QTParted パーティション設定ツール

これでパーティション設定も怖くない


 Windows をインストールするときに、単一の区画ではなく、複数の区画に分割して使う方にとって、一番の問題は容量をいくつにするか、ということになります。最初は最適だと考えた容量であっても、使用していくと、次第に容量が不足してくることが少なくありません。使用している環境に影響を与えず、容量割り当てを変更したいと考えても、OS 標準のツールでは再インストールするしかないような状況は、珍しいことではありません。このような時に重宝するツールである QTParted の使い方について、説明します。

QTParted とは?

 QTParted は Linux 上で動作するパーティション操作ツールです。QTParted が可能なパーティション操作は、

となります。Linux のツールだから Linux のファイルシステムだけの対応だろうと考えてしまいますが、差にあらず。Linux は数多くのファイルシステムを扱うことができるため、Linux の標準ファイルシステムである ext2 、ext3 だけでなく、Windows で使われる fat と ntfs にも対応しています。さすがにフォーマット変換はできませんが、サイズ変更をしたいという要求は、意外に多くあります。このために Partition Magic を購入するのが常套手段でしたが、これからは Linux を使って、Windows の快適環境を作り出すことができるようになるわけです。

QTParted の入手法

 QTParted は Linux 用のツールですので、まずは Linux を入手してください、となると結構敷居が高くなりますが、実はもっとも簡単な方法があります。最近、一部では話題となっていますが、KNOPPIX という Linux ディストリビューションを入手すると、QTParted が入手できます。

 KNOPPIX の日本語版は KNOPPIX Japanese Edition のサイトで入手できますが、Ring Server Project からも入手できます。KNOPPIX は 700MB の ISO ファイルとなっていますので、ダウンロード回線は ADSL でないと厳しいでしょう。QTParted が含まれることを確認している KNOPPIX のバージョンは KNOPPIX 3.3 (KNOPPIX_20031103-20031119.iso)になります。私の環境の問題か、KNOPPIX_20031119-20040202.iso は、起動に失敗してしまいます(H16.2.24 現在)。

 入手した ISO ファイルは、CD-R Writer で CD-R に焼き付けます。なお、使用する CD-R は、700MB 書き込み可能なものが必要となります。一般的な CD-R は 650MB となっていますので、焼きつける場合には、注意してください。KNOPPIX はこの CD-R から起動するようになるため、インストールは必要なく、すぐに使用できます。PC を CD Boot できる設定すれば、準備は終わりです。

QTParted の起動

 QTParted は KNOPPIX 3.3 に含まれるので、まずは KNOPPIX を起動します。KNOPPIX を焼き付けた CD-R を PC にセットし、CD Boot させます。

 このまま数秒まつと KNOPPIX が起動します。必要な場合には、ここで起動オプションを選択することもできます。通常は、何もしないで待ちます。

 KNOPPIX は、起動時にデバイスの自動認識が行われます。緑のバーが右端まで伸びきると、自動認識が完了して、起動プロセスが進みます。

 起動が完了すると、上記のような画面になります。この状態が KNOPPIX の起動完了状態になります。ここまでは前準備となります。

 QTParted のような、ハードウェアに密接したツールは、一般ユーザー権限では動作せず、管理者(root)権限が必要となります。このため、root 権限をもつシェルを起動します。左下の K マークが Windows のスタートボタンにあたりますが、このボタンを押してメニューを表示させます。その中の『KNOPPIX』を選択すると、さらにサブメニューが開きますので、その中の『root shell』。を選択します。

 起動した root shell に、『qtparted』と入力することで、QTParted が起動します。QTParted は日本語メッセージ対応がされています。

 QTParted は左にデバイスツリーが表示され、右にパーティションの設定状況の図示とパーティションのリストが表示されます。複数の HDD が存在すると、デバイスツリーに表示されます。パーティション操作を行う HDD を選択すると、左下のデバイス情報に指定した HDD の内容が表示されます。

新規パーティションの作成

  1. 左デバイスツリーから対象 HDD を選択します。
  2. 右ウインドウで右クリックし、メニューから『新規作成』を選択します。
  3. パーティションタイプを設定します。Primary Partition は基本区画、Extended Partition は拡張区画、Logical Partition は論理区画を意味します。Primary Partition は最大4つまで、Extended Partition は最大1つまで、作成することができます。Primary Partition と Extended Partition はあわせて4つまでの作成となります。Logical Partition は Extended Partition を作成している場合に表示されます。
  4. フォーマット形式を設定します。Windows の場合は、fat16 、fat32 、ntfs のいずれかとなります。
  5. パーティションの容量を指定します。なお、fat16 を選択した場合は、最大容量が 4096MB となります。なお、fat16 で 2048MB を超える容量を正式サポートしている OS は NT 系列の OS のみで、Windows 9x は正式サポート外となります。
  6. パーティションを作成する位置を指定します。通常は『未使用の始点』を選択しますが、必要のある場合には、『未使用の終点』を選択します。
  7. OK ボタンをクリックすると、パーティションが作成されます。fdisk と異なり、フォーマットもあわせて行われます。

パーティションの容量変更

 パーティションのサイズを変更します。場所を変更することも可能です。変更対象のパーティションを選択し、『サイズ変更』を選びます。そうすると、下図の画面が表示されます。

 『新しいサイズ』を指定すると、合わせて『前の空き容量』や『後ろの空き容量』が変化します。最後に OK ボタンをクリックすると、処理が実行されます。

 処理を実施する前に、再度確認のメッセージが表示されます。ここで OK を押さない限り、処理が実行されることはありません。


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