メーラーのバージョンアップ

Windows XP の対応が必要とは.....


電信八号と Windows XP

 電信八号は非常にシンプルなメーラーです。それゆえに、リソース問題が深刻な Windows 9x には最適といえました。しかし、シンプルが故に物足りなさを感じることもまた事実としてありました。その感覚は決して個人だけの物ではなく、電信八号にも専用の拡張ツールが存在していました。それが電極Z号計画でした。

 電極Z号計画とは、電信八号を拡張するためのプラグインベースです。電信八号にはプラグインを組込む機能はありませんので、別に受け入れるベースとして、電極Z号計画が作成されました。電極Z号計画にプラグインを組込み、その上で電信八号を起動させることで、あたかも電信八号そのものにプラグインを組込んだものと同様に機能させることができるようになります。私が組込んでいるプラグインとしては、拡張振り分け、フォルダバー、スレッドビュー、フォルダツリー、拡張ログウインドウ、metaview などがあります。

 Windows XP を導入した ThinkPad T21 にも、常用環境は構築していますので、電信八号はもちろん、電極Z号計画も組込んで使っていました。しかし、ここで意外な問題が発生しました。Windows XP 上で電極Z号を終了させると、アプリケーションエラーが発生し、電信八号を含めて異常終了してしまう、というものです。

 電信八号が異常終了すると、メールを保存しているメールフォルダが損傷を受け、メールフォルダの再構築が必要となります。数十通程度であれば、さほどのことではないのですが、数千通も保存されているメールフォルダが多数ある状態では、メールフォルダの再構築には、最大で数分かかってしまいます。稀にオチるのはしょうがないとしても、毎度毎度メールフォルダを再構築するのでは、かなりのストレスとなります。

 この障害は、電極Z号計画の終了を待たずに電信八号が終了してしまうために発生する、とのことで、素の電信八号であれば、Windows XP 上でも問題なく使用できます。しかし、必要であったために導入した各種プラグインを棄ててしまうことは、相当に難しい問題でした。この問題に対応するためのツールとして、den8safe.exe というツールが提供されました。このツールは、電極Z号計画を先に終了させるツールで、その後素の電信八号に戻してから、終了差せることで、正常終了できるようにする、というものです。しかし、当方で数度試したところ、うまく行く場合と行かない場合のいずれもが発生し、必ずしも当初の希望通りとは行かないものでした。

 本来であれば、電極Z号計画に起因する問題であり、まずはそちらにあたるのが筋でしょうが、そうも行かないのが、この問題を難しくしていました。というのも、電極Z号計画そのものが公開停止になってしまっているために、改修要望を出すことができない状態にあるのでした。従って、電極Z号計画のバージョンアップは望めない、というのが現実でした。むしろ、den8safe.exe のようなツールが出てきただけありがたい、とさえ言えました。

 従って、

 電信八号を快適に使う -> 電極Z号計画を使う -> Windows XP 上では正常終了不可 -> 電信八号が快適に使えない

 というデススパイラルに陥っていたのです。対応策は、必要のない限り電八を終了させない、とするしかありませんでした。

電八倶楽部への再加入

 電信八号は現在、原作者である石岡氏の元を離れ、電八をよりよくするための有志の集まりである電八倶楽部で開発維持が行われています。実は以前私も加入していたのですが、ちょっとした事情で抜けたままとなっていました。特に開発に協力できるような技量もない、という一種のひがみ根性もあり、内容の濃い部分では、ついていけないところもあったためでした。

 とある ML で、ふと Windows XP 上での電信八号の問題に触れたところ、電極Z号計画が形を変えて存在していること、Windows XP 上でも正常に終了できるバージョンがあるらしいこと、を聞くことになり、急速に電八倶楽部への再加入について、熱を帯びてきました。

 電八倶楽部への参加要件は非常にシンプルなもので、『電信八号をよりよいメーラーとするための行動を起こす』、というものです。プログラムが作成できなくても、開発版のテストを行ったり、より使いやすくするための意見を述べたりすることも、電八倶楽部への参加要件を十分満たすわけです。

電信八号のアップグレード

 そんなときに、電極Z号計画用のプラグインがいくつかバージョンアップしていることに気づきました。さっそくあげてみたところ、そのうちのいくつかが、うまく動作しないことがわかりました、付属のドキュメントを読んだところ、最新の電信八号が必要らしい、ということがわかりました。

 ソフトウェアは、何がなんでも新しいものが良いというわけではありません。多少のバグは発動要件を知っていて、回避方策が取れるものであれば、むしろ少し前の方が、より安全に使えることも、少なくありません。Windows XP 上でうかつには終了できないとはいえ、終了さえさせなければ、特に問題なく使えるわけですから、現状のままでも、ある意味では問題なくとも言えます。しかし、各種プラグインが動作しなくなってしまったのでは、機能に支障が生じているわけでそのままにしておけるものではありませんでした。数分間使用しているだけで、使えなくなったプラグインを多用していたのか、再確認させられてしまうほどでした。

 さっそく電八倶楽部へ subscribe しました。これまで、他の ML で使用したことのある ML サーバーであるため、コマンドメールで一覧を取り寄せ、関連する過去ログを入手することで、現在の最新バージョンの存在およびその入手手段がわかりました。無事、最新開発版を入手することができました。

 現在私が使用しているバージョンは電信八号 ver 32.1.4.0.047 です。概観的な差はほとんど感じませんが、設定ファイル(denshin8.ini)を新規作成させると、あちこちに設定項目が増えていることに気づきます。もっとも、従来の公開版(32.1.3.0 sp2) の設定ファイルをそのまま使うこともできました。

 本体の入れ換えに伴い、これまでのラッパー方式から、外部 DLL ローダーを使うように開発方針が定められたようです。さっそく、外部 DLL ローダーを設定してみたのですが、今ひとつ設定方法がわからないこともあり、電極 Z号計画と同様の環境を作り出すことは出来ませんでした。単純に電極Z号計画 -> 外部 DLL ローダーとするだけではうまくいかないようです。

 いくら電信八号本体をアップグレードしても、電極Z号計画の機能が使えないのでは、本末転倒になってしまいます。そこで、無茶だとは思いましたが、最新開発版の状態から電極Z号計画を起動させたところ、これまでと同様に起動することがわかりました。本来の使い方とは多少異なるでしょうが、動いてしまえば結果 OK ということで、そのまま使うことにしています。

 実はこの中で、意外なことに気づきました。それは、最新開発版(ver 32.1.4.0.047)を電極Z号計画から呼び出す分には、電極Z号を終了させても、Windows XP のアプリケーションエラーが発生しない、ということです。うっかりミスで、電極Z号を直接終了させてしまったところ、エラーもなく終了したので、何度か繰り返したのですが、アプリケーションエラーが発生することは全くなくなりました。

周辺ツールのアップデート

 本体のアップグレードは終わりましたが、まだ作業が終わっていないのです。そもそも、今回本体をアップグレードするつもりになった理由である、使えなくなったプラグイン、については、いまだに動作しないのです。原因がわからずに悩んでいると、妙なことに気づきました。それは、プラグインの核になる DLL の一つが、今回導入した最新版の日付と異なっている、ということでした。よくよく調べると、ファイルの日付はもちろんですが、ファイルサイズも異なることから、これが怪しいと判断し、新しいものと入れ換えてみたところ、無事動作しました。

 ということは、もしかすると、最初の段階できちんとバージョン合わせをしていれば、作業が不要だったのかも....

 ここまで設定して、実際にメールの読み書きを行ったところ、新たな障害が生じました。それは、電信八号お助けツール(と勝手に呼んでいます)の一つである Jdate の最終処理時にエラーが発生する、というものです。一度エラーが発生すると、Jdate の終了ダイアログが出なくなりますが、タスクバー上の Jdate タブを右クリックして『閉じる』を選択すると、終了ダイアログが表示される、というもので、これまでキーボード操作だけで済んでいたものが、マウス操作も必要となってしまいました。

 これについては、Jdate を最新版(ver3.04)に更新することで、対応しました。ただ、うっかりテンプレートを保存して置かなかったため、最近まで使用していたものではなく、少々前のテンプレートに鳴ってしまったのはご愛敬ですね。

現在の設定


Last Updated 2003/07/27 . Copyright Tazoe Kazuya . All Rights Reserved 2003