを使えば、Ethernet での接続となりますので、なおさらシリアルで接続する必要は、ほとんどなくなっています。

 実は少々困ったのは、PS/2 だったりします。というのも、テンキーが PS/2 のものとなっているのですが、T41 には口がないので使えません。数字入力する機会は激減しているのですが、せっかく購入したデバイスが使えないというのは、一抹の寂しさを感じます。一瞬 PS/2 では、と考えてしまうのが、S 端子の映像出力です。コネクタをよく見ておかないと、誤挿入からコネクタを破損してしまう可能性もありますので、注意は必要ですね。

全体的な評価

 ほぼ、満足しています。細部については、いろいろと不満もありますが、実使用に耐えるものであり、ちゃぶ台返しを行うような作りの悪さは、現時点では見つかっていません。CPU の Pentium M(1.4GHz) も、下限で駆動している場合でも、そのことを感じさせず、十分高速な CPU ですね。体感的には、メインマシンの Athlon XP 2000+ とそう大差ないように感じます。

 現在、IBM が最後の ThinkPad を発表するかどうか、はっきりとはしていません。公式アナウンスでは、現時点の IBM のプランはそのまま実施される、ということなので、もしかすると T43 や X41 、もしかすると X32 などもあり得るかもしれません。しかし、変更が発生するとすれば、CPU がより高速になり、HDD が大容量化し、標準搭載のメモリが増える、といったことであり、いずれの部品も交換可能な部品として存在しています。必要となった時期に、出物があれば、交換してしまえばよく、でるかどうかわからないモデルを待ち望んでいても、機体が絶望にかわる可能性さえ、残っています。と考えると、T41 を選択した私の眼力も、そう捨てた物ではないですね(笑)。


Last Update is 2005/01/08. CopyRights Tazoe Kazuya 2005.