HTML Mail はなぜ嫌われるのか
E-mail を送るようになると、途端に『HTML メールは止めてください』という反応が来ることがあります。『HTML メールって何?』となる人が多くなってきているようです。私も Web ページで、HTML メールの送信をご遠慮頂いていますが、何通かは HTML メールできてしまいます。そこで、なぜ HTML メールが拒否されるのか、HTML メールの何が悪いのか、を解説したいと思います。
1.HTML メールとは?
まずは、下記の画像をご覧ください。
1.HTML メール
2.HTML メール
3.テキストメール
おそらく、1番はすぐに HTML メールであると気づくでしょうが、2番が HTML メールというのは気づかないと思います。3番がテキストメールですので、2番と見比べてみてください。文面以外で、一ヶ所違っているのがわかると思います。HTML メールとなっているとき、Outlook Express の場合には、件名の下にツールバーが出現しています。
メールは送られるときにテキストファイルに変換されます。HTML メールで付加される画像情報も、特殊な方法(これをエンコードと呼びます)でテキストファイルに変換されます。さて、HTML メールをテキストファイルすると、実際の メールソースはどのようになりますか?
〔2.のメールのソース〕
From:
To: <thinkpad_lover@mba.nifty.ne.jp>
Subject:
Date: Sun, 16 Jan 2000 11:52:18 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Type: multipart/alternati ve;
boundary="----=_NextPart_000_ 0011_01BF6018.23D35FC0"
X-Priority: 3
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 5.00.2615.200
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V5.00.2615.200
This is a multi-part message in MIME format.
------=_NextPart_000_0011_01BF6018.23D35FC0
Content-Type: text/plain;
charset="iso-2022-jp"
Content-Transfer-Encoding: 7bit
これが HTML メールだとわかりますか?
多分気づかないでしょう。
でも HTML メールなんです。
------=_NextPart_000_0011_01BF6018.23D35FC0
Content-Type: text/html;
charset="iso-2022-jp"
Content-Transfer-Encoding: quoted-printable
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0 Transitional//EN">
<HTML><HEAD>
<META http-equiv=3DContent-Type content=3D"text/html; =
charset=3Diso-2022-jp">
<META content=3D"MSHTML 5.50.3825.1300" name=3DGENERATOR>
<STYLE></STYLE>
</HEAD>
<BODY bgColor=3D#ffffff>
<DIV><FONT face=3D"=1B$B#M#S=1B(B =1B$B#P%4%7%C%/=1B(B" =
size=3D2>=1B$B$3$l$,=1B(B HTML =
=1B$B%a!<%k$@$H$o$+$j$^$9$+!)=1B(B</FONT></DIV>
<DIV><FONT face=3D"=1B$B#M#S=1B(B =1B$B#P%4%7%C%/=1B(B" =
size=3D2></FONT> </DIV>
<DIV><FONT face=3D"=1B$B#M#S=1B(B =1B$B#P%4%7%C%/=1B(B" =
size=3D2>=1B$BB?J,5$$E$+$J$$$G$7$g$&!#=1B(B</FONT></DIV>
<DIV><FONT face=3D"=1B$B#M#S=1B(B =1B$B#P%4%7%C%/=1B(B" =
size=3D2></FONT> </DIV>
<DIV><FONT face=3D"=1B$B#M#S=1B(B =1B$B#P%4%7%C%/=1B(B" =
size=3D2>=1B$B$G$b=1B(B HTML =
=1B$B%a!<%k$J$s$G$9!#=1B(B</FONT></DIV></BODY></HTML>
------=_NextPart_000_0011_01BF6018.23D35FC0--
------ ここまで ----------------------
〔3.のメールのソース〕
From:
To: <thinkpad_lover@mba.nifty.ne.jp>
Subject:
Date: Sun, 16 Jan 2000 11:50:48 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain;
charset="iso-2022-jp"
Content-Transfer-Encoding: 7bit
X-Priority: 3
X-MSMail-Priority: Normal
X-Mailer: Microsoft Outlook Express 5.00.2615.200
X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V5.00.2615.200
これはテキストメールです。
HTML とどう違うかわかります?多分気づかないでしょう。
でもこれはテキストメールなんです。
------ ここまで ----------------------
緑色がヘッダと呼ばれる部分で、メールサーバーはこの情報を使用して、Mail を素受信しています。From 行は個人情報が入っていますので、編集で削除しています。黄色が HTML 部分です。三行のメールを HTML で送った場合、本体の数倍にもなる HTML 部分が付加され、しかも、その中身はほとんど意味をもちません。
HTML メールがすべて意味がない、とはいいません。しかし、意味のない HTML が付加されてしまって、Mail が肥大化すると、受信する側としては、決して良い感じはうけません。通信回線が皆 ISDN64K を使えるとは限りません。また、HTML メールを表示できるとは限りません。そこまでして、HTML メールを送らなければならない理由は、私には思いつきません。
相手を思いやる気持ちは、いずこでも必要だと思います。
2.HTML メールを変更するためには?
HTML メールがなせ嫌われるのか、ということについて理解できると、次にメールの送信形式を確認したくなるかと思います。世の中には、数多くの Mailer があるため、すべてについて触れることはできません。そこで、もっとも代表的な Outlook Express の場合の確認方法および修正方法について、解説します。
現在私が使用している Outlook Express は IE5.5 付属の Outlook Express 5.0 (5.00.2615.200) ですので、IE4.0 付属の Outlook Express 4.0 や IE5.0 付属の Outlook Express 5.0 と若干異なる場合があることをご了承ください。
メールの送信形態を確認するには、『ツール』の『オプション』を開きます。
『ツール』の『オプション』を開くと、次のような画面になります。
この中の『送信』のタブを開くと、Outlook Express の標準のメール送信形式がわかります。
『メールの送信形式』というところがあります。ここで設定されている形で、メールは送信されています。上記のような状態では、メールは HTML 形式で送られることになります。『テキスト形式』に変更するためには、『テキスト形式』の前のラジオボタンをチェックします。チェックした後、OK ボタンを押すと、Outlook Express の標準のメール送信形式が、『テキスト形式』になります。
メール作成中に確認したくなったらどうしましょう?Outlook Express では、メールを作成する中にも、テキスト形式と HTML 形式を変更することができます。
書式メニューを開くと、メールの送信形態を簡単に確認できます。何かの機会にうっかり HTML 形式にしてしまっていないか、確認する時は、こちらの方が手軽でしょう。
いろいろと叩かれることの多い Outlook Express ですが、ある程度きちんと設定を行えば、それほど周りから苦情は来なくなります。ただし、個人的には、Outlook Express はあまり使いたくはありませんが(^_^;
〔参考 メールのヘッダについて〕
メールには、必ずヘッダと呼ばれる情報が付加されます。このヘッダにはいろいろな情報が含まれています。メールサーバーはこのヘッダの情報を元に、メールの配信を行っています。私はすべてのヘッダを知っているわけではありませんが、わかる範囲で説明いたします。
A From:
B To: <thinkpad_lover@mba.nifty.ne.jp>
C Subject:
D Date: Sun, 16 Jan 2000 11:52:18 +0900
E MIME-Version: 1.0
F Content-Type: multipart/alternati ve;
G boundary="----=_NextPart_000_ 0011_01BF6018.23D35FC0"
H X-Priority: 3
I X-MSMail-Priority: Normal
J X-Mailer: Microsoft Outlook Express 5.00.2615.200
K X-MimeOLE: Produced By Microsoft MimeOLE V5.00.2615.200
L This is a multi-part message in MIME format.
A.From フィールド
この行は、メールの送信者を示します。このメールは誰が送信したのか、ということがここでわかります。ただし、本当の送信者名が記載されれいるとは限りません。不届きものは、架空のアドレスを記入して、メールを送信するので、最近では、プロバイダ側で、From のアドレスが自社のメールサーバーでないものは、送信を拒否するようになっているものさえあります。
B.To フィールド
この行は、メールの受取人を示します。メールサーバーは、この Toフィールドを見て、どこに送るべきか判断しています。
C.Subject フィールド
Subject はメールのタイトルと考えるとよいでしょう。必須というわけではありませんが、メーラーが受信メールの一覧表示を行う場合には、この Subject フィールドを使います。
この Subject フィールドには、Outlook Express 特有の問題があります。原則として Subject フィールドは半角英数字で記載することとなっていますが、日本国内のメールにローマ字ばかりでは、見易さに欠けますので、日本語対応のメーラーでは、この Subject フィールドに半角英数字以外が来ると、特殊な方法を使って半角英数字に変換します(こういった変換をエンコードと呼びます)。メーラーは、受信したメーラーの Subject フィールドをみて、半角英数字に変換されたものである場合に、元の文字に戻します(これをデコードと呼びます)。
実は、Outlook Express が嫌われる最大の問題が ここ にあります。
D.Date フィールド
メールが送信された日が記されています。注意する点としては、この送信日とは、メーラーがメールサーバーに対して送信した日付だということです。受信した日ではありません。また、この送信元でつけるために、Date フィールドには地方時間(Local TIme)から世界共通時間へ変換するためのパラメータを追記しています。
メールサーバーはバケツリレー方式でメールを送っています。このため、隣の机から出したメールは、もっとも最短の距離を通るとは限らず、最悪の場合には、地球を一周してから届くことさえあります。このため、Date フィールドは全世界共通の時刻の方が都合が良いわけです。しかし、このようなことは希で、ほとんどは最短の経路で届くため、いちいち全世界共通の時刻を使っていたのでは、面倒になってしまいます。そこで、Date フィールドには Local TIme を記載し、オプションとして、時差情報を付記する方式が一般的になりました。日本は世界標準時(UTC)から9時間遅いため、+0900 と9時間追加すると、世界標準時になるわけです。
E〜G.
よくわかりません(爆)
H〜K.
これらの X- で始まるフィールドは、まとめて X- フィールドと呼ばれるもので、拡張されたフィールドとなっています。必ずしも、標準が決められているわけではありませんが、多くのメーラーでサポートされている X- フィールドもあるようです。
L.
ここから本文になります。MIME という方式でエンコードされているので、ブロック構成になって送られます。
最後に、メーリングリストから配信されたヘッダを、参考までに載せておきます。これは私が参加している TLUC(東北 Linux Users Committy) から配信されたものです。なお、経由してきたアドレス等については、誤った使用を防ぐ意味から、伏せ字とさせて頂きます。
X-Status: READ
Return-Path: <______@________>
Delivered-To: thinkpad_lover@mba.nifty.ne.jp
Received: (qmail 26756 invoked by uid 10001); 23 Apr 1999 17:53:28 +0900
Received: (qmail 26746 invoked by uid 10002); 23 Apr 1999 17:53:27 +0900
Received: from ____________ (___________)
by mba.nifty.ne.jp with SMTP; 23 Apr 1999 17:53:27 +0900
Received: (qmail 11699 invoked from network); 23 Apr 1999 08:54:08 -0000
Received: from localhost (HELO _______________) (127.0.0.1)
by localhost with SMTP; 23 Apr 1999 08:54:08 -0000
Received: (qmail 11694 invoked from network); 23 Apr 1999 08:54:06 -0000
Received: from __________ (HELO __________) (root@___________)
by _____________ with SMTP; 23 Apr 1999 08:54:06 -0000
Received: from ____________ (_______________ [192.168.10.3])
by _____________ (__________W) with SMTP id IAA01229
for <_____@____________; Fri, 23 Apr 1999 08:54:01 GMT
Date: Fri, 23 Apr 99 17:54:07 +0900
Posted: Fri, 23 Apr 1999 17:51:28 +0900
From: __________ <___@________>
Reply-To: _____@___________
Subject: [lugt:00727] Re: 盛岡ミーティング(駐車場事情)
To: ____@__________
Message-Id: <199904230854.IAA01229@____________>
In-Reply-To: Your message of "Fri, 23 Apr 99 16:17:10 +0900"
<B0000023198@_______________>
References: <B0000023198@________________>
X-ML-Name: lugt
X-Mail-Count: 00727
X-MLServer: fml [fml 2.1]; post only from members
X-ML-Info: If you have a question, send a mail with the body
"# help" (without quotes) to the address lugt-ctl@______
X-Mailer: Denshin 8 Go V321.2b5
Mime-Version: 1.0
Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp
Precedence: bulk
Lines: 15
Status: U
X-UIDL: 924857609.26771.mba
--------
このヘッダだけで、約1KBほどあります。私が現在受け取っているメールは、総数で 約300通/日ですので、このヘッダが与える影響がどれだけ大きいか、よくわかると思います(^_^;;。これが全部 HTML メールで、しかも意味のないものだったりしたら....どうなるかは、皆さんのご想像におまかせします。
現在、私のメインのメーラーは、電極Z号(電信八号 with 電極基地 Plug-in) です。ただし、業務用に関しては Outlook Express を使っています。メーラーを分けることで、自分のモードも切り替えています(爆笑)
Last Updated :00/01/28