VMWare クラッシュ!


 初売りに群がる人ごみを避けて、1月2日には自宅に戻ってきました。今年は、年末休暇が例年より早く、しかもとある家庭的事情(苦笑)により、年明け早々に自宅に戻ってきました。実家のネットワーク環境は、内部的には 100BASE-TX ではありますが、外部へは ISDN 64K で接続されており、ADSL 4Mbps に依存した体には、とても水があうとはいえない状態でした。しかも Flet's ISDN の契約さえされていない完全従量料金であるため、Internet へ接続するときに、課金を気にしながら使わなくてはならないという、別の問題も抱えていました。折角自宅に VPN サーバーを構築して、自宅外からでも自宅の PC が利用できるようになっているにも関らず、利用する側の制限により、もっとも利用頻度の高いはずの実家では、ほとんど意味をなさない状態にさえあるといえます。

 さすがに私も大晦日から元日までは、TV を見てうだうだと過ごしていたかったのですが、実家のネットワーク環境の悪さにはそろそろ忍耐の限界を感じるほどに至っていたため、半ば衝動的に1月2日の帰宅を決断しました。もっとも、この日仙台で新年会があり、それに参加することも理由の一つではありました。このため、元日の夜でありながら、実家の PC のメンテナンスで、ほとんど時間を費やしてしまいました。もちろん、この間は自宅の PC に接続することができず、メールがたまっていることに、一抹の恐怖を感じはじめていました。何せ、ML を10箇所以上駆け巡っていると、一日あたりのメール受信量が50通を超えることはざらにあり、帰省してからたまったメールは、相当な量になっていることは容易に想像できました。とはいえ、自宅に戻ってから、年始の TV でも見ながら消化すれば、十分処理可能な量であると考えていました。

 実家から自宅に戻り、クライアント PC の ThinkPad 770Z を起動したところ、なぜかリモートデスクトップ接続に失敗してしまっていました。何度か繰り返しても、メイン環境の Windows XP on VMWare に接続できないことから、ホスト環境の Windows 2000 Server に接続したところ、驚くべきことがわかりました。なんと VMWare が内部エラーで動作停止しているではありませんか!

 現在の環境を構築して、一月ほど経過していますが、これまでのところ、VMWare がこけたことはありませんでした。このため、VMWare がコケルことなど、全く予想さえしていませんでした。エラーメッセージを読む限り、VMWare 社にエラーレポートを提出して欲しい、という内容のようで、どうにも安穏としていられない状態になっているようでした。とはいえ、再起動してしまえば、問題は解決するはず、と考え、VMWare を再起動させました。

 VMWare を再起動するとすべて解決する、と考えていた私の予想は、もろくも崩れ去りました。なんと、仮想マシンの Windows XP が、ブルースクリーンで起動不能になってしまっていたのでした。それも、一度だけでなく、複数回起動指せなおしても、すべて同じ状態で止まってしまうのでした。これにはさすがの私も絶句してしまいました。

 (なぜだ?)といろいろと思考をめぐらせましたが、理由を思い当たるはずもなく、なにか対応策を打つ以外方法はないという結論に達しました。ゲスト OS が起動しない以上、ゲスト OS が何か壊れたことは間違いないので、Windows XP の再インストールを行いました。さすがに、Windows XP を再インストールすれば直るだろう、と私は甘く考えていました。しかし、悪夢はまだ始まりに過ぎませんでした。

 Windows XP を再インストールし始めたところ、今度はインストール中にブルースクリーンが発生し、Windows XP の再インストールが完了させられない状態になっていました。(なに〜〜〜〜〜! VMWare の問題か?)これには、さすがに顔が青くなりました。VMWare のバージョンアップは見送っていたため、現在のバージョンよりも新しいバージョンは、新規購入するしかありません。しかし、現在の VMWare は、以前の Personal プランがなく、最低でも 30,000円は出さなくてはなりません。さすがに今の状態で、VMWare をアップグレードするための予算はなく、現在の VMWare が使えないとなれば、環境の構築手法そのものを見直す必要がありました。単なる環境の再構築であれば、丸一日もあればなんとか対応できますが、OS 環境から変更するとなると、そんな日数ではとても足りるものではありませんでした。しかも、リモートデスクトップ接続を主として使用しているため、Windows 2000 Server では、色数とサウンドの関係で、満足できる環境にはなりません。さて、どうしたものか、顔はどんどん青ざめていきました。

 青ざめてばかりはいられないので、なんとかするべく情報を探しました。まずは VMWare のアップグレードがどうなっているかです。幸運なことに、VMWare 3 系の最終版である VMWare 3.2 がまだ配布されていたので、早速入手しました。VMWare さえインストールできてしまえば、仮想マシンはそのまま引き継げるので、環境の修復はそれほどの手間にはなりません。

 しかし、世は無常で、VMWare 3.2 を導入しても、Windows XP Pro のインストールはうまくいかなかったのでした。これには、心底肝を冷やしました。VMWare を入れ替えてもだめとなると、残るは VMWare4 にアップグレードするしか、方法が残されていませんでした。

そこで、既存の仮想ディスクではなく、新たに仮想ディスクを作成して、Windows XP をインストールしてみたところ、今度はエラーなく進めることが出来るようになりました。結局、仮想ディスクの論理構造に障害が発生していたようで、OS とは別の仮想ディスクに入れておいたアプリケーションは無事でした。

 多少のあせりがあったせいか、インストールしなおした Windows XP は、システムドライブが F になってしまいました。直そうかとも思ったのですが、アプリケーションドライブやデータドライブとドライブ名が重ならないことから、そのまま使うことにしました。なにせ、この時点ですでに 100 通を超えるメールがたまっている(年明けからのメールはすべて未読となっていたため)ので、とにかくメールが読める環境の復元が最優先事項となっていたのでした。OS が復元できて、電信八号をあけてみたところ、未読メールの数は、200 を超えていました......

 VMWare がクラッシュしてしまった理由は、現在までのところ、決定できるものはありません。しかし、ネットワークの負荷を高めているときにブルスクリーンが発生していることが多く、最近発生したものでは、メールを受信中に、ひまだったので、FireBird 0.7 で Web 閲覧を行い、掲示板へ書き込みを行っていたところで発生しています。これが疑わしい、と考えるようになってからは、暇つぶしの Web 閲覧は、リモート側でなく、Local の FireBird 0.7 を使うようにしました。それ以来、ブルスクリーンを拝んでいないところからすると、もしかするとビンゴだったのかもしれません。

 この修復を経て、もっとも感じたことは、「きちんとバックアップをとろう」ということでした。環境の再構築後、仮想ディスクごとバックアップを取ったことは、いうまでもありません。ただし、仮想ディスク内のメール等のデータを実ディスク上へ退避していないため、仮想ディスクに論理破損が生じたときには、相当怖いことになるのは予想されます。手法的にも詰まっているため、うまい方法が浮かんでいません。


Last Update 2004/02/11 . Copyright Tazoe Kazuya 2004 . All Rights Reserved.