grub の使い方

必要な時は、いつも忘れている


最低限必要なコマンド

 grub を使うために、最低限覚えておくコマンドは、root 、kernel 、boot の三種類ではないかと思います。これさえ忘れていなければ、grub FD から HDD 上の Linux を起動することも容易にできますし、さらには、起動させずに HDD の内部を覗くことができます。

root

 root コマンドは、ちょうど mount コマンドに相当します。mount コマンドと異なるのは、パーティションタイプを自動認識することで、root コマンドの実行結果をみるだけで、そのパーティションのタイプがわかります。

 root コマンドの書式は root (hdx,y) となります。x が接続されている HDD を指し、y はパーティション番号を指します。ここで注意すべき点としては、root コマンドの引数は、0 から始まるということです。従って、プライマリマスターの先頭パーティションを mount する場合には、root (hd0,0) となり、第二パーティションは root (hd0,1) となります。

kernel

 kernel は、起動させる KERNEL ファイルを指定するコマンドです。引数には、KERNEL のファイル名の他に、KERNEL に渡すオプションを指定することができます。ここで指定した KERNEL ファイルは、root コマンドで mount したパーティション内に存在していることが必要です。なお、root コマンドを使用せずに、kernel コマンドで直接パーティション情報を記述しても、KERNEL を認識してくれるようで、Turbo Linux では root コマンドを使用しないことをデフォルトにしているようです。kernel コマンドの書式は kernel KERNEL ファイル名 引数 で、kernel vmlinuz root=/dev/hda3 などのように指定します。

boot

 boot コマンドは、読んで字のごとく、KERNEL を Load してシステムを起動す命令です。grub を手動で使う場合には、kernel コマンドの実行後に、boot を実行して、初めて KERNEL の読み込みはなされます。grub を HDD にインストールした場合には不要となります。

grub の応用:起動せずにパーティション内のファイルリストを得る

 grub は root コマンドでパーティションを mount し、kernel コマンドで KERNEL ファイルを読み込みます。このとき、/boot 以外の場所を root コマンドで mount すると、内部のファイルリストを表示させることができます。

 grub には、bash ライクなコマンド補完機能があります。このため、tab キーを押すことで、mount 済みパーティションのファイルの存在を確認することができます。具体的には、次の手順となります。

  1. root (hdx、y) で、目的のパーティションを mount する
  2. kernel / と入力し、Tab キーを押す。

 これで、Linux を起動する前に、ファイルの存在を確認することができます。ファイルの存在を確認するために、Linux を起動させなくてよいので、非常に重宝します。特に、この方法を使えば、忘れてしまったルートパーティションを探すことができます。ルートパーティションであれば、かならず、/root が存在しているので、上記の方法で調べれば、ルートパーティションを確認することができます。


Last Update is 2005/01/08. CopyRights Tazoe Kazuya 2005.