MS-DOS の基礎講座 Vol 2.

基本コマンド編


 MS-DOS はコマンドを知らないと、何もできません。ここでは、MS-DOS の基本コマンドについて、述べます。なお、対象とする MS-DOS のバージョンは 、MS-DOS7 、つまり Windows 95 の MS-DOS モードを中心にします。本来の MS-DOS には含まれていないコマンドもいくつかありますが、これから新規に MS-DOS を購入して使う、ということはかなり少ないケースであり、そのような場合には、別途専門の書籍を購入すると思われます (^_^;;

1. DIR(ディア)

 DIR コマンドは、ファイルの一覧を画面に表示するためのコマンドです。カレントディレクトリにどのようなファイルがあるか、特定のファイルが存在するかどうか、確認するために使われます。MS-DOS の外部コマンドを探す時にも、この DIR コマンドが非常によく使われます。


  DIRコマンド実行画面

 単に『DIR』とすると、カレントディレクトリ(今いるディレクトリ)のファイル一覧を表示します。DIR コマンドの出力は大別すると、四つのブロックにわかれます。

 A ----- MS-DOS からアクセスする場合に使用する短い名前(SFN)

 B ----- ファイルのサイズ

 C ----- ファイルの更新日

 D ----- 長い名前(LFN)

となっています。Bのところで < DIR > という表示になっているところは、サブディレクトリになっていることを示します。

 MS-DOS では、ファイル名は半角8文字+拡張子3文字となっていました。日本語のように、2バイト(=半角2文字)で一文字を表示する環境では、全角4文字にしかならないため、ファイル名はかなり制約を受けました。そこで Windows 95 からは、この制限を緩和して、半角250文字という長いファイル名を使えるようになりました。この長い名前を Long File Name:LFN と呼びます。

 Windows 95 は MS-DOS との互換性が重要視された OS です。このため、従来の MS-DOS からもファイルにアクセスできる必要がありました。そこで、Windows は LFN が作成されると、自動的に従来の MS-DOS 互換の短い名前を生成するようになりました。この短い名前を Short File Name:SFN と呼びます。

 Windows が LFN から SFN を作成するのは、次のようになります。

  SFN = LFN の始めの半角6文字相当+~+0 〜 9

仮に、LFN が abcdefghijklmnopqrstuvw.xyz となっているとすると、

  SFN = abcdef+~+1=abcdef~1

となります。なお、コマンドの引数(ひきすう)として空白を含んだファイル名を使う時は、ファイル名全体を『””』(ダブルクォテーション)で囲みます。空白を入力の区切りとしているためです。たとえば Program Files ディレクトリにある  otameshi というファイルを指定する場合は、"Program Files\otameshi" とします。

 一括処理などに使うために、ファイルの一覧を作成するとき、一つ一つのファイル名を列記していたのでは、非常に面倒です。このような時には、次のように入力することで、ファイル一覧を画面ではなく、ファイル(DIRLIST.TXT)に出力することができます。(解説はもう少し進んでから行います。)

 例2 ファイル一覧の作成

      A:\>DIR > DIRLIST.TXT


 2.TYPE(タイプ)

 テキストファイルの内容を画面に表示するコマンドです。テキストファイルとは、大雑把に言えば、人が読める文字で書かれているファイルで、Config.sys や Autoexec.bat などが該当します。ファイル内容を確認するために、主に使用します。

 例 config.sys の内容表示

      A:\>TYPE CONFIG.SYS    


3.COPY(コピー) 

 ファイルをコピーします。特殊機能として、ファイルの結合機能があります。おそらく、一番多様するコマンドだと思います。

使用法1 ファイルのコピー 

      COPY   コピー元のファイル コピー先のパス名

      A:\>COPY  COMMAND.COM   COMMAND.ORG

使用法2 テキストファイルの結合

  Copy  元ファイル1+元ファイル2+元ファイル3+・・・+元ファイルN  結合後ファイル名

      A:\>COPY  FILE1.TXT+FIKE2.TXT+FILE3.TXT  FILECOMPLETE.TXT

複数のファイルを複写するときは、変化する部分を『*』(アスタリスク)で代用できます。たとえばファイル名の先頭が GOMI となっているファイルをまとめて TrashCAN ディレクトリにコピーするときは

      A:\>COPY  GOMI*.*  TrashCan

となります。この『*』をワイルドカードと呼びます。ワイルドカードはすべてのコマンドが対応しているわけではないので、注意してください。TYPE コマンドはワイルドカードには対応していない代表的コマンドです。DIR はワイルドカードに対応しています。  


4.REN,REName(レン、リネーム)

 ファイル名を変更するコマンドです。ワイルドカードにも対応していますが、変更元のファイル名と変更先のファイル名が重複する場合には、ワイルドカードが無効になります。

使用法  ren 変更前のファイル名  変更後のファイル名

 あまり使用法がないコマンドですが、バックアップファイルから元のファイルを復元する時などに利用されることがあります。


Last Update is 2001/06/13